2014 年 東京大学 理科 第 1 問 の 解 答 (1) 座標空間において O(0, 0, 0), P(1, 0, tan α), R(0, 1, tan β) として一般性を失 わず,このとき −→2 2 −→ −→ OP = 1 + tan2 α, −→ OR = 1 + tan2 β, OP OR = tan α tan β であるから,面積公式より,平行四辺形 OPQR の面積 S は −→2 −→2 −→ −→2 S = OP OR − OP OR = 1 + tan2 α + tan2 β (答) π と加法定理より 4 tan α + tan β =1 tan(α + β) = 1 − tan α tan β ∴ tan α + tan β = 1 − tan α tan β (2) α + β = S= 7 と (1)より 6 1 + tan2 α + tan2 β = 1 ······ 7 2 13 ∴ tan2 α + tan2 β = 36 6 2 ······ ここで, 3 tan α + tan β = T ······ 1 より とおくと, 4 tan α tan β = 1 − T ······ 2 より であり, 13 T 2 − 2(1 − T ) = 36 85 121 ∴ (T + 1)2 = T 2 + 2T = 36 36 T > 0 より 5 11 ∴ T = (答) T +1= 6 6 3, 4 より 1 5 tan α + tan β = , tan α tan β = 6 6 であるから,解と係数の関係より, tan α, tan β を 2 解とする 2 次方程式は 1 1 1 5 =0 ∴ t− t− =0 t2 − t + 6 6 3 2 π より tan α tan β であるから, 0<αβ< 4 1 (答) tan α = 3 — 1 — 2014 年 東京大学 理科 第 2 問 の 解 答 (1) はじめに袋 U の中に,白球が a + 2 個,赤球が 1 個入っているから,1 回目に取 り出した球が赤球である確率は 1 (答) p1 = a+3 赤球を取り出すと袋 U の中は白球のみになるから,2 回目に赤球を取り出すには 1 回目に白球を取り出して,白球 a 個と赤球 1 個の中から取り出す 場合に限られるから, a+2 a+2 1 = (答) p2 = a+3 a+1 (a + 3)(a + 1) (2) 1 回目の試行終了後,袋 U の中身は「白球のみ」または「白球 a 個,赤球 1 個」の いずれかであるから, n 2 のとき, n 回目に取り出した球が赤球となるのは, n − 1 回目に白球を取り出し ,白球 a 個と赤球 1 個の中から取り出す 場合に限られるから, 1 (1 − pn−1 ) (n 2) pn = a+1 1 1 (1 − x) を満たす x を求めると, x = となるから,辺々から x= a+1 a+2 1 1 1 = 1− a+2 a+1 a+2 を引くと 1 1 1 =− pn−1 − (n 2) pn − a+2 a+1 a+2 1 1 1 , 公比 − よって,数列 pn − は初項 p1 − は等比数列である a+2 a+2 a+1 から, pn − p1 = 1 より a+3 pn = (3) − 1 n−1 1 1 = − p1 − a+2 a+1 a+2 1 a+1 1 1 n−1 1 − − a+2 (a + 3)(a + 2) a+1 (答) m m 1 1 1 1 n−1 1 − pn = − m a+2 m (a + 3)(a + 2) a+1 n=1 n=1 < 1 より,無限等比級数 — 2 — 2014 年 東京大学 理科 m lim − m→∞ し,また lim m→∞ n=1 1 n−1 は収束 a+1 1 =0 m であるから, m 1 1 lim pn = m→∞ m a+2 n=1 (答) である。 — 3 — 2014 年 東京大学 理科 第 3 問 の 解 答 (1) C1 と C2 の式を連立して y を消去すると − x2 + 1 = (x − u)2 + u ∴ 2x2 − 2ux + (u2 + u − 1) = 0 · · · · · · (∗) C1 と C2 が共有点をもつのは,この 2 次方程式が実数解をもつときであり, 2 2 1 4 (判別式) = u − 2(u + u − 1) 0 u2 + 2u − 2 0 √ √ ∴ −1 − 3 u −1 + 3 よって,求める実数 a, b は √ √ a = −1 − 3 , b = −1 + 3 (答) (2) (∗)において,解と係数の関係より x1 + x2 = u, x1 x2 = u2 + u − 1 2 P1 , P2 は C1 上の点であり, y1 = −x12 + 1, y2 = −x22 + 1 であるから, 2|x1 y2 − x2 y1 | = 2|x1 (−x22 + 1) − x2 (−x12 + 1)| = 2|(x1 x2 + 1)(x1 − x2 )| = 2|x1 x2 + 1| (x1 + x2 )2 − 4x1 x2 2 u +u−1 u2 + u − 1 + 1 u2 − 4 = 2 2 2 = |u2 + u + 1| −u2 − 2u + 2 1 2 3 > 0 を考えて + u2 + u + 1 = u + 2 4 2|x1 y2 − x2 y1 | = (u2 + u + 1) −u2 − 2u + 2 (3) (2)より f (u) = (u2 + u + 1) −u2 − 2u + 2 = {(u + 1)2 − (u + 1) + 1} 3 − (u + 1)2 平行移動と偶関数 奇関数の性質を考えて, b I= f (u) du a — 4 — (答) 2014 年 東京大学 理科 = √ − =2 t= √ 3 √ (t 2 − t + 1) 3 − t 2 dt 3 √ 3 0 (t 2 + 1) 3 − t 2 dt 3 sin θ により置換積分して π √ 2 I=2 (3 sin2 θ + 1) 3 − 3 sin2 θ 3 sin θ dθ =2 =6 0 0 0 π 2 π 2 √ √ (3 sin2 θ + 1) 3 | cos θ | 3 cos θ dθ (3 sin2 θ cos2 θ + cos2 θ) dθ 2 1 + cos 2θ 1 sin 2θ + dθ 3 2 2 0 π 2 1 + cos 2θ 3 1 − cos 4θ + dθ =6 4 2 2 0 π 2 3 1 1 1 7 θ− sin 4θ + sin 2θ =6 8 8 4 2 2 0 21 π (答) = 8 =6 π 2 — 5 — 2014 年 東京大学 理科 第 4 問 の 解 答 (1) 0 < x < 1 のとき x > 0, 1 − x > 0 であり, 1 − p > 0 , 1 − e−qx > 0 とあわせて f (x) = (1 − p)x + (1 − x)(1 − e−qx ) > 0 さらに, 1 − p < 1 , 1 − e−qx < 1 であるから, f (x) < 1 x + (1 − x) 1 = 1 ∴ 0 < f (x) < 1 (証明おわり ) (2) まず,つねに 0 < xn < 1 が成り立つことを,数学的帰納法を用いて示す。 1◦ はじめの仮定より 0 < x0 < 1 が成り立つ。 ◦ 2 0 < xk < 1 であるとすれば, xk+1 = f (xk ) および (1)より 0 < xk+1 < 1 1◦ , 2◦ より,任意の非負整数 n に対して 0 < xn < 1 が成り立つ。 1 − qxn e−qxn が成り立つことに注意すると, xn+1 = (1 − p)xn + (1 − xn )(1 − e−qxn ) (1 − p)xn + (1 − xn ){1 − (1 − qxn )} = (1 − p)xn + qxn (1 − xn ) < (1 − p)xn + qxn 1 = (1 − p + q)xn ∴ 0 < xn < (1 − p + q)xn−1 < · · · < (1 − p + q)n x0 p > q であるとき 0<1−p+q <1 であるから, lim (1 − p + q)n = 0 n→∞ であり,ハサミウチの原理より lim xn = 0 n→∞ (証明おわり ) (3) F (x) = x − f (x) = px + (x − 1)(1 − e−qx ) とおくと, F (x) = p + 1 (1 − e−qx ) + (x − 1) qe−qx = p + 1 + {q(x − 1) − 1} e−qx F (x) = q e−qx + {q(x − 1) − 1}(−qe−qx ) — 6 — 2014 年 東京大学 理科 = qe−qx {q(1 − x) + 2} 0 < x < 1 において F (x) > 0 であるから, 0 x 1 において F (x) は狭義単調増加 である。 p < q であるとき F (0) = p + 1 + (−q − 1) 1 = p − q < 0 F (1) = p + 1 − e−q > p > 0 であるから, F (α) = 0, 0 < α < 1 を満たす実数 α がただ一つ存在し, F (x) の 符号変化から F (x) の増減は x F (x) F (x) (0) α (1) − 0 + 極小 となる。 F (0) = 0, F (1) = p > 0 であるから, F (c) = 0, α < c < 1 をみたす実数 c が存在する。したがって, c = f (c), 0 < c < 1 (証明おわり ) をみたす実数 c が存在する。 — 7 — 2014 年 東京大学 理科 第 5 問 の 解 答 (1) an = pqn + bn (qn は整数) とおいて変形することにより, an+2 = an+1 (an + 1) = (pqn+1 + bn+1 )(pqn + bn + 1) = p(pqn qn+1 + qn+1 bn + qn+1 + bn+1 qn ) + bn+1 (bn + 1) を p で割った余り bn+2 は, bn+1 (bn + 1) を p で割った余りと一致することがわか (証明おわり ) る。 (2) r = 2, p = 17 のとき a1 = b1 = 2 (答) a2 = b2 = 3 (答) b2 (b1 + 1) = 3 × (2 + 1) = 9 ∴ b3 = 9 (答) ∴ b4 = 2 (答) b3 (b2 + 1) = 9 × (3 + 1) = 36 = 17 × 2 + 2 ∴ b5 = 3 (答) b4 (b3 + 1) = 2 × (9 + 1) = 20 = 17 + 3 以下,同じ作業の繰り返しとなり, b6 = 9, b7 = 2, b8 = 3, b9 = 9, b10 = 2 (答) (3) bn+2 = bm+2 が成り立つとき, (1)より bn+1 (bn + 1) − bm+1 (bm + 1) = (bn+1 − bm+1 )(bn + 1) + bm+1 (bn − bm ) は p で割り切れる。さらに, bn+1 = bm+1 > 0 が成り立つとき bn+1 (bn + 1) − bm+1 (bm + 1) = bm+1 (bn − bm ) であり, p は素数で bm+1 と p は互いに素であるから, bn − bm は p で割り切れ, (証明おわり ) bn = bm (4) 2 整数の組 (c, d) (c = 1, 2, · · · , p − 1, d = 1, 2, · · · , p − 1) 2 は (p − 1) 組しかないから, k 2 の整数 k に対して bk > 0 であるとすれば, (b2 , b3 ), (b3 , b4 ), (b4 , b5 ), · · · , (b(p−1)2 +2 , b(p−1)2 +3 ) の中に同じ組がある。その 2 組を (bn+1 , bn+2 ), (bm+1 , bm+2 ) (n < m) とすれば, bn+1 = bm+1 > 0, bn+2 = bm+2 であるから, (3)より bn = bm b2 > 0, b3 > 0, · · · , bn+1 > 0 であるから,この操作を続けて,ついには b1 = b m−n+1 が成り立つ。 m − n + 1 > 1 より b m−n+1 > 0 であるから,a1 も p で割り切れない。 (証明おわり ) — 8 — 2014 年 東京大学 理科 第 6 問 の 解 答 √ 3 p), Q(q, − 3 q) とおくと, OP + OQ = 2p − 2q = 6 より q =p−3 √ であるから, q を消去すると Q(p − 3, − 3 (p − 3)) であり, 0 p 2 かつ − 2 p − 3 0 より 1 1p2 ······ (1) P(p, √ 直線 PQ の方程式は √ √ √ 3 p + 3 (p − 3) (x − p) + 3 p y= p − (p − 3) √ 2 2p − 3 x − √ p2 + 2 3 p ∴ y= √ 3 3 線分 PQ は,直線 PQ と領域 √ y 3 x 1 のもとで との共通部分であり,点 (s, t) (0 s 2) が D に入るための条件は, ······ 2 0s2 √ 3 ······ t 3 |s| √ 2 2p − 3 4 ······ t= √ s − √ p2 + 2 3 p 3 3 を満たすことである。 4 を p について整理すると √ 2 2s + 6 p − 3s t = − √ p2 + √ 3 3 s + 3 2 s2 + 9 2 p− + √ = −√ 2 3 2 3 2 より これを f (p) とおき, s を固定して p の 2 次関数とみて値域を求める。 s+3 5 3 2 2 2 であることに注意すると, s+3 3 2 すなわち 0 s 1 のとき (i) 2 2 s+3 f (1) t f 2 5 s+3 すなわち 1 s 2 のとき (ii) 2 2 2 f (1) t f (2) 1 かつ 4 を満たす実数 p が存在する条件をまとめると, よって, — 9 — 2014 年 東京大学 理科 −s + 4 t 0 s 1 のとき √ 3 −s + 4 1 s 2 のとき √ t 3 となる。 s2 + 9 √ 2 3 s+4 √ 3 5 ······ √ −s + 4 − 3s −s + 4 4(1 − s) √ √ − 3s = = √ 3 3 3 を考えると, √ −s + 4 √ 3 √ −s + 4 3s 1 s 2 のとき √ 3 2 かつ 3 かつ 5 より であるから, s2 + 9 −s + 4 √ √ t のとき 0 s 1 3 2 3 √ s+4 1 s 2 のとき 3 s t √ 3 0 s 1 のとき 3s (答) (2) D は − 2 x 2 の範囲に存在し , 0 x 2 では (1)より x2 + 9 −x + 4 y √ 0 x 1 のとき √ 3 2 3 √ x + 4 1 x 2 のとき 3 x y √ 3 と表され, −x + 4 x2 + 2x + 1 (x + 1)2 x2 + 9 √ √ √ − √ = = 2 3 3 2 3 2 3 √ 2(2 − x) x + 4 − 3x x+4 √ √ − 3x = = √ 3 3 3 であることと, D が y 軸に関して対称であることを考えて D を図示すると,次図 の網目部分 (境界を含む)となる。 y √ 3 3 2 √4 3 √ (答) 3 −2 −1 O 1 2 x — 10 —
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