平成25年度 福井県立道守高等学校 学校評価書(通信制) 項目 学習指導 生徒指導 具体的取組 日曜、月曜日の面接指導 (スクーリング)を通して、 ひとりひとりのニーズに即 した受講登録(時間割作 成)ができるよう更に情報 提供を密に行い指導す る。 報告課題(レポート)の内 容を充実させ、きめ細か な学習支援(水曜日個別 指導、レポートの添削指 導、IT・放送教育の活用) を目指し、また、生徒の意 欲を喚起する授業を工夫 することにより、学習成果 が上がるように指導する。 講習会等を利用して、具 体的な問題の提示や生徒 自身に考えさせる場面を 設定することで、社会の一 員としての規範意識を身 につけさせる。 特別活動への参加を促す ことで、他者と協力する経 験や、コミュニケーション の大切さ・楽しさを積極的 に生徒へ伝える。 保健指導 成果と課題 ◎全ての教員が単位修得に至る道筋を十分説明したと 答えているのに対し、生徒の受講登録に対する保護者 の満足度を昨年度と比較すると90%から84%と若干の 減少、生徒の満足度は73%から78%と若干の増加で あった。 いずれも目標を達成しているものの、教員の説明が 生徒の受講登録の満足度に十分に反映されておらず、 1年生徒では40%、2年生徒で31%が満足していない。 生徒の満足度を更に高めていく必要がある。 ◎添削指導・授業に対する生徒の満足度は83%、保護 者の満足度は90%と昨年同様高い数字を示し、目標を 達成することができた。一方で、生徒の17%は学習内 容の理解が十分に深まっておらず、特に1年では33% の生徒が満足度が低く、通信制での自学自習に戸惑っ ているようである。更なる指導上の工夫・努力が求めら れる。 改善策・向上策 ・新入生に対して、単位修得や受講登録について十分 な理解を得るために、「入学希望者個別相談会」や入 学後のLHや個人面談等の様々な機会を利用して指導 を継続する。 ・他の生徒についても、単位修得と受講登録の重要性 について本人の自覚を促すために、個別に卒業までの 科目受講計画を作成させる等の指導を継続する。 ◎生徒の肯定的評価が目標の70%に達した一方で,保 護者の評価が減少(72%→65%)しており、今後の取り組 みに更に改善の余地があると考える。特別活動の枠組 みを見直す等の制度的な改変と平行して、生徒に興 味・関心を持たせる地道な取り組みが必要である。 ・特別活動への参加が消極的になる2年生以上の生徒 を念頭に,バランス良く特別活動に参加できるような年 間計画を作成することで参加を促す。 ・特別活動への参加で得られる経験のすばらしさやそ の必要性を年度の早い時期から繰り返し啓発し、生徒 の意識付けを促す。 ・生徒の清掃への意識を更に高めるために、美化ボラ ンティアの機会を利用して美化意識の啓蒙をしたり、生 徒会を中心とした自発的な活動を促す。 ・清掃時間には生徒全員が清掃をすることが普通の状 態になるように、生徒ひとりひとりに見合った清掃場所 の割当てをしたり、放送での呼びかけや音楽を流し参 加を促す等の工夫を続ける。 ・講演会への参加を促すとともに、喫煙に関しては普段 の学校生活の中での巡回を通して、生徒自身の意識を 更に高めるような声かけ等の指導を継続する。 ・健康診断の受診率を上げるため、未受診の生徒に対 し受診の必要性と重要性を粘り強く指導する。 ・報告課題の添削指導が通信制における学習指導上 の重要な特徴であることを踏まえ、教科毎にその都度 議論を深めながら添削指導の更なる充実を図る。 ・新教育課程の実施に伴う報告課題の改訂に合わせ て、基礎的な学習内容の定着と共に、生徒の自主的な 学習を促す報告課題の作成とそれに基づく面接指導の 充実を図る。 ・水曜学習支援を更に周知し、個別指導を通して自学 自習をサポートする。 ◎規範意識への取り組みは教員・生徒・保護者共に肯 ・携帯電話やスマートフォンの使用が当たり前の生活実 定的評価が目標の70%を超えており、一定の成果を上 態を踏まえ,生徒が身近な問題として受け入れ易い げている。この傾向は近年変わっていないが,昨年に テーマで講演会等を実施することで自覚を促す。 比べ生徒(95%→92%)・保護者(96%→86%)共に若干減少 ・生徒の問題行動が多様化しているので、生徒の生活 している。今後も規範意識の遵守とその必要性につい 歴等を考慮し、個に即したよりきめ細かな指導法も検討 て着実に指導する必要がある。また、自動車通学をす する。 る生徒を念頭に交通安全や運転マナーの意識の啓発 ・「交通安全講習会」で、自動車運転の危険性や運転マ にも努める必要がある。 ナー向上を話題にすることで生徒の意識を高める。 美化ボランティア・生徒会 を中心とした自発的な活 動・清掃時間を意識させ るような工夫で効率的な 清掃活動ができるように する。 ◎教員の取り組みは100%に達し今年も目標を達成で きた。生徒の取り組みは、美化ボランティア・清掃時間 を知らせる校内放送等の効果もあり昨年より上昇 (53%→62%)し目標を達成した。週に一度しか清掃活 動ができないなどの課題はあるが、今後も効果的で具 体的な取り組みを企画し、生徒の清掃への意識を高め ていく必要がある。 