樹上選果マン りんご生産情報第12号 (10月1日~10月14日) 平成28年9月30日発表 青森県「攻めの農林水産業」推進本部 風害防止対策を万全に! ジョナゴールドの熟度は平年並み!! 収穫は有袋果で10月13日頃、無袋果で10月15日頃から!!! Ⅰ 要 約 9月25日現在、ジョナゴールド(無袋)の熟度の進みは平年並みであり、収穫始 めは、黒石中心で、有袋果が10月13日、無袋果が10月15日頃と見込まれる。 高品質りんご生産のために、肥大や形が悪い果実のほかに、黒星病等の病害虫被 害果、日焼け果などを摘み取る。 果実疫病を発生させないため、反射シートを片づける際に土を飛散させたり、降 雨時の収穫や収穫果の野積みをしない。 本年は台風の接近が多いので、台風による強風被害に備え、風害防止対策に万全 を期す。 - 1 - Ⅱ りんご生産情報 1 果実肥大、果実熟度、作業の進み (1)果実肥大 9月21日現在、果実肥大は地域によりバラツキがみられ、ジョナゴールド、ふ じともに平年比98~105%となっている。 果実肥大 地 (単位:㎝、%) 域 黒 石 (りんご研究所) 弘前市独狐 (中南地域県民局) 板柳町高増 (西北地域県民局) 三戸町梅内 (三八地域県民局) 年 ジョナゴールド 本 年 平 年 前 年 平年比 本 年 平 年 前 年 平年比 本 年 平 年 前 年 平年比 本 年 平 年 前 年 平年比 8.6 8.4 8.9 102 9.5 9.1 10.0 105 8.5 8.7 8.8 98 ふ じ 8.1 8.3 8.4 98 7.8 7.9 8.2 98 8.5 8.1 8.7 105 8.2 8.0 8.2 103 (2)ジョナゴールド(無袋)の果実熟度 9月25日現在、平年値と比較して、ヨード反応指数はやや高く、硬度、糖度 及び着色指数はやや低く、酸度は低い。総合的にみて、熟度は平年並みと見込 まれる。 ジョナゴールド(無袋)の熟度の進み (9月25日現在) 果重 着色 硬度 糖度 酸度 ヨ-ド 地 域 年 (g) 指数 (1bs) (%) (g/100ml) 反応 黒 石 本年 311 0.6 16.4 12.3 0.511 3.8 (りんご研) 平年 310 0.8 17.0 12.5 0.590 3.4 前年 341 0.7 15.6 13.8 0.504 3.2 注)1 平年:1996年~2015年までの20年平均 2 着色指数 :0~5 大きい数値ほど着色良好 3 ヨード反応:0~5 小さい数値ほどでんぷんが少ない - 2 - (3)作業の進み(9月28日現在) トキ及び早生ふじの収穫が行われている。 ジョナゴールドは除袋や葉摘みが終了し、ふじは除袋が終了し、葉摘みが行わ れている。 2 作業の重点 (1)風害防止対策 台風による強風被害に備え、防風網やわい性台樹の結束などを再度点検し、補 強や取り替えを行う。 また、幹や主枝などに空洞が生じている樹や、腐らん病の被害等を受けた枝や 樹は、支柱で支え、縄などで補強する。幼木は、倒伏しやすいので支柱を立てて 結束する。 (2)中生種の収穫 ア ジョナゴールド 収穫始めは、熟度の進みから判断して、黒石中心で有袋果が10月13日頃、無 袋果が10月15日頃からと見込まれる。有袋果は10月20日頃まで、無袋果は10月 25日頃までに収穫を終える。 収穫時期が早すぎると、貯蔵中にビターピットの発生が多くなる。遅すぎる と無袋果は、果面の油あがりが多くなり、貯蔵中の軟化、ゴム病の発生が多く なるので、収穫は適期に行う。 ジョナゴールドの収穫時の標準指標 食味 糖度 有 袋 3以上 13%以上 無 袋 3.5以上 13.5%以上 イ ヨード反応 2.5以下 2以下 硬度 15~17ポンド 14~16ポンド シナノスイート 収穫始めは、平年並みの10月10日頃と見込まれる。なお、収穫の目安は、糖 度14%以上、ヨード反応2程度、硬度14%程度である。 心かび病対策として、収穫時に地色が黄色く、油あがりがみられるような果 実は、心腐れ果である可能性が大きいので、もぎ取り処分する。 (3)中生種の収穫後の管理 収穫後すみやかに冷蔵施設への搬入や出荷を行う。 - 3 - (4)黒星病対策 秋季に二次伸長葉に黒星病が発生した場合は、来年の伝染源となるので、見つ け次第葉を摘み取り処分する。 (5)晩生種の着色手入れ、樹上選果 葉摘みと並行して、果実に十分日光が当たるように、支柱の位置を動かしたり、 小枝を縄で吊り上げたり、不要な徒長枝を切り取る。 また、高品質りんご生産のために、肥大や形が悪い果実のほかに、黒星病等の 病害虫被害果、日焼けなどが目立つ果実などを摘み取る。 有袋果は、除袋後、丁寧に見直しを行う。 (6)果実疫病対策 ア 収穫直前まで 反射シートを片づける際には、土を飛散させないようにし、りんご樹にかけ て干さない。収穫用のかごや箱の土は、あらかじめ洗い落としておく。 イ 収穫時 降雨時の収穫は行わない。やむを得ず収穫する場合は、果実に泥が付着しな いように注意する。 落果や収穫の際に落とした果実は、収穫果に混入させない。 ウ 収穫後 収穫果は、長く野積みしない。 (7)モモシンクイガ被害果の除去 モモシンクイガによる被害果を流通させないために、収穫した果実は、選果時 に徹底して選別する。被害果は見つけ次第、7日以上の水漬けなど適切に処置を する。 (8)鳥害防止対策 ムクドリ(サクラドリ)、ヒヨドリ、カラスなどの被害が大きいところでは、 防鳥網を使用する。なお、防鳥網の網目は、35mm以下とする。 (9)炭疽病等被害果の除去 被害果は見つけ次第摘み取り、土中に埋める。 (10)腐らん病対策 胴腐らんの治療部を再点検し、病斑の伸展が見られる場合は直ちに適切な処置 を行う。 - 4 - (11)野ネズミ対策 野ネズミの繁殖期なので、エサとなるりんごや野菜の残渣等を放置しないよう にする。 3 今後の作業予定 (1)晩生種の着色手入れと収穫 - (2)果実疫病対策 (3)風害防止対策 樹上選果推進期間(8月下旬~収穫期) - 美味しいりんごを届けよう! 今年もやります!樹上選果と「すぐりもぎ」! - 決め手は適期収穫! - 中生種は味が命!早もぎせず、しっかり味をのせてから収穫を! 《 農薬使用基準の遵守 》 農薬を使用する場合、ラベル等の記載事項を読み、それぞれの農薬に定められ ている使用回数、使用時期、使用濃度を厳守し、使用状況を記帳する。使用回数 については、含まれる成分によって制限されるので、同一成分が含まれる剤の総 使用回数を守る。また、使用者の責任で最新の「農薬登録情報」を確認する。 農薬の使用前には、防除器具が洗浄されているかを確認するとともに、使用後 は、十分洗浄する。 なお、薬剤の年間使用回数は、収穫後から翌年の収穫までの1年間に使用でき る回数である。 《《 お知らせ 》》 県予察ほの「モモシンクイガの発生情報」、「りんご黒星病、斑点落葉病の発 生推移」は、アップルネット(http://www.applenet.jp/)の「アップル農場、 病害虫情報、りんご・特産果樹の病害虫発生・防除情報」で提供しています。 また、「アップル農場・りんご・生育速報」には「つがる」、「トキ」の熟度 が掲載されています。ご利用ください。 ────────────────────────────────────── 農業機械事故が多発しています!農作業安全を心がけましょう! ────────────────────────────────────── 地域ぐるみで放任園の発生防止と解消に努めましょう! ────────────────────────────────────── - 5 - 次回の「りんご生産情報」第13号は10月14日(金)発表の予定 担 当 課 担 当 者 電話番号 報 道 監 - 6 - 報道機関用提供資料 りんご果樹課 生産振興グループ 今総括主幹 直通 017-734-9492 内線 5092 農林水産部 津島農商工連携推進監 内線 4966
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