多様化する地域医療連携 <連載6> シックスシグマ作戦で組織改革

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多様化する地域医療連携
<連載6>
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シックスシグマ作戦で組織改革
地域連携進み紹介率向上
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マツダ病院(広島県府中町)
マツダ病院(広島県府中町、300 床、迫田勝明院長)は、第 4 次医療法改正による 2003
年の病床区分の届出を機に一般病床を選択することを決断し、紹介率 30%突破を目標に
据えた。順次 4 つのプロジェクト(PJ)を実施、約 1 年半後に急性期入院加算を算定し
た。着実に目標を達成した背景には、米国発祥のシックスシグマという組織改革手法があ
った。シックスシグマ推進の責任者(チャンピオン)の迫田勝明院長は、この手法が「紹
介率 30%達成と平均在院日数短縮に極めて有効だった」と話す。現在は地域医療支援病
院をめざし、待ち時間短縮プロジェクトに取り組んでいる。
◎
300 床 す べ て を 一 般 病 床 で 届 け 出
同院は病院区分の届出をすべて一般病床で届け出ることにし、急性期入院加算の算定を
目標にしたものの、当時の紹介率は 10%台前半だった。そのため、紹介率 30%をクリア
することが同院の至上命題になった。同院がシックスシグマを採用した背景には、経営主
体である自動車メーカーのマツダで機運が高まっていたことがある。
迫田院長は、
「生き残るには、独自性を打ち出すことが必要だ」と話す。1998 年には臨
床研修病院の指定を受けており、全国から医師が集まる病院にするためにも、シックスシ
グマをセールスポイントのひとつにしたいという思いもあった。
シックスシグマは、DMAIC(
定義
→ 測定 → 分析 →
改善
→ 管理 )
の手順を踏んで行う。もとは品質改善の手法だったが、90 年代半ばに米国の巨大自動車
会社のGEが企業改革の手法に進化させた。迫田院長が、GEのチャンピオン研修を受講
したことで、2001 年 8 月から紹介率 20%達成PJが始まった。
まず、同院の基本理念や診療体制を紹介し、紹介状を持参して受診するように依頼する
ミニパンフレットを 1 万 3000 部印刷した。外来に置いたり、医師が手渡すなどして患者
らに知ってもらい、紹介患者の増加を図った。パンフレットは医師の入れ替えがある半年
をめどに改定している。
◎
81 診 療 所 を 訪 問 、 当 直 医 2 人 体 制 も
次に紹介率 25%達成PJを、マツダが行ったシックスシグマ研修に参加するなかで実施
した。2002 年 3 月に達成したが、シックスシグマの「改善」では、対策を
1.開業医訪問活動
2.特定療養費(初診料 1500 円)の徴収
3.当直医 2 人体制
−−−などに絞ったという。
開業医訪問活動では、同院の部長クラス 18 人が 81 診療所を訪問した。安芸地区医師会
は病診連携のモデル地区だったこともあり、紹介率向上に結びつく素地はあったという 。
救急患者の受け入れを強化するため、内科系と外科系の 2 人の当直体制を敷いた。心電
図の読み方などの講習会を通じて消防署との連携も強化し、府中町、海田町、のほか広島
市からも参加するようになった。
第 3 弾は、紹介率 30%達成PJとし、2002 年 7 月に目標をクリア。急性期入院加算の算
定に向けた仕上げの急性期加算PJで、平均在院日数 16.5 日以下をめざした。診療録や
医療安全の管理体制の充実にも、院内委員会で同時並行的に取り組みを進め、2003 年 2
月から同加算の算定を開始した。迫田院長は、
「効率化を図ることで品質を下げないこと、
患者さんに病院から追い出されるという気持ちをもたさないことが必要」と話す。
こうした一連の紹介率アップ作戦で、迫田院長は、
1.地域完結型医療の推進(開業医との連携強化)
2.急性期医療の推進
3.経営内容の好転(急性期入院加算の獲得)
4.患者の信頼度、満足度向上
−−−の 4 つのメリットがあったとしている。
紹介率の推移(3か月平均)
紹介率%
40.0
35.0
「院長プロジェクト」
紹介率20%
スタート
「パイロットプロジェクト」
紹介率25%
スタート
「急性期加算プロジェクト
スタート
ゴール
30.0
25.0
「急性期加算プロジェクト」
目標:平均在院日数
16.5日以下へ短縮
20.0
15.0
紹介率各プロジェクト
紹介率30%達成プロジェクト
待ち時間短縮
10.0
2001年8月
11月
2002年3月
8月
2003年4月
8月
情 報 提 供 : Japan Medicine