衛星画像を用いた雲位置の補正 Calculation of Sub-cloud Point Abstract べA'^henthe line of sight is oblique, the location of the cloud on the VISSR (apparent location) is different from image sub-cloud point. The distance from the apparent location to sub-cloud point can be calculated geometrically. Assuming the shape of the earth as ellipsoid,the distance over Japanese turns out to be about 10km The when region the height of the cloud top is 15km. distance obtained is approximately the same when the earth isassumed to be spherical. 地心を原点Oにとる。 X-Y平面は赤道面に対応し,Z 1. はじめに 軸は地軸方向に一致している。 Fig. 2 に示すように, VISSRが斜方向に観測している雲の画家上の位置は, 雲の直下点と異なっている。特に高い雲の場合,その差 は著しい。この差は,雲頂高度,および衛星の軌道・姿 勢に依存する。衛星画像から台風の中心位置を求める場 合,この差が影響して航空賎による観測位置と異なるこ とが暗示されている。 本報告では,この差を地球が回転楕円体であるとして 幾何学的に計算した結果を述べる。また,地球を球近似 した場合との比較にも言及する。 Fig. I The 2.計算方式 on Fig. 1 に示すように, VISSRの視準線方向(line of illustration of the cloud projected the earth surface. Q; apparent posit- ion of cloud. sight)にある雲頚部Pは,地球表面上の点Qに投影さ れる。面ABCDは,地球表面の一部を描いたものであ Z る。「ひまわり」の画像データは点Q(厳密には瞬時視 野)の集りとして構成されているので,画像から点Qを 雲の住設として求めると,真の雲の住設P’との間に距 離∠1だけの位置ずれを生じていることになる。点Pnま, 雲頚部Pの直下点にあり,この点を雲直下点(sub-cloud point)と呼ぶ。 地球を回転楕円体とすると,この楕円体上の住設を表 わすには緯度,経度を指定すればよいが,緯度の表現法 として2種類がある。 X,Y Fig. 2は,地軸を含む平面(すな わち任意の子午面)で回転楕円体を切断したところを示 Fig. 2 The cross section and geocentric latitude. -− -− したものである。座標系は,カーテシアン座標であり, 原田知幸 Tomoyuki Harada −53− - MieifM^V^- UffiWt.% Sl^" 1979^3 fl X=(_Gi + h) cos <p cos^ z Y=(G1 (3) + K) cos <p sin/I Z―^Gi + h) sin w ^・5-x-bhZo q (3)5$R gu fcj;^ g2 ^, mmo-^m a V 1 ―e2sin2 c? (4) V 1 ―e2sin2 ^o (e2 = 2/-/O ?5-z-bH%o ft*?, (i), (3), *Jir>'(4)^:Kioi,^-cttff Jl│# (1969) KipLl^o Fig. 3 The line of sight and the cloud. the location of (l ― e2 S; satellite,P; position of cloud top, Q; cloud position on image (apparent locat- + sin2<p Vl-e2 + C4+(― _^L^.=-_ Wl-e2sin2y> ion). \ 1 ― e2 sin2 ^o 'tf$8E*i&'b&BE M$S. (geocentriclatitude) tm^\ (geodetic latitude) 11" 5 , %'L^St: +Ce) V i' ttz, + C8] sin2 <p sin<p I e\sin2^ / x(l-sin2^))=0 (5) ^. ffl'i mm.Ltzi!><DX% So ≪5n tan <p=j^j^ c,_ sin2w (5)^-t? a, e, h, a;=sin^ i*j^, fr^t^fiSSftfcfitt?*) ^S^^S-fbLt: * fcL (1) tan 0 d'*8 +C2'xl> + Cs'x≪+ Ci'xs+C5'xi (6) + Ce'x!>+C7'x* + Cs'x+C<)' = 0 Fig. 3 it,ilO&iilOftliOMi^Lfct O^'^^o O{±B^ ffil?