NY市立大学付属バルーク高校との交流

感謝と継続の誓い
兵庫県立伊丹高等学校長 秋田 久子
平成24 年度からニューヨーク市立大学附属バルーク高等学校と兵庫県立伊丹高等学校との交流プログラムが始
まりました。まず本校生15 名が12 月13 日~18 日に訪問しました。
初日
ができました
伊丹高校OBでイラクで殉職なさった奥克彦大使とオックスフォード大学派遣の同期生でいらっしゃいました。見上げ
ると首が痛くなるような摩天楼だらけのマンハッタン島で3 泊4 日のホームステイをし、バルーク高校の授業に参加し、
また日本を、伊丹を紹介することができました。どんなに情報技術が進んでも「空気」と「におい」を知ることはできま
せん。生徒達はパートナーの「フレンドリイ」さと「ホスピタリティ」に個人の自立を感じ、帰国前に訪れたグラウンド・ゼ
ロで奥大使と自分達がつながっていることを知りました。
近年、伊丹高校では国際交流の具体的プログラムの実現を探っておりました。22・23 年度はミクロネシア訪問の企
画をし、今年度5 月には韓国高等学校管理職の訪問団を受け入れました。それらの動きをもとに、兵庫県国際交流
協会の永田展之課長補佐、十名立己先生、近藤綾子さんのご紹介でバルーク高等学校とのご縁がつながりました。
このご縁にさらにお力を添えてくださいましたのが、兵庫県ワシントン州事務所の水口典久所長、日本領事館の金子
稔弘領事です。若者にとって、これからの日本にとって、目を広く世界に向けることがいかに大切か、その熱い思い
をこのプログラムに寄せてくださいました。直接生徒たちにお話もくださいましたが、この冊子にお二方のメールを紹
介させていただいて感謝を表し、お二人の思いを長く伝えていきたいと思います。
また、交流が軌道にのるまでを自治体国際化協会(クレア)の緒方孝昭所長が見守ってくださいましたし、共同通信
の船津靖NY支局長はじめ現地の「週間NY生活」でも取り上げてくださいました。心強いお励ましでございました。
バルーク高校ではカッツ校長をはじめクァン先生、サイモン先生にお世話になりました。引率しました私どももご自
宅にホームステイさせていただきました。生徒達が互いになじむようバスケット部の試合観戦やアイススケート体験、
フェアウェルパーティも企画してくださり、温かい自然体の交流になりました。来年度7 月には私たち伊丹高校が心を
込めてお迎えしたいと思います。
この交流を喜び支援してくださいました荒木芳雄緑窓会長、緑窓会のみなさま、篠原光宏PTA会長、PTAのみなさ
ま、そして伊丹高校国際交流振興会のみなさま、さらにはお土産にと、繊細で美しい和紙の入れ子箱をたくさんご寄
贈くださいました伊丹中学校43 回生伴勇さま、これもたくさんの立派なひょうたんをご寄贈くださいました伊丹高校14
回生南川長子さんにも心からの感謝を申し上げます。
最後に、本校国際交流委員会が生徒達の緊張をやる気に変えるべくユニークなアイディア満載の準備をしてくれまし
たこともここに紹介させていただきます。
ありがとうございました。
N.Y市立バルーク高校との交流
平成24(2012)年度
訪問平成24年12月13日(木)~12月18日(火)
平成25(2013)年度
受入平成25年7月10 日(水) ~ 7月14日(日)
訪問平成25年12月12 日(木) ~ 12月17日(火)
平成26(2014)年度
受入平成26年7月10 日(木) ~ 7月18日(金)
訪問平成26年12月11 日(木) ~ 12月16日(火) (予定)
平成25年度の訪問日程
12月12日(木)
12月13日(金)
12月14日(土)
12月15日(日)
12月16日(月)
12月17日(火)
結団式
関西空港よりニューヨークへ
NY JFK国際空港 到着
日本総領事館 日下大使 表敬訪問
バルーク高校着 ホストファミリー宅へ
バルーク高校 授業に出席
プレゼンテーション(伊丹高校・日本の玩具など紹介)
Lower Manhattan 散策、自由の女神、
ワールドトレードセンター跡地見学
ホストファミリーと交流、昼食会
ホストファミリーと交流、夕食会
バルーク高校出発
コロンビア大学見学
JFK国際空港出発
関西国際空港 到着
県立伊丹高校 帰着
平成25年度バルーク高校受け入れての感想
まず初めに思ったことは日本人の考え方しか持たない僕らはとても小さい世界で過ご
してるということです。
ニューヨークにはたくさんの人種に考え方があると言ってました。そして今回来たバ
ルークの人たちも個々で全く違う性格や考え方を持ってました。僕は今回でいろんな国
民性などを知りたいと思いました。それにやっぱり友達ができたことが本当に嬉しいで
す。『友達』の言葉を使う度に涙が出そうになります。
あと1 つ意見があるとすればそれぞれが嫌いな食べ物でもチャレンジする人なのかど
うかは知っておきたかったです。
(平成25年度7月受け入れ、12月訪問男子)
平成25年度バルーク高校訪問しての感想
私はこのバルーク高校との国際交流プログラムを通して、自分の意思を相手に伝えることの大切さや
