半導体(教科書 p. 129-153) 目 標 ①真性半導体と不純物半導体の説明ができる ②キャリア密度の温度変化が説明できる ③フェルミ・エネルギーの温度変化が説明できる ※ホットエレクトロンは省略 エネルギーバンドの比較 絶縁体 半導体 金属 Naなどの1価金属 金属 Mgなどの2価金属 半導体のエネルギーバンド 価電子で満たされた価電子帯と、空の伝導帯からなり、 バンドギャップは約2 eV以下・・・教科書的には。 ただし、バンドギャップが3.4 eVのGaNや5 eVのダイヤモンドでも半導体化 できるので、2 eVという数字は必ずしも厳密ではない。 禁制帯の幅(p.131) 波長λ= 1240 / E [nm] ダイヤモンド バンドギャップ 5.2 eV 波長: 238nm Si バンドギャップ 1.1 eV 波長: 1127nm 元素半導体 Si(p.131) sp3 Si Si結晶のエネルギーバンド(p.131) Si 3s2 3p2 sp3 Si結晶に光を照射すると(p.132) Si結晶に光を照射すると 正孔(ホール) Si Si Si Si Si Si Si Si Si 自由電子 Si結晶を加熱すると(p.134) 自由電子 正孔(ホール) 真性半導体 不純物を全く含まない純粋なSiなど(半導体グレードのものは11 N) 電子密度=正孔密度 → どのくらいの数密度なのか? 真性半導体のキャリア密度(p.135) 𝑛= 𝑓 𝐸 𝐷 𝐸 𝑑𝐸 自由電子 正孔(ホール) エネルギーバンド 状態密度 フェルミ・ディ ラック分布関数 キャリア密度 真性半導体のキャリア電子密度(p.135) 真性半導体のキャリア密度は 𝑛= フェルミ分布関数は 𝑓 𝐸 𝐷 𝐸 𝑑𝐸 1 𝑓 𝐸 = 𝐸 − 𝐸𝐹 𝑒𝑥𝑝 +1 𝑘𝐵 𝑇 単位体積あたりの状態密度は 𝐷 𝐸 = 1 ∗ )3/2 𝐸 (2𝑚 2𝜋2 ħ3 真性半導体のキャリア密度(自由電子側) まずは、伝導帯側(電子キャリア)の状態密度だけ考えると、電子キャリアの有効質量を𝑚e∗ として 1 𝐷𝑐 𝐸 = 2 3 (2𝑚e∗ )3/2 𝐸 − 𝐸𝑔 2𝜋 ħ ただし、𝐸 ≥ 𝐸𝑔 伝導帯中の電子キャリア密度は、伝導帯の底から全伝導帯分の積分なので 𝑛𝑒 = Ect 𝐸𝑐𝑡 𝐸𝑔 𝑓𝑒 𝐸 𝐷𝑐 𝐸 𝑑𝐸 = 𝐸𝑐𝑡 𝐸𝑔 𝐸𝑐𝑡 𝐸𝑔 Eg 𝑓𝑒 𝐸 𝐷𝑐 𝐸 𝑑𝐸 1 1 ∗ 3/2 (2𝑚e ) 𝐸 − 𝐸𝑔 ∙ 𝑑𝐸 𝐸 − 𝐸𝐹 2𝜋 2 ħ3 𝑒𝑥𝑝 +1 𝑘𝐵 𝑇 真性半導体のキャリア密度(自由電子側) 真性半導体Siの場合、バンドギャップEg=1.1 eVで、EFはバンドギャップの中央にある ので、𝐸 − 𝐸𝐹 を室温のエネルギー 26 meVと比較すると 𝐸 − 𝐸𝐹 ≈ 0.55 eV ≫ 𝑘𝐵 𝑇 𝑓𝑒 𝐸 = 1 1 𝐸 − 𝐸𝐹 ≒ = 𝑒𝑥𝑝 − 𝐸 − 𝐸𝐹 𝐸 − 𝐸𝐹 𝑘𝐵 𝑇 𝑒𝑥𝑝 + 1 𝑒𝑥𝑝 𝑘𝐵 𝑇 𝑘𝐵 𝑇 と簡略化でき、 𝑛𝑒 = 1 ∗ )3/2 (2𝑚 e 2𝜋2 ħ3 ∞ 𝐸𝑔 となる。(教科書p.137に詳細説明あり) 𝐸 − 𝐸𝑔 ・𝑒𝑥𝑝 − 𝐸 − 𝐸𝐹 𝑑𝐸 𝑘𝐵 𝑇 有効状態密度 伝導帯の状態密度がすべて伝導帯の底にあるとした有効状態密度をNcとして 2𝜋𝑚∗𝑒 𝑘𝐵 3/2 3/2 𝑁𝑐 = 2( ) ・𝑇 ℎ2 とすると、 𝑛𝑒 = 𝑁𝑐 𝑒𝑥𝑝 − 𝐸𝑔 − 𝐸𝐹 𝑘𝐵 𝑇 また、 𝐸𝐹 = 1 𝐸 2 𝑔 なので、 𝐸𝑔 𝑛𝑒 = 𝑁𝑐 𝑒𝑥𝑝 − 2𝑘𝐵 𝑇 と書ける。 導電率の温度依存性 導電率σの温度依存性は、 𝑛 𝑚 導電率 𝜎 = 𝑞2 𝜏 = 𝑛𝑞𝜇 なので、緩和時間τの温度変化(つまり移動度の変化)を無視して、キャリア 密度だけの変化とすると、導電率のアレニウスプロットの傾きからバンド ギャップEgを知ることができる。 (実際にはそんなに甘くない・・・) 不純物半導体(p.140) SiにAsやBをドーピングすると… 自由電子 正孔(ホール) Si Si Si Si Si Si Si As Si Si B Si Si Si Si Si Si Si n 型半導体 p 型半導体 キャリア:自由電子 キャリア:正孔(ホール) Asは電子の“ドナー” として働く Bは電子の“アクセプター” として働く n型不純物半導体 Si(価電子4個)中に不純物として価電子が5個のP、As、Sbをドーピング→ P、As、Sbは結合に不要な価電子1個を放出して、正に帯電→ 放出された価電子は自由電子として振る舞う→n型半導体 P (45 meV)、As (49 meV)、Sb (39 meV)はドナー 伝導帯下端付近に浅いドナー準位 p型不純物半導体(p.143) Si(価電子4個)中に不純物として価電子が3個のB、Al、Ga、Inをドーピング→ B、Al、Ga、Inは結合に必要な価電子をSiから1個もらって、負に帯電→ 価電子を奪われたSiに他のSiから価電子が移動する→p型半導体 B (45 meV)、Al (57 meV)、Ga (65 meV)、In (160 meV)はアクセプター 価電子帯上端付近に浅いアクセプター準位 p型不純物半導体のキャリア密度(p.147) キャリア密度の温度変化(p.149) ③ ② ③ ① ② ① フェルミ・エネルギーの温度変化(p.150) 温度が上がると真性半導体に近づく →フェルミ・エネルギーもEgの1/2に近づく
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