^, Fig. 2 <hl^C%Ot:-^?)0 ffiS 5(Zs, Fs, Zs), KH-^5>^ PCX, Y, Z), m&frb#*bb*iZ9<o&M* ftlj£) fcJBWc ^-h^t-h, Y-Ys 8ffiOJH*i(i=l, 2, sin <pi= mm^mthk-tzk, & , 8) O+^Bf (2) = _Z-ZS Zq―Zs &}£, sub-cloud point P' (DMMtJM'fr a, pjl│(1976) $"C, Yq ― Ys h^^^oi^T^, QCXq, YQt Zq) ft*> t, s, p, q \t―w&± CWgWifti) X-Xs = Xq ― Xs ^T^ p <P, B& & xi * <d x, y, z\%, oiii'^sot, ― 54 ― zht≫b (ftj* Ii Meteorological Satellite Center Technical <pt = arcsmxi Note No. 1, March 1979 Fig. 3 ^f, i0 it ^arccos(vifcr) BM (M<o&M*^i?'t1fcBO 4>q t ^YYMct % - t \c ・e$-&.bhz>o t-f, (2), (3)$,frb X= Xs+_*≪_*?_{(G2 ttzZo <poit, M.MB + A) sin p0-Zs ) 4>o vcMJ&'tZ>Mt&1&8E*M-h X* + Y"s= CGi + h)2 cos2 ceo t5 ^( 4, H ・ Ml^tr 90°E 50°S cfgBKio^-t!f≫L-T^fc££5, 170°W,50°N ^51^ -e&5cT?. m &2>o fc^u iOi ffjMcET\&o^-m, 5^L"C J^BfKiiot: (10 (9), (iO^:^(8)^cftALt: 4>Q tm& h, ;0 ^^So fciffll^^i^totf cloud point (DM'^WM. <po t&& subto -frMffl^tfl^ni sub-cloudpoint Oife^Uffi ^o #;£ X0=Xq Cloud (9) ■to &K{3)gtfrb, (7) (if≪) (8) Top Height Sub-satellite Point latitude lonqitude Satellite Height 15.0 + JX Km / / 0.0 N 140.0 E 35800.0 correct COJ value (DEG) AX y y Km y u / 0.4 y y ^ u X s *・■ / ^ ^ . ^ T7^ S ** * 0.2 ^ ^= ssss ess* 3i?VU1' ,≪aio *-.° fcI I es£ 0. 140E 150E 130E Fig. 4 The 160E 120E correction diagram 170E HOE 180E 100E longitude AcpEG) of cloud position. Longitudinal distance from location to sub-cloud point is shown. ― 55 ― apparent 気象衛星センター 技術報告 第1号 1979年3月 correct value Cloud Top Height 15 .0 Km (DEG) 冲 Sub-satellite Point latitude 0.0 N I͡。、.y,;ふ、、.Q͡ 1/≫n n TP --`゛“Mil...“`- 」- ̄゛`゛●v ・」 Satellite Height 35800.0 Km / / ノ 0.2 /ノ / / ン / / | f「 い瀕ジ / / / / 〃 - 〃〃 J 炉i゛’ 〃 乙 / メド 0.1 ノ 0.0 ON/S lON/S 30N/S 20N/S Fig. 5 Same 40N/S latitude 檻(DEG) as Fig. 4, except for latitudinal distance. となる。 曲線は, Fig. 5 の2つの曲線の中間に位置している。 Fig. 4の場合と同様に,画像からら=30°N, °Eと求められた雲の位置は, 3. 計算結果 ?.Q= 120 0.1度の緯度補正が必要で あることを示している。以上の緯・経度の補正は,距離 前述の計算方法により雲頂高度が15kmの場合を例に とり補正量の大きさ弁,∠1λを衷わしたものがFig. とFig. にすれば東西方向に約8km,南北方向に約11kmの大 4 きさとなる。従って,雲の高さが15km∼17kmにもな 5 である。使用した定数は次のとうりである。 る積乱雲や合服などの場合,中緯度帯では10km前後の 位匠ずれを生じていることになる。位置ずれの方向は, 地球の赤道半径(a) 6378.16km 地球の扁平率(n 3.35292×10-3 衛星高度 35,800km 衛星直下点の緯度 O°N(赤道上) 衛星直下点の経度 140°E 原理的に経度は, りも東に, 140°Eより東ではsub-cloud pointよ 140°Eより西では西にずれていることにな る。また,緯度は北半球ではsub-cloud point よりも北 にずれることになる。 Table 1は,地球を楕円体とした場合の補正気と,地 球を球体とした場合の補正量との差を示したものであ (地球定数は1967測地基準系) る。球体とした場合の補正量の計算方法は,楕円体の場 Fig. 合に比べれば非常に簡単であるので,ここでは省略する 4は,経度の補正量を示したもので,横転は恥, が,使用した定数は次のとおりである。 縦転ぱ各白に対するJλを示してある。例えば,画像 から収=30°N,λo = 120°Eと求められた雲の位置は, 地球の平均半径 同図より0.08度の経度補正が必要であることがわかる。 Fig. 5は,緯度の補正量を示したむので,機軸は,白, 6371.0315km (地球定数は1967測地基準系) 縦軸は各漏に対する収・を示してある。 