講演会を通して薬物・喫 ◎教員、生徒、保護者とも、薬物・喫煙が身体へ及ぼす 煙が体に及ぼす影響を理 影響への理解は高く、保健学習や講演会の効果が出 解させ健康への意識を高 ていると考える。しかし喫煙に関しては問題行動も報告 める。健康診断の結果を されており今後の更なる指導が必要である。 知ることで健康状態の把 握に努める。 渉外・広報・図書 「通信道守」や学級通信な ◎教員が「通信道守」や学級通信等を活用して生徒・保 どの発行により、生徒・保 護者に対して積極的に情報発信に努めた結果、教員・ 護者に適切な情報が確実 生徒・保護者全てで目標を上回ることができた。今年度 に届くように工夫する。 初めて保護者に「通信道守」の配布・送付を実施したお 蔭で、「学校生活の様子がわからない」保護者の割合 が昨年度より減少した。また、「必要な情報を得ること ができた」生徒の割合は、昨年度より増加している。更 に魅力的な内容にしていく必要がある。 授業・LH・広報など様々 ◎「通信道守」の「教師が薦める一冊」コーナーや「読書 な機会を利用し読書の楽 マラソン」等の企画を継続的に実施したことにより、生 しみや放送視聴の有効性 徒の目標70%を上回ることができた。今後も、読書活動 を伝え奨励する。 を充実させるための方策を工夫する。 「放送視聴ガイダンス授業」の全学年での実施や高校 講座の視聴を取り入れた授業づくり等の実践を通して、 生徒へその利用を奨励することに積極的に取り組むこ とで目標を達成した。今後も継続して取り組む必要があ る。 進路指導 職業観育成講座、教員と ◎進路ガイダンスの活用や個人面談の実施を通して、 の面談等を通してコミュニ 生徒の自己理解を促し、進路について考えさせるように ケーション力を育てると共 取り組んでおり、その結果、進路について考えたという に、様々な関係機関との 生徒の割合が昨年度より増えている。しかし、2割程度 連携を図りながら自己理 の生徒は、進路に対する意識が十分とは言えない。生 解を深めさせ、進路につ 徒の進路実現へ向けた意欲を更に高める方策を考え いて考えさせる。 実施していく必要がある。 教育相談 相談しやすい手立てを工 ◎保護者の満足度は95%と昨年度より更に高かった。 (カウンセラー) 夫し、スクールカウンセ 今年度は保護者との面談が多く、そこで出てきた要望 ラー・スクールソーシャル をもとに「保護者のつどい」を初めて企画し参加保護者 ワーカーや外部相談機 から好評価を得た。教員も生徒からの相談に誠意を 関、医療機関の協力を得 もって取り組むことができたと評価している。また、生徒 ながら生徒・保護者の支 が先生に相談できたと答えた割合もほぼ目標値であっ 援を行う。 た。しかし、生徒自ら相談を持ちかけることが困難な場 合も多いので、今後も更に生徒が悩みなどを打ち明け やすくするための工夫・改善が必要である。 生徒の理解、より適切な ◎教員が研修に参加することで生徒理解に役立ち、意 対応を目指し、有意義な 識の向上が図られたと評価している。今年度は、教員 教職員研修を行う。 が日頃悩んでいる生徒の問題行動の捉え方と対応に ついて講演してくれる講師を選定した。今後も生徒理解 とより適切な生徒対応を目指し、通信制の生徒の現状 に即した教育相談研修の充実を図っていく必要があ る。 ・今年度同様に生徒と保護者それぞれに「通信道守」を 配布・送付することを継続する。入学式や保護者会等を 利用して「通信道守」や本校ホームページについて紹介 し、その利用・活用を促す。 ・「通信道守」の内容や紙面を更に工夫することで、学 校生活についての情報や様子を生徒や保護者に配信 する。 ・読書活動は生涯学習の一環であるとの視点に立ち、 今後も継続的に広報誌や「図書館だより」に良書の推 薦や新刊図書の紹介をすると共に、LHで図書室を利用 する機会を増やすこと等を通して、生徒の読書意識を 高めていく。 ・進路ガイダンス、進路オリエンテーション、就活・進学 ガイダンス等の企画やLH、個人面談、「進路指導カー ド」の利用等を通して、入学時より自己理解を深めさ せ、働く意義や卒業後の生き方等を考えさせる。 ・多様な生徒に対応するため、外部機関との連携を更 に密にし、進路実現のための指導をすすめる。 ・教職員がキャリア教育に関する研修を継続して受講 することで、生徒の進路実現を支援する具体的な方策 を学ぶ機会にする。 ・生徒が気軽に入室できるような相談室の雰囲気作り、 経営に努める。そのために、相談環境の充実策の一つ として相談室の拡張を図り、個人面談室を設ける。 ・今後もスクールカウンセラーやスクールソーシャル ワーカーと協力し面談を行うと共に、「保護者のつどい」 の回数の増加と内容の充実に努める。 ・悩みがあっても相談室に来られない生徒が利用しや すくなるよう、LHに出向いたり、担任会に参加したりし て相談室につなげる工夫をしたい。 ・次年度は、より通信制の生徒の状況に添った教職員 研修を開きたい。特に通信制であっても登校できない生 徒、長期に引きこもっている生徒についてどう捉え、どう 支援していくかについて考える研修会を開きたい。 ・研修内容によっては、教職員研修会に保護者も参加 できる機会も考えたい。
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