日本とアメリカの文化の違い、積極性などたくさんのことを学びました。私はこのプログラムに参加するま
では、海外に出た経験もなければ、同年代の外国人の子と交流したこともありませんでした。だから自分
の未熟な英語でちゃんと伝わるのかとか、間違った英語で相手を不快にさせてしまったらどうしようとか
すごく不安でした。でも今は、英語の得意、不得意に関わらずお互いを理解しようとする姿勢や、自分の
意思を伝えようとする気持ちの方が大事だったなと思いました。バルーク高校の生徒たちはとても親切で、
私がすぐに英語が出てこなくて詰まってしまったときもちゃんと待っていてくれたし、英語が早くて聞きとれ
なかったり理解できなかったときは、ゆっくり話してくれたり、簡単な単語で説明しなおしてくれたりしまし
た。そういう理解しよう、伝えようとする姿勢が言葉や文化の違う私たちとバルーク高校の生徒たちが仲
良くなれたことの1つの要素だったと思います。また、私はこのプログラムに参加したことで文化の違い、
日本人に足りない部分を知ることができました。文化の違いについて言うならば、人々があまり信号を守
らないことや食べ物のサイズがとても大きかったことなど驚いたことも多かったけれど、ニューヨークには
色んな人種の人がそれぞれの文化をお互いに認め合って暮らしていて、それはとても素敵なことだなと
思いました。そして、ニューヨークに住む人が持っていて、日本人に不足しているのは積極性だなと思い
ました。私がそれをはっきりと感じたのは、バルーク高校の授業に参加したときでした。予習をして授業
に参加するというスタイルは日本とあまり違いはありませんが、先生が質問をするといろんな所から手が
挙がり、それぞれが自分の意見をしっかりと主張していました。日本では、こんな光景目にすることがな
いな、と思いました。昔から日本では謙虚であることが良いとされてきましたが、グローバル化する社会
で活躍するためには私たちはこの積極性を身に着けなければならないなと思いました。最後に、私はこ
の国際交流でたくさんの友達がニューヨークにできたし、たくさんのことを学ぶことができて本当に良い経
験ができたなと思います。2年生になって諦めかけていた、外国語関係の仕事に就きたいという夢への
気持ちも取り戻せたし、この夢を叶えるためというのはもちろん、もっとたくさんのことを新しくできた友達
に伝え、共有するために、英語の勉強をはじめ、さまざまなことに一生懸命に取り組んでいきたいなと思
いました。本当にこのプログラムに参加して良かったなと思います。今回の研修を糧にして、今度は違う
国に留学してみたいです。
(平成25年度7月受け入れ、12月訪問女子)
平成26年度の受入日程
7月10日(木)
7月11日(金)
7月12日(土)
7月13日(日)
7月14日(月)
7月15日(火)
7月16日(水)
7月17日(木)
7月18日(金)
県立伊丹高校到着
歓迎会
放送部によるバルーク校生インタービュー
部活動見学参加
授業参加
歓迎式典
大阪散策
ホストファミリーと過ごす
奈良バス旅行(東大寺、興福寺、若草山)
バルーク校生、東京見物へ
バルーク校生、東京より帰着
姫路城見学
京都散策(嵐山、嵯峨野)
関西空港へお見送り
平成26年度バルーク高校生受入れ参加生徒の感想文より
今回バルーク高校の生徒を受け入れして、4日間一緒に過ごしたことはとても素晴らしい経験に
なりました。Allegraは初めて会う子だったしシャイだったので最初は少し距離があったけど時間が
経つにつれてどんどん仲良くなりました。また、去年ニューヨークで会った子もいたので再開した時
は本当に嬉しかったです。外国人に興奮気味の母はいっぱい話しかけてたけど、Allegraは嫌な顔
一つせずに答えてくれました。私の下手な英語でも一生懸命聞いてくれました。12月にニューヨー
クに行った時よりも英語が聞き取れるようになっていたので先生やパートナーじゃない子ともたくさ
ん話ができて嬉しかったです。
ニューヨークに行く事ももちろん素晴らしい経験だけど、自分の家に泊めて日本の事を紹介するの
もまた素晴らしい経験です。後輩達にもこの経験をしてほしいのでこれからもバルーク高校との国
際交流を続けてほしいです。
(昨年12月訪問、平成26年度7月受入れ女子)
さよならパーティーでは奈良の時よりもっと積極的に自分から話すことができました。どこが一番
楽しかったかきくと奈良という答えがほとんどでした。鹿が珍しく触れ合えたのが良かったようです。
みんなで頑張ってつくった料理やクレープも喜んでもらえました。なかでも一番盛り上がったのは
やはり流しそうめんです。アイデアが出たときはできないだろうと思っていましたが、いろんな人の
協力で実現できて驚きました。先生も巻き込んで本当に盛り上がりました。最後まで離れるのは惜
しかったですが、きちんとけじめをつけて片付けまで出来たのでさよならパーティーは大成功した
と私は思っています。準備などをリードして頂いた先輩方をみていて次は私達がこうできなければ
いけないと感じました。12月の訪問の際も自ら進んで行動し充実したものにしたいです。
(平成26年度12月ニューヨーク訪問予定女子)