なお,λ9= 100°E∼140°E, 140°E∼180°Eの聞の和の値に対する 衛星高度,衛星直下点の緯・経度,および雲頂高度/z ― 56 ― Meteorological SatelliteCenter Technical Note Table l The difference of the distance from between the values which No. 1, March 1979 the apparent location to sub-cloud point, are calculated under the assumption that the earth is assumed to be spheroid and ellipsoid. The values in the table ; ellipsoid minus spheroid (unit 10-3 degree) 0 0 0.0 0。 0 0 0 0.0 0. 0 0 0 0。0 0.0 0.0 0. 0 0 0 0.0 0.0 0 0 0 0.0 0.0 0 0 0 0.0 0.0 0.0 0.0 0。0 0 00 0 | j 0.0 0.0 0。0 0.0 0. 0.0 0.0 0.0 0.0 0. 0.0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0 0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0 0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0 0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0 0 0.0 0。0 0.0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0 0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0 0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0。0 0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0.0 0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0. 0 0.0 0 0.0 0.0 0.0 0.0 00 0.0 10N LAT LON 5N LAT LON 一 j LAT LON 0.0 0.0 l 15N 1 1 0.0 0 00 0.0 0.0 00 0。0 00 00 | 00 00 00 .0. 2 10 0 一 一 一 一 00 00 00 00 00 0 0 1 一 0 一0 0 ・ ・ 一 一 0 00 ・0 0 一 ・ 0 00 00 10 0 一 0 一 1 @0 0 I0 ・ @ ● 2 00 . . 2 0 一 00 . . 2 0 一 00 0 −1 0.0 0.0 LON 0。0 ム り 一1 一 20N LAT 000旬 L0.0.0 一 LON rH 25N LAT 一 LON I 0 00 30N LAT 一 一 0.0 00 00 0 1● 0 ・ 0 0 一 0 一 1 一 0.0 I LON 00 L2. 35N I LAT 00 00 2。0 2.0 11 00 40N I LAT ! -1.0 LON 0 1.0 −1 2.0 一 LAT LON 45N −2 0 00 0 2. LL L 3.0 ● 一 9g 一 2。0 4.0 00 2。0 M ・ C 一M C LAT LON 50N の値は,楕円体の場合の計算時に与えたものと全く同じ タ抽出結果を調査してみると,ライン方向については時 である。 刻によって変勤がみられるが,ピクセル方向については Table 横欄の経度(90° 1 の縦欄の緯度(5°N∼50cN)はφQを, E∼135°E)はλQを表わしている。喪 バイアス的に3∼4画素の東方向へのずれがあるようで 中の数字は,任意のφQとλいこ対する緯度方向および ある。これは日本付近で6∼7kmの東方向への距離の 経度方向の補正量の差を示したもので,値は楕円近似の ずれとして現われる。その他の補正として,貫頂高度誤 補正量から球近似の補正量を差し引いたものである。 差の補正,気象データの観測時刻と撮像時刻の違いによ 表からわかるように,高緯度で少し差が出てくるが非 る補正などが考えられるが,これらを含めて,総合的な 常に小さく,その他の地域では全く差は無い(10-4度以 評価を実際のデータを使用して行ってみたい。 下の差はO度としてある)。例えば,50°N, 最後に,本報告を作成するにあたり,いろいろと助言 90°E付近で は,緯度の補正量の差が-2.0×10-3度,経度の補正量 をしていただいた島田主任技術専門官(気象衛星センタ の差が4.0×10-3度であり,いずれも10-3度のオーダ ー管制課)に感謝致します。 ーで無視できる犬きさである。この結果からわかるよう に,雲の位置を補正する場合,地球を球体で近似しても 文 献 十分である。また,計算機の処理時間とか負荷という点 からみて払楕円体近似の場合に比較してはるかに有利 坪川官位,大森災害(1969):測地学序説,山海堂, である。 27. 戸川隼人(1976):数値計算技法,オーム社, 4. おわりに 衛星画像からsub-cloud pointを求める場合,雲の地 球表面上への投影による幾何学的な位置ずれの補正の他 にグリッディソダの補正も考慮しなければならない。ダ リッディソダの精度は,衛星の軌道および姿勢の予測精 度に依存するが,1979年9月∼11月のラソドマークデー − 57− 16― 168―185.
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