講義 第11回 レジュメ 「 インターンシップと企業が求める人間像について 」

「 社会人基礎講座 」
講義
担当 : 松尾 信子
第11回
レジュメ
2014.7.1(火)
「 インターンシップと企業が求める人間像について 」
【講義内容】
1.
組織、企業とは
①
組織 : 共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制され
た複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成されるシステムのこ
とをいう

共通の目標 ― 組織には、組織に属する成員(メンバー)間で共有される共通の目標
が必要である。共通の目標がなければ、同じ時刻・同じ場所に居て同じ行動をとる人々
の集まり(例えば劇場に集う観客など)も、組織とはいわない。

分業と調整のメカニズム
― 組織には、複数人で共通の目標を達成するにあたって
必要な組織全体の仕事やタスクの分業と調整を行うメカニズムが必要である。共通の
目標が人々によって共有されていても、個々人がバラバラに仕事を遂行するならば、
それは組織とは言わない。
 分業:組織全体の仕事を分割し、個々人に割り当てること
 調整:分割され個々人に割り当てられた仕事を統合し、組織全体の仕事として
完成させること
②
企業 : 営利を目的として、経済活動を継続して実施する組織のこと。
企業は、資本金や従業員数などの規模によって、大企業と中小企業に分類され
る。中小企業基本法で中小企業者の定義がなされており、それに該当するもの
が中小企業、定義よりも規模が大きい企業が大企業と考えられる。
中小企業は我が国の企業の 99.7%を占め、常時雇用者の 69.4%が働くなど、
我が国経済において中心的な役割を果たしている。
1
資料1
: 中小企業基本法における中小企業の定義
業種分類
中小企業基本法の定義
製造業その他
資本金の額又は出資の総額が 3 億円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が 300 人以下の会社及び個人
卸売業
資本金の額又は出資の総額が 1 億円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が 100 人以下の会社及び個人
小売業
資本金の額又は出資の総額が 5 千万円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が 50 人以下の会社及び個人
サービス業
資本金の額又は出資の総額が 5 千万円以下の会社並びに
常時使用する従業員の数が 100 人以下の会社及び個人
以上のいずれかの条件を満たす企業が中小企業となる。
以上の条件を超えて資本金や従業員数が在籍している企業は大企業となる。
2.
組織はオーケストラである
3.
組織は城壁の石のごとく、それぞれの特性が活かされたときに強固となる
① お城の城壁はレンガでは作れない
② 金太郎集団から桃太郎集団へ
4.
社員の職場生活の満足度はどのくらいか
資料2
満足
: 職場生活の満足度
やや満足
やや不満
不満
わからない
無回答
2
資料3
: 転職に対する考え方
一生一つの職場で働 強い不満があれば転職
き続けるべきである/1 することもやむをえない/2
職場に不満があれば
転職するほうがよい/3
才能を活かすために
積極的に転職する/4
1.
つらくても転職せず、一生一つの職場で働き続けるべきである
2.
職場に強い不満があれば、転職することもやむをえない
3.
不満がなくても、自分の才能を生かすためには、積極的に転職するほうがよい
わからない
無回答
4.才能を活かすために積極的に転職するほうがよい
(平成21年3月
5.
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)第 8 回
世界青年意識調査
インターンシップとは何か
・ アメリカで始まった就職・転職のミスマッチをなくすための制度
・ 学生時代に社会人生活や企業の様子を覗くことができる貴重な機会
・ 学生が将来の就職先として興味を持っている業界や企業で一定期間、実践的な就業体
験をすること。企業や官公庁などで自らの専攻や将来の職業選択に生かすことができ
る。
・ ビジネス・社会経験を積むことにより、興味関心のある業界・職種への理解を深め、
将来のキャリア形成に繋げることができる。また、就職前に業界体験をしておくこと
で自分がイメージしていた業務内容のミスマッチも防ぐことができる。
・ 職場見学から業務体験、企画立案まで幅広い。
①
インターンで得られるもの(例)
・ 社会人基礎力、プレゼン能力、 問題解決能力、
・ 志望職種の明確化、
営業力
業界人との人脈形成、 他大学生との横のつながり
3
②
短期インターンシップ と 長期インターンシップ
・ 短期

一般的には、大手企業が夏休みなどに○日間と期間を区切り、グループワー
クで新規事業を考案し発表するもの

就職活動を見据えているため、そこで優秀な学生がいれば早期に囲い込み、
自社に採用しようとするねらいがある

能力を身につけるというよりは、能力をアピールする場
・ 長期

3ヶ月~長くて1年間

始めは実際の業務を担当している社員のサポートからはじめ、仕事の実務や
考え方などを学び、徐々に実際の業務を体験していく。また、学生によって
は社会人と同等の裁量で活動することもできる

営業から企画運営など実践的に活動していくので、幅広いビジネススキルが
身につく
・ インターンシップと内定

「インターンシップに参加すれば内定がとれる」 というものではない

「インターンシップに参加した人は、本採用試験において書類選考はパスで
きる」
、
「インターンシップ中に目に留まれば、声をかけることもある」とい
う企業、反対に、
「本採用とは全く関係がない」 という企業もある
③
アルバイト と インターンシップ
・ アルバイト

決められた仕事をこなすこと

働いて生まれる付加価値がある程度決まっているため、働いた時間の分だけ
時給という形で給料が入る

主要な目的は 「お金を得ること」
4
・ インターンシップ

「就業体験を得ること」「仕事とは何か、会社とは何かを知ること」「自分の
適性を知ること」に主眼が置かれる

「学生から社会人」
「サービスを受け取る側から、提供する側へ変わる」とい
うことを意識する
・ インターンシップとアルバイトの違い

アルバイトが決められた仕事を行うものであるのに対して、インターンシッ
プは自分で儲ける仕組みを考えて、本当の意味で仕事を体験するというもの

インターンシップは基本的に無給のケースが多く、支給されても給料はアル
バイトよりも低い。しかし、さまざまな能力を身につけることができる。ま
た、成果を上げると高い給料をもらえるケースもある
6.
今、企業が求める人間像とは
<資料4>
企業人の意識や考え方
学
1
提供するもの
2
校
企
業
情報・サービス
知恵・アイデア・サービス
評価のウエイト
個人 > 集団
集団 = 個人
3
評価される資質
IQ
IQ=EQ=MQ=SQ
4
主
家族主義
成果主義
5
報告・連絡・相談
ルーズ
必須(厳守)
6
合 格 点
50 点
?
7
規則(時間)の順守
ルーズ
厳格
8
言動の監視人
家族や先生の監視
衆人監視
9
金銭の収支
支払い(授業料他)
受け取り(給料他)
義
10
学習期間
単
11
立
ゲスト
場
発
永続的
ホスト(個人商店のオーナー)
〈注 1〉 IQ(intelligence quotient:知能指数)
、EQ(emotional quotient:情動指数)
、
SQ(spiritual quotient:精神指数)
、MQ(moral quotient:倫理指数)
5