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鉄(Fe)と臨床検査
•鉄(Fe)と言えば貧血を思い浮かべると思いますが、鉄(Fe)は貧血以外にも色々な疾患に関係し
ています。今回は鉄(Fe)と疾患と臨床検査にについてご説明させていただきます。
鉄(Fe)のはたらきとしくみ
 鉄(Fe)は半閉鎖的な循環を行って体の中で安定しています。
 ヘモグロビンやトランスフェリンなどと結合して酸素の運搬や細胞の分裂などに関わっています。
Fe
赤血球
Fe
肝臓
赤血球以外の残りの
Feは主に肝臓に貯蔵
されている(フェリ
チン)
体内のFeのうち2/3はヘモグロビンと結
合して赤血球内に存在
赤血球は寿命(120日)がくると脾臓や
細網内皮系で貪食されるが、Feはトラン
スフェリン(Tf)に受け渡され再利用さ
れる
脾臓・
Tf
•フェリチン
として貯蔵
Fe
Fe
骨髄
Tf
トランスフェリン(Tf)
と結合して体内を移動
Tf
Fe
再利用
細網内
皮系
排泄
十二
皮膚・
汗・便
指腸
食べ物か
ら吸収
量は、ごくわずか、ほぼ一定
のバランスを取っている
関連する検査について(Tfとの関係から)
 鉄(Fe)は主にトランスフェリン(Tf)と結合しています。
 TfはFe2個とまで結合でき、次の3つの状態に分かれます。
①2個と結合している状態 diferric Tf
トラックで例えると
②1個と結合している状態 monoferric Tf
③結合していない状態
apo Tf
Fe
①
Fe
②
Tf
Fe
Fe
Fe
③
Tf
Tf
Feはトランスフェリン号
に乗って体内を移動。車
は定員2名までだよ。
Fe
Tf
●Fe関連項目の関係
UIBC
不飽和鉄結合能
Tfがあと何個Feと結合できるか
TIBC
総鉄結合
Tfと結合できるFeの個数
TSAT
トランスフェリ
ン飽和度
Feが結合している割合
NTBI
非トランスフェ
リン結合鉄
Tfと結合できないFe
・・
パ
鉄欠乏性貧血の場合
Feが減少すると肝臓は
トランスフェリン(つ
F
まりTIBC)を合成
e
F
e
F
e
F
e
Fe
Fe
に
が3個 UIBC=3
Fe
6個
TIBC=6
Fe
が乗ってる割合
TSAT=50%
に乗れないにフリーな
Feの乗っていないトラ
ンスフェリン(つまり
UIBC)が増える
TIBC=
Fe+UIBC
Fe/TIBC
×100(%)
Fe
Feは減少
UIBC、TIBCは増加
TSATは減少
その結果
(株)クリニカルパソロジーラボラトリー
 TSAT(トランスフェリン飽和度)は、
鉄欠乏性貧血の早期診断に有用です。