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放電加工とレ}ザ加工を併用した複合微細加工技術の開発
桝加工中の微細穴内部における観察-
窪田真▼▼一郎・勝田智宣
ShinichirouKUBOTAandTornonoriKATSUTA
キーワ}ド
放電加工/レ…ザ加工/微細穴加工/複合化
KEYWORDS
ElectricalDischargeMachining/LaserMachining/MicroBofing/Hybrid
おける加工状態の観察を試みた。通常の加工で
1.ほじめに
は、下穴の上下から排出される気泡ならびに加
微細放電加工によって深穴加工を行う場合、
加工屑の効率的な排出を行うために、YAGレー
工屑しか観察できない。そこで本研究では、下
ザと放電加工を組み合わせた併用加工法を提案
穴を模した観察用モデルを試作し、放電加工を
しているt)。
行ったときの穴内部の実時間観察を行い、加工
屑ならびに気泡の挙動を検討した2)。
図1に併用加工法の模式図を示す。これは、
YAGレーザを用いて下穴をあけ、その穴に対し
2.実験方法
て放電穴加工を行うものである。放電加工平に
図2上図は、下穴内部の加工状態を観察するた
生成される加工屑は下穴から排出され、良好な
放電特性が維持されるため微細深穴加工が可能
めのモデルを模式的に示したものである。透明
となる。しかしながら、下穴に対して放電加工
アクリル板を用いて加工漕を作製し、その内部
を行っても、途中で下穴が詰まりそれ以降は加
に2個の被加工物である超微粒超硬合金の板を2
工が進行しないという現象がしばしば発生する。
これらの原因を解明するために、微細穴内部に
Laserbeam
Electrode
l)YAGlaLSer
図1
2)MicroEDM
3)Finishedhole
レーザ放電併用加工法
図2
-55
】
戟襲用モデル
する。加工酒は2個のゴニオメ…夕を介して加工
いて膨張ならびに滞留していた気泡はある大き
機に取り付けられており、これによって電極と
さに達すると一気に剥離する。(】60sec.)このよ
観察モデルとの位置合_わせを行うことが可能で
うな現象を繰り返しながら、加工が進行する。
ある。電極にはタングステンワイヤを使用し、
また、時間の経過にともなって加工屑の観察面
必要に応じて電極成形を行った。図2下図に示す
への付着が顕著になる。(17min.)貫通までに約
ように、観察用モデルを加工機に取り付け、電
40分を要しているが、その間、ジャンプ動作も
極と位置合わせを行った後、油中で放電加工を
なく良好に加工が進行した。
行い、穴内部の加工屑や気泡の流れを観察した。
図4は加工中に生成された加工屑のSEM写真で
ある。図から明からなように球形のものが多く、
3.実験結果
粒径が約3トtmから丹m以下のものまでが混在し
図3は直径700トLmの電極を使用して観察実験を
ている。成分分析の結果、粒の成分は主にタン
行ったときの下穴内部の状態を時系列で示した
グステンであり、これは電極ならびに被加工物
ものである。本モデルでは、隙間を610トLm、被
から生成されたと考えられる。また、匪l中の黒
加工物の厚さを800けm、深さを8750トLrnとした。
色部分の元素は主に炭素であり加工中に生成さ
図から明らかなように、加工開始直後は発生し
れた炭素生成物であると考えられる。
た気泡のはとんどは上部より排出される。また、
気泡の大きさも下穴の直径と比較して小さい。
4.まとめ
気泡の発生と同時に加工屑も下穴の裏面よりス
▼
F穴に対して放電加工を行った場合、加工屑
ムーズに排出されているのがわかる。しかしな
の排出が向上するだけでなく、気泡の排出性に
がら、加工が進行するに従って気泡は下穴内部
対しても非常に有効であることがわかった。し
に-▼一度蓄積され、その後下部に向かって膨張す
かしながら、自然対流においては、被加工物裏
る(55∼75sec.)。気泡の膨張が被加工物の裏側
面に気泡が蓄積ならびに膨張し、下穴からの加
付近に達すると、一部が剥離し下穴の外部へ排
工屑などの排出性に影響をおよぼす。したがっ
出される(100sec.)。また、120sec.時において
て吸引などを付加することは、被加工物裏面の
見られるように、排出された気泡が被加工物裏
清浄効果に有効であると考えられる。
面において膨張し、新たに発生した気泡の排出
参考文献
を妨げる状態も観察された。被加工物裏面にお
り 栗林宏和、宇野義幸、窪田真一・-・、-・一郎、横滞精
一:電気加工学会全国大会(1998)講演論文集、
33-36。
2)山本兵嗣、宇野義
学会全国大会(2001)
図3
加工中の穴内部の状態
図4
仙56--
加工屑のSEM写真