リアルワールド OS を利用したプラットフォーム開発に

平成 26 年 10 月 16 日
報道機関各位
東京工業大学広報センター長
大 谷
清
リアルワールド OS を利用したプラットフォーム開発に着手
IOE 時代の多様なサービス提供を実現へ
東京工業大学大学院総合理工学研究科 出口弘教授の研究室は、株式会社竹中工務店と共同
で、IOE(Internet of Everything)と呼ばれる ‘人・もの・ソフトウェアがインターネッ
トで結ばれ’ 、それらが協働して多様なサービスの利活用が可能となるプラットフォーム
「統合ワークフロー管理」の開発を行うことに合意した。株式会社竹中工務店は、オフィ
スや住宅、コミュニティなど様々なシーンにおけるサービスへの利活用を期待しており、
インターネットにて結ばれた人・もの・ソフトの統合ワークフロー管理の新しい技術革新
を共同で探求する。
●【プロジェクト概要】
ネットワーク上で、膨大な数のセンサ、アクチュエータ、コントローラ等と人間が混
在し、社会経済のインフラとなる時代が訪れようとしている。この IOE 時代におけるサー
ビスを実現する上では、従来のクラウドコンピューティングのような中央管理型では、
膨大な数の人・モノ・ソフトウェアの処理が困難となり、コストも膨大になる。出口研
究室では、この問題に対応するため、自律分散処理の協調制御を可能とする基幹アーキ
テクチャとしてリアルワールド OS を開発している。
一方、人・もの・ソフトウェアがネットワーク上に実現されるサービスをどのように
設計・実装・管理するかについてはビジョンも明らかにされていなかった。
本共同研究プロジェクトでは、ロボット化したインテリジェントな機器、様々な職種
の専門家、それらを支えるソフトウェアがネットワークでつながり、高度で多彩なワー
クフローを次々にこなしサービスを提供できるサービスプラットフォームを開発する。
IOE 時代を見据えた新たな技術開発となる。この技術開発には、出口研究室が開発した
リアルワールド OS 技術を利用する。
リアルワールド OS とは、インターネット上で自律的に動作するタスクを管理する OS
であり、知能ロボットからセンサ、人間、ソフトウェアまで様々なタスクが自律的に動
作(自律的エージェント)しながら、インターネットを経由して協調的に1つの仕事を
するのを支援する。コンピュータの中で様々なプロセスの遂行を支援するためのシステ
ムがオペレーティングシステム(OS)と呼ばれているのに対応して、あらゆるものがイ
ンターネットで接続された IOE 時代の自律分散協調型のプロセス(タスク)の集合体と
してのワークフローを支援するシステムをリアルワールド OS と呼ぶ。東京工業大学の
革新的イノベーション創出プログラム拠点 COI-T(Center of Innovation Trial)プログ
ラム「オンデマンド・ライフ&ワークを全世代が享受できる Smart 社会を支える世界最
先端 ICT 創出 COI 拠点」の中で開発された技術である。
図
リアルワールド OS 概念図
【関連論文】
出口弘, 社会シミュレーションと組織・社会の情報処理のアーキテクチャ・
デザイン, 情報処理, Vol.55, No.6, pp.539-548, 2014
【問い合わせ先】
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 教授 出口弘
Email: [email protected]
TEL: 045-924-5421
FAX: 045-924-5547