接点部品の腐食に影響を及ぼす要因の評価 - 静岡県工業技術研究所

平成19∼21年度
(経常研究)
研究成果事例
接点部品の腐食に影響を及ぼす要因の評価
−「一(いち)因子実験」からの脱却と因子の"影響度"の可視化−
▼表1
電解促進腐食実験の因子と水準
▲ 図1 電解促進腐食実験の外観
海水
※上方に位置する条件ほど腐食の発生に寄与
10Ω
真ちゅう板
同一
Cu板
Al板
▲ 図2 反応生成物発生の様子
卑
貴
100Ω
40Ω
中間
雨水
▲ 図3 諸因子が腐食に与える影響度を示すグラフ
接点部品(金属)の腐食トラブルにおいて、腐食生成物の分析だけでは原因
の特定は困難です。腐食に関与する要因の影響度を調べるコンジョイント
(要因)分析を行い、これまで知られていない知見や技術指導に有効な情報
を得ることができました。
輸送機器のスイッチ部品等の接点には
Cu(銅)や Sn(スズ)、Ni(ニッケル)といった金属
が使われており、重要な役割を果たしてい
ますが、それらの腐食による導通不良・絶
縁不良のトラブルが数多く寄せられます。
水・砂・繊維等の存在が認められるケー
スであれば再発防止対策は容易ですが、腐
食の形跡しか認められないケースでは不
具合原因を知ることは極めて困難です。
そこで本研究では、接点部品の腐食に関
与する要因の影響度を調べるのに有効な
コンジョイント(要因)分析に基づく電解
促進腐食実験を行ないました。
その結果、回路にA(アンペア)オーダー
の電流が流れる系では、高濃度の電解質と
同等の腐食促進効果があることや、イオン
化傾向の異なる異種金属の接触の影響は
小さいことなどがわかりました。
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工業技術研究所 浜松工業技術支援センター
材料科
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