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Doctoral Dissertation / 博士論文
Effect of thrombomodulin on the
development of monocrotaline-induced
pulmonary hypertension
山田, 康晴
三重大学, 2014.
内容の要旨・審査結果の要旨 / 三重大学大学院医学系研究科生命医科学専攻病態解明医学講座麻酔集中治療学分野
http://hdl.handle.net/10076/13999
学位論文の要
ヒ
三4
日
一重大学
所
属│甲
三重大学大学院医学系研究科
生命医科学専攻病態解明医学講座
麻酔集中治療学分野
氏名
山田康晴
主論文の題名
E
f
f
e
c
to
fthrombomodulinonthedevelopmento
f
monocrotaline-inducedpulmonaryhypertension
主論文の要旨
[目的 I 可 溶 型 組 換 え ト ロ ン ボ モ ジ ュ リ ン (TM) は、抗凝固作用があり、 DICの
治 療 薬 と し て 臨 床 的 に 使 用 さ れ て い る 薬 剤 で あ る が 、 近 年 TMの抗炎症作用が注目
さ れ て き て い る 。 肺 高 血 圧 症 (PH) の 病 態 で は 、 微 小 血 栓 形 成 と 炎 症 の 程 度 が 重 症
度 を 決 定 す る こ と か ら 、 今 回 、 モ ノ ク ロ タ リ ン (MCT) 誘 発 性 PH発 症 過 程 お よ び
発 症 後 の PH進 行 過 程 に お け る TMの効果を検討した。
I
方 法 ) SDラ ッ ト に MCTを 一 回 皮 下 注 (60mg/kg) し た 群 と 生 食 皮 下 注 し た 群 ( コ
ントロール)に分けた。さらに MCT皮下注群を、 T M皮 下 投 与 群 (MCT/TM、3mg/kg/2
days) と 生 食 投 与 群 (MCTIV) に分け、 MCT投 与 1日前から 19 日間、または 29
日 間 投 与 し た 。 コ ン ト ロ ー ル 群 に は 生 食 投 与 を 問 様 の 方 法 で 19日間行った (
S
a
ll
V
)
。
5・100u皿)の筋
平 均 肺 動 脈 圧 (mPAP)、 右 心 室 肥 大 (RV/LV+S)、 非 筋 性 動 脈 ( 外 径 1
s
c
u
l
a
r
i
z
a
t
i
o
n
)、 お よ び 筋 性 化 動 脈 (51-100um)の 中 摸 肥 厚 率 (%MWT)
性化率(%皿 u
を評価した。
19 日 間 投 与 に お け る 別 の 実 験 モ デ ル で 採 取 し た 気 管 支 肺 胞 洗 浄 液
(BALF)、 血 策 を 用 い て ELISA法 に て 炎 症 と 凝 固 の 評 価 を 行 い 、 姉 組 織 中 の eNOS
お よ び リ ン 酸 化 eNOS (peNOS) を ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ ト 法 に て 測 定 し た 。 ま た 、
MCTIV群と MCT/TM群における生存曲線も検討した。
【結果】 MCT 投 与 19日後の MCTIV群では、 mPAP、RV/LV+S、%muscularization
(外径 15-100um) お よ び %MWTの増加がみとめられた。 MCT/TM群では、 MCT/V
群 と 比 較 し て mPAP の低下、 %muscularization (外径 51・100um) お よ び %MWT
の低下がみられた。しかし、 MCT 投 与 29日後には、 MCTIV群と MCT/TM群 と の
scularization、 %MWTの差はなくなった。 BALF中では、 Sal
lVと比較
間に%皿 u
して MCTIV群で好中球数、 TNFα ,MCP-1の増加がみとめられたが、 MCT
パ7群と
MCT/TM群との聞に有意差はみられなかった。また、 MCTIV群、 MCT/TM群でト
ロンピン活性の上昇がみとめられ、両者の聞には差はなかった。血築中では、 MCTIV
群で S
a
l
lV群と比較して TATc
omplexは上昇し、 MCT/TM群では、 MCT/V群と比
較 し て 低 下 が み ら れ た 。 肺 組 織 中 の peNOS/eNOS r
a
t
i
o は MCT/V群 と 比 較 し て
MCT/TM群で上昇がみられた。 Kaplan-Meier 生存曲線は、 MCTIV群と MCT/TM
群との問に差はみられなかった。
【考察および結論 1MCT誘 発 性 肺 高 血 圧 に お い て 、 可 溶 型 組 換 え TM投与は、 PH
の 血 管 病 変 の 進 行 過 程 を 部 分 的 に 抑 制 す る 可 能 性 が あ る が 、 最 終 的 に そ の 抑 制j効果は
消 失 し 、 予 後 の 改 善 に は つ な が ら な い 。 肺 高 血 圧 発 症 に 対 す る TM の関与について
は 、 今 後 の 研 究 で 、 他 の 姉 高 血 圧 モ デ ル や 内 因 性 TM を 高 め る 操 作 の 効 果 を 調 べ る
必要がある。