2014/4/13 指数関数 補論: 講義を履修する上で必要な数学の確認 青山学院大学 松本茂 • 指数は、 といった形で表記される。 • 例えば、1000を10 と書くことを指数標記とよぶ。 • 指数については、以下の関係が満たされる。 10 10 10 10 10 10 10 10 2 2 10 • • • • • • 2 16 対数関数 対数関数 経済学では、しばしば対数を利用する。 8 を満たす を考えると、 3となる。 2 5 となる は幾らだろうか? それでは、 2 答えは、 log 5 である。 用語: 底 つまり、 2 5 となる。 • 一般化すると、 を満たす は、 となる。 log • 対数については、以下の関係が満たされる。 微分 微分 • 最大化問題や最小化問題を考える場合には、 微分や偏微分が利用される。 • 2変数の関係を調べる時には微分を利用する。 • 例えば、z f 2 という関数で、 が微小 に変化した時のzの変化量を調べる場合には、 z を について微分した、 3·2 log log log log log • 一般的な関数については、以下の様に微分 をすることができる。 6 という関係を利用する。 • 赤の指数部分(3)を前に書き出した後、次元を1 つ(3から2に)下げる。 1 2014/4/13 何故、微分を使うのか 利潤の変化 この関数では、生産量が0から4迄の区間では利潤が 増加し、4で利潤の変化がゼロとなり、4を超えると生産 量が増加するにつれ利潤が低下することとなる。 • 例えば、利潤 が生産量 の関数として、 24 3 という関数で与えられるとする。 • 生産量を幾らにした時、利潤が最大化される のだろうか。 24 3 4 何故、微分を使うのか 利潤の変化 • この問題を考えるに際しては、生産量 の変 化に応じて利潤 がどの様に変化するかを調 べれば良い。 24 ある生産水準で利潤 が最大化されるよう なら、微分の値はゼ ロになるはず。 6 24 • 生産量がqの場合、生産量が1単位増加する と、利潤は24 6 だけ変化する。 3 特定の生産水準での、 利潤関数の傾きを求 めるのが微分 4 何故、微分を使うのか 生産量の変化に応じた利潤の変化 この関数では、生産量が0 から4迄の区間では利潤が 増加し、4で利潤の変化が ゼロとなり、4を超えると生 産量が増加するにつれ利 潤が低下することとなる。 ⁄ 0 0 1 21 21 2 36 15 3 45 9 12 4 48 3 6 5 45 -3 24 18 0 1 2 3 4 24 6 • この問題を考えるに際しては、生産量 の変化に 応じて利潤 がどの様に変化するかを調べれば 良い。 ⁄ 6 • 生産量が1単位増加すると、利潤の増加額 ( ⁄ )は、 6だけ減少する。 • 生産量を増やせば利潤が増加するかもしれない が、増加する額は生産量が増加するにつれて、 減少していく。 2 2014/4/13 対数関数と指数関数の微分 生産量の変化に応じた利潤の変化 最初の1単位の増産による利潤の増加は24だが、次の 1単位の増産による利潤の増加は18に減る。また、そ の次の1単位の増産による利潤の増加は12に減る。 増産をしていくことで、利潤 自体は4単位目までは ⁄ 増加し続けるが、利潤 の増え方は減少をして いく。 ⁄ 24 18 12 0 6 0 1 2 3 4 24 6 0 1 21 21 2 36 15 3 45 9 4 48 3 5 45 -3 指数関数の微分 の微分は以下の様になる。 • • log lim 1 はネイピア数、 2.71828 → • 底がネイピア数の対数を特に自然対数とよび、 log ln と表記する場合がある。 • 自然対数の微分は以下の様に与えられる。 その他の微分に関する便利なルール • 積の微分 z 例: z 3 3 4 1 6 2 ならば、 6 1 24 と計算できる。 2 • 合成微分 z 例: z 4 として、 対数モデルと弾力性 • 経済学では、変化率の概念を述べる時にし ばしば弾力性を用いる。 • 弾力性とはある変数が1%変化した時にもう 一方の変数が何%変化するかを示すもので ある。 • 弾力性: ⁄ ⁄ 3 2 4 ならば、 3 8 4 3 とおきかえ、 3 と計算できる。 対数変換と弾力性 • 経済学では数値を対数変換して用いる場合 がある。 • 理由1: 規模が大きく異なる標本の比較を行 うため。 • 理由2: 対数変換をすると弾力性を用いて議 論ができる。 3 2014/4/13 規模の異なる国のデータ 1人当たり CO2排出量 規模の異なる国のデータ Ln(1人当たり CO2排出量) 1人当たりGDP Ln(1人当たりGDP) 対数変換 ln • • この式に、先の変形式を代入すると、以下の 関係が得られる。 これを変形すると、 ln なる。 • 2つの変数、 と の関係を調べる時に、両方の変数の 自然対数をとり、以下の関係式を考える。 ln 対数変換 ln • この式では、ln が1単位増えるとln が だけ増える ということになるが、その関係は以下の様にかける。 ⁄ ⁄ • これは、弾力性の定義式である。 • 従って、対数変換をした式を利用すれば、弾 力性の概念を用いて議論が出来るようになる。 4
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