RF マグネトロンスパッタ定期チェックマニュアル_2012 年 8 月 M1 桜井作成 RF マグネトロンスパッタ真空系定期チェック 1.真空系の起動 ①冷却水を通水する。冷却水は床の水道元栓からバルブを通して供給している。通水方法 としては、まずバルブを 30 度程度傾ける(a)。その後、水道元栓を徐々に回し(b)、装置を 通じて排水される水が写真程度の量(c)となるように水道元栓を調整する。この際、水道元 栓による水量変化が排水量に反映されるまでにタイムラグが在るため慎重に操作を行う。 (c) (a) (b) ※通水量を増やし過ぎるとホースが外れ、水が吹き出すため最深の注意を払うこと。 ②SVC-700RF 本体の主電源ブレーカーを ON にする。 ※電源系統が EB 蒸着装置と共通のため、EB 蒸着装置と同 時に成膜しようとするとブレーカーが落ちる。同時使用 禁止! ON ③制御盤主電源ブレーカーを ON にする。この際、TMP コントローラーのディスプレイに 「テイシ」と表示されている事を確認する。後述するが、ここに「テイシ」と表示されて いない場合には前使用者が立ち下げ手順を誤った恐れがあり、TMP 起動がうまくいかない。 そのため、「テイシ」と表示されていない場合は装置担当者の指示を仰ぐ。 「テイシ」確認 ON 1 RF マグネトロンスパッタ定期チェックマニュアル_2012 年 8 月 M1 桜井作成 ④V1、V2、V3、V4 すべてのバルブが閉じている事を本体排気操作パネルで確認する。 ※全てのランプが消灯していればバルブは閉じている こととなる。 ⑤RP スイッチを ON する。これにより、RP 内と V2、V3 までの配管内の粗引きを行う。 この際、5 分程度を目安に粗引きを行う。 RP ON ⑥配管内の真空引きが終わったら、V2 を開く。 ⑦TMP のスタートボタンを ON し、TMP を起動する。TMP が起動すると写真のように TMP コントローラーに ACC ○○%と表示される。これは TMP の起動状態を示しており、 ACC 100%でフル稼働の状態である。 ※Hr ボタンで TMP の積算時間を確認し記録しておくこと ACC ○○%表示 TMP ON ⑧TMP コントローラーの表示が ACC 100%となると排気操作パネルの TMP ランプがつく。 ランプ点灯後 TMP 保護のため 5 分間待つことでならし運転する。 2 RF マグネトロンスパッタ定期チェックマニュアル_2012 年 8 月 M1 桜井作成 ⑨V2 を閉め、V3 を開けることで TMP を高真空・回転保持したまま RP で成膜室内の粗引 きを行う。 ON OFF ⑩ピラニー真空計で圧力をモニターし、指示値が 10Pa 以下となったら V3 を閉じて粗引き を終了する。この際、何分で粗引きを終了したかを使用記録に記入する。この真空度によ り装置の劣化をモニターできる。 ※ピラニー真空計は熱電対を用いて真空 度を測定しているため、常圧から数 Pa まで測定できる。 ⑪V2 を開く。 ⑫バタフライバルブで V1 をゆっくりと開ける。この際、TMP 保護の観点から、バルブは 全開とせず 15 度程度の解放とする(a)。 (a) ⑫電離真空計の電源を ON する。この際、指示値が 0 に合っていることを確認する。合っ ていない場合には、ZERO 調整ツマミで 0 に合わせる。 3 RF マグネトロンスパッタ定期チェックマニュアル_2012 年 8 月 M1 桜井作成 Power ZERO 調整 ツマミ ⑬FIL を ON し、真空度の測定を開始する。この際、表示されている値は、フィラメント に付着している気体分子により正確な測定値ではないため注意する。尚、FIL を ON する と B-A ゲージ内フィラメントが発光し熱電子が放出される。 フィラメント FIL グリッド コレクタ ⑭ADJ トルグスイッチを 1.2mA に合わせ、FIL を上側に上げ続け、熱電子電流の調整を行 う。FIL を上げることで指示値が熱電子電流値を示すようになるため、 ADJ ツマミで 1.0mA に合わせる。設定後 FIL をもとに戻す。 FIL を上げ続ける ADJ 指示値を 1.0mA に合わせる ADJ を 1.2mA ⑮DEGAS を ON し、コレクタ及びグリッドに付着している気体分子を除去する。DEGAS を ON すると指示値が上昇し、その後徐々に低下するため、気体分子の除去を確認できる。 DEGAS が終了すると指示値が安定するため、DEGAS を OFF する。 4 RF マグネトロンスパッタ定期チェックマニュアル_2012 年 8 月 M1 桜井作成 徐々に低下 DEGAS ⑯以上で電離真空計の指示値が正確な値となる。真空度が 2.0×10-4Pa 程度(2012/6 月現在 の実績)となるまで待つ。目安としては 15 分程度で上記真空度に達する。この際、何分で粗 引きを終了したかを使用記録に記入する。この真空度により装置の劣化をモニターできる。 2.排気系の停止 ①電離真空計の FIL スイッチを OFF し、続いて電離真空計の POWER を OFF する。 ②TMP 保護のため V3 が閉まっていることを確認する。 ③バタフライバルブで V1 をゆっくりと閉じる。 ④排気系パネルの TMP の OFF ボタンを押し、TMP を停止する。この際、TMP が完全に 停止するまで待つ。TMP の完全停止は TMP コントローラーのディスプレイに「テイシ」 が表示されることで確認できる。 ※「テイシ」が表示される前に装置の立ち下げを行なってしまうと TMP コントローラーで エラーが発生し、TMP コントローラーのリセットを行わなければならない。必ず「テイシ」 と表示されるまで待つこと。 ※メーカーマニュアルでは V1、V2 を連続で閉じて TMP を OFF する。となっているが、 この方法では TMP にダメージが生じるため、RP で TMP を真空引きしながら OFF するこ とで装置を保護する。 5 RF マグネトロンスパッタ定期チェックマニュアル_2012 年 8 月 M1 桜井作成 「テイシ」確認 OFF ⑤V2 を OFF し、続いて RP を OFF する。 OFF OFF ⑥装置を完全に停止する場合には本体手電源ブレーカー及び制御盤主電源ブレーカーを OFF し、冷却水の通水を止める。 ON 6
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