XXXX-X 第 31 回日本応用磁気学会学術講演会概要集(2007) Reverse ECC 媒体の記録再生及び熱揺らぎ特性 宇田川夏海,近藤祐士,金井靖*,吉田和悦 (工学院大学,*新潟工科大学) Read/write and Thermal Properties of Reverse Exchange Coupled Composite Media N. Udagawa, Y. Kondo, Y. Kanai*, K. Yoshida (Kogakuin Univ., *Niigata Institute of Technology) はじめに 0.5 nm 現在ハードディスクにおいて面記録密度 1Tbpsi の達成を 目指すにあたり困難な問題に直面している.それは高記録密 度域における高い SNR,そして熱安定性,記録ヘッド磁界強 13 nm 度の間にあるトリレンマである.これを解決出来ると期待さ 5 nm Recording Layer (RL) Soft Region れている磁気記録媒体が ECC 媒体である.そこで我々はマイ クロマグネティックシミュレータを用いて SNR と熱揺らぎ Hard Region 70 nm の観点から ECC 媒体の R/W 特性の検討を行った.その結果 上記したトリレンマを解消するには ECC 媒体の記録層にお Soft under Layer (SUL) Fig. 1 RECC media model. ける軟磁性と硬磁性領域を上下逆転した Reverse ECC(RECC) 媒体が相応しいことを見出した. 20 計算方法 軟磁性下地層厚さを 70 nm,記録層と軟磁性下地層の間隔を SNR [dB] 録層厚さの合計を 13 nm に固定し,粒子中心間距離を 6.5 nm, 0.8 12 0.6 8 5 nm,粒子間空隙を 0.5 nm,RL 軟磁性領域と硬磁性領域の 4 飽和磁化をいずれも 1.1 T,RL 軟磁性領域の磁気異方性定数 0 SNR [dB] M after 1μs [T] 0.2 0 4 (Ku)を 1.0 kJ/m3,記録温度を 330 K とした.最適化した ECC 0.4 M after 1μs [T] 1 16 計算に用いた RECC(ECC)媒体のモデルを Fig. 1 に示す.記 6 8 10 12 Viertical exchange coupling constant(A ⊥ ) [p J/m] 媒体のパラメータは RL 軟磁性領域厚さ,硬磁性領域の Ku, 面内方向の結晶粒間交換定数(A〃),RL 軟磁性領域と硬磁性 Fig. 2 Dependences of SNR at 1000 kfci and 領域間の縦方向の粒間交換定数(A⊥)である.記録計算には有 thermal decay of the DC erased ECC media at 限要素法によって別途計算したトレーリングシールド付 SPT 330 K on A⊥of ECC media. ヘッド磁界を用い,再生計算には相反定理を用いた. 35 計算結果 は上記の値を用いた.Fig. 2 に ECC 媒体の 1000 kfci における SNR と硬磁性領域の耐熱揺らぎ特性の A⊥依存性を示す.図 では A〃を 0 J/m とし,ECC 媒体を DC 消磁状態から温度 330 K で 1μ秒間減磁した後の磁化(M after 1μs)を耐熱揺らぎ特 性の指標としている.図から SNR と耐熱揺らぎ特性にはトレ ECC A〃=2 [pJ/m], A ⊥=5 [pJ/m] 25 SNR [dB] Ku は 1.1 MJ/m3 が最適値であることが分かったので本研究で RECC A〃=1[ pJ/m], A⊥=5 [pJ/m] 30 種々検討した結果 ECC 媒体の RL 軟磁性領域厚さは 6.5 nm, 20 15 10 5 +8 dB 0 0 500 1000 1500 2000 Liner recording density [kfci] 2500 ードオフの関係があり両立は難しいことが分かった.A⊥が弱い Fig. 3 SNR comparisons between RECC and 場合,SNR 特性の劣化する原因は RL 軟磁性領域から大きな雑 ECC media. 音が発生するためである.そこで我々は ECC 媒体の記録層の軟磁性と硬磁性領域を上下逆にした Reverse ECC 媒体について検討を行った.Fig. 3 に RECC 媒体と ECC 媒体の SNR の記録密度依存性を比較した.A⊥ は熱揺らぎに強い 5 pJ/m とし,A〃は最適値を用いた.図から 2000 kfci において RECC 媒体は ECC 媒体より 約 8 dB SNR が改善され,熱安定性と高 SNR を両立させることが可能である. -1-
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