汎用計算機更新特集一坪 MT, CMTの代替手段

汎用計算機更新特集-IV MT, CMTの代替手段
汎用計算機更新特集-Ⅳ
MT, CMTの代替手段
河津 秀利*
1.利用できなくなる媒体
本センターでは平成11年11月現在,磁気テープ(MT),カートリッジ磁気テープ(CMT),
1/4インチカートリッジテープ 4mmテープ(DAT)および8mmテープが利用できます.今回の
汎用機システムの更新により,平成11年12月25日をもってUXP/M (ホスト名kyu-cc)が運用停止と
なりますが,後継のUNIXサーバには磁気テープ装置が導入されません.また,平成12年3月末日には
MSP-EX (ホスト名kyu-msp)が運用停止となります.従いまして,これらのシステムで利用されてい
る磁気テープ(MT)およびカートリッジ磁気テープ(CMT)のサービスは停止させていただきま
す.今後はUNIX WS (medics)のサービスをご利用ください.まとめると表1のようになります.
表1 :現在,本センターで利用可能な磁気テープ媒体
可
2. MTあるいはCMTファイルの移行
サービス停止となる媒体に必要なデータを持っている場合,利用期限までにファイルの転送を済ま
せておく必要があります.概ね次のような手順になります.
(9テープからディスク上にファイルをコピーする.
MTあるいはCMTを他のテープ媒体-直接コピーすることはできません.そのため,テープ
上のファイルを一旦ディスク上にコピーする必要があります.コピーの方法については該当シ
ステムの利用手引書等を参照してください.
② UNIX -ファイルを転送する.
ファイルがMSP上にある場合は,更にUNIX (kyu-ccやkyu-vpp) -転送する必要があります.
MSPからUNIX -のファイル転送については,特集記事Ⅲ 「MSPからのファイル転送」を参照し
てください.
*大型計算機センター・システム運用掛
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九州大学大型計算機センター広報
Vol.32 No. 4 1999
解 説
③ディスク上のファイルをテープ-コピーする.
必要であればテープ-コピーします.テープ装置の使用方法については次節以降で説明します.
3. medicsを使うための基礎知識
3.1利用者登録
medicsを使用するためにはセンター-の利用登録が必要です.センターに利用登録されていない
方は共同利用掛で利用申請を行ってください.
センターに利用登録されている方はkyu-ccにIogirl L,以下のようにtourokuコマンドを実行
してください.
kyu-cc% touroku medics ・・・・ medicsに利用登録
Password: ******** 現在のkyu一ccのパスワードを入力
adduser : OK. User a79999a added in medics
これでmedicsにIoginできるようになります. medicsの初期パスワードはtouroku コマンド
実行時に入力したもの(kyu一ccのパスワード)になります.
3.2 課金
medicsを使用すると,利用負担金として使用時間1分につき3円が課金されます.
3.3 ホームディレクトリの構成
medicsのホームディレクトリは wisdo皿のホームディレクトリをネットワーク経由(NFS)で共
有して使用しています.また, kyu一ccおよびkyu-vppのホームディレクトリ領域もNFSで利用で
き, medicsのホームディレクトリ下にそれぞれKYU-CC , VPPというディレクトリ名でリンクを張
っています.従いまして kyu-ccおよびkyu-vppで使用しているファイルはftp等でコピーする
必要はありま草ん・なお, medicsのローカルディスクおよびホームディレクトリ(wisdomと寒通)
は全利用者の共通域であり容量も少ないため,ファイルはできるだけ KYU-CCまたはVPP下に作成
してください.
3.4 テープ媒体
一般の音楽,ビデオ用のテープはテープ装置の故障の原因となりますので使用せず,必ず計算機用
ヽ
のテープを使用してください.
4. medicsのテープ装置の使用方法
4.1テープの指定方法
medicsには1/4インチカートリッジテープ装置, 4mm(DAT)テープ装置,および 8mmテープ装
置が各1台接続されています(表2参照).出力先または入力先としてテープを使用する場合は,チ
ープを装置に装着し,その装置のデバイス名を指定します.例えば1/4インチカートリッジテー
プの場合は/dev/rmt/0です.
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表2 :装置のデバイス名と容量
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4.2 ファイルのテープへのコピー(バックアップ)
テープにファイルを保存(アーカイブ)するコマンドには tarやcpioなどがあります.アーカ
イブする時に使ったコマンドやオプションは,ファイルを戻す時に必要となりますので,記録してお
いてください.説明にはtar コマンドを 吏用しています.コマンドの詳細は皿an コマンドで参照で
きます.
①適宜,ディレクトリを移動します.
medics% cd VPP - VPPのホームディレクトリに移動
②テープを装置に装着し tarコマンドを使ってファイルをテープにバックアップします.
4mm(DAT)テープにバックアップ
medics% tar cvf /dev/rmt/1
tarコマンドの最後の引数には,どのファイルをコピーするかを指定します(省略不可).上記の
例のように. (ピリオド)を指定すると,カレントディレクトリ下にある全てのファイルおよびディ
レクトリが対象となります.
4.3 テープに記録されているファイルの一覧
テープを装置に装着し tarコマンドを使ってテープに記録されているファイルの一覧を出力しま
す.
medics% tar tvf /dev/rmt/1 ファイルの一覧を出力
4.4 テープからファイルをコピー(リストア)
①適宜,ディレクトリを移動します.
medics% mkdir tmp - 作業用ディレクトリ tmpを作成
medics% cd tmp ・・・・ tmpディレクトリに移動
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②テープを装置に装着し tarコマンドを使ってテープに記録されているファイルをディスクに
コピーします.
medics% tar xvf /dev/rmt/1 - リストア
カレントディレクトリ下に,指定されたテープ上のファイルがコピーされます tarコマンドの最
後の引数には,どのファイルをコピーするかを指定します.省略すると,アーカイブされている全て
のファイルが対象となります.
4.5 テープの取り出し
使用されたテープはコマンドの終了後自動的に巻き戻されます.装置のEJECTボタンを操作して,
装置からテープを取り出してください.
4.6 複数アーカイブの取り扱い
テープには複数のアーカイブを記録することができます.
①複数アーカイブの記録.
次のように指定すると,複数のアーカイブをテープに記録することができます.
medics% cd KYU一cc KYU-CCディレクトリに移動
medics% tar cvf /dev/rmt/1n - テープの1番目にバックアップ
medics% cd -/VPP VPPディレクトリに移動
medics% tar cvf /dev/rmt/1n . -・・テープの2番目にバックアップ
コマンドでデバイス名を指定する時に,デバイス名の最後にnを付けると巻き戻しされず,次
のアーカイブの先頭に位置付けられます.
②巻き戻し.
この場合, mtコマンドを次のように使い,巻き戻しできます.
medics% mt -f /dev/rmt/1 rew - 巻き戻し
③.位置付け.
テープ内の任意のアーカイブを読み書きする場合は, mtコマンドを次のように使い,アーカイ
ブの先頭に位置付けます.
medics% mt -f /dev/rmt/1n asf 1 番目のアーカイブの先頭に位置付ける
asfはアーカイブを先頭からn個読み飛ばすことを意味しています(例では, 1個読み飛ばす
ので2番目のアーカイブの先頭に位置付けられます).この状態でテープに書き込みを行うと,
それ以降に記録されていたアーカイブは読めなくなります.
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