Physics クーロンの法則 Introduction 電気回路について学習する前に、点電荷による電場について学習する。式のまとめは必見 §1. An electric field and power 点電荷によって電場が生じる。電場の向きは正電荷から出ていく方向であり、大きさは以下の式で表される。 また電場が生じている中に点電荷を置くと、斥力もしくは引力が働く。 ※ベクトル和で表記されることに注意。Q は電気量を表し、電気素量 e(=1.6×10-19 [C/個])の整数倍となる。 𝑬= 𝒌𝑸 𝒓𝟐 [𝐍/𝐂] 𝒒𝑸 𝑭 = 𝒌 𝒓𝟐 [N] ※k = 𝟏 𝟒𝝅𝜺 ≒ 9.0×109 [N・m2/C2] εは誘電率 Example ガラス棒を布でこすると 1.2×10-9C の電気量を持った。この時何個の電子が布に移動したか? 1 個の電子が持つ電気量は-1.6×10-19 [C/個]のため 1.2×10-9/1.6×10-19 =7.5×109[個]の電子が布に移動した。 §2. Electric line of force 正電荷が動く向きを表したものを電気力線と呼ぶ。接線の向きが電場の向きを表す。交わったり枝分かれしない。 電気力線は電場の大きさを表す役目がある。電場の強さが E[N/C]の場所では、1m2 当たり E 本の電気力線が垂 直に貫くと約束されている。言い換えると、電場の強さは単位面積当たりの本数に等しい。 Example 電気量 Q[C]の点電荷から出る電気力線の総和 N はいくつか? 点電荷を中心とする半径 r[m]の球面を考えると、そこでの電場は E=kQ/r2 これは 1m2 あたりの電気力線の本数 でもある。したがって N=kQ/r2×4πr2 = 4πkQ = Q/ε[本]となる。ガウスの法則 Example 点 O を中心とする半径 a の球面上に正電荷が一様に分布している。全体では+Q になっている。O から離れた位 置の電場の大きさはいくつか? 電気力線は O を中心として放射状に出ていく。その総本数は 4πkQ[本]である。O を中心とする半径 r の球面上 での電場の強さを E とすると、E は単位面積当たりの電気力線の本数のため E=4πkQ/4πr2=kQ/r2 これは§1 で紹介した電場の大きさに等しくなっている。(閉曲面の取り方は任意である。球や円柱の場合が多い) §3. Electric potential 電位とは+1C がもつ位置エネルギーと解釈すること。力学の位置エネルギーでは、重力のする仕事=mgh とした ように、電位においても(+1C について静電気力のする仕事)=(電位)となる。一般化するために q[C]のもつ位置 エネルギーU[J]は U=qV と表記される。q も V も符号付で代入するため、V がマイナスになることもある。また V=U/q なので V の単位は[J/Q]これを[V]と表す。Example 電気量が 2 倍になれば位置エネルギーも 2 倍 力学では位置エネルギーの基準点を地表にすることが多いが、静電気力による位置エネルギーは無限遠点。もし くは、電位 0V(アース)の点をとる。V の値が大きいほど、その電荷は高い場所にある。と解釈しても可 Physics クーロンの法則 力学的エネルギー保存則の拡張として 1 2 𝑚𝑣 2 + 𝑞𝑉 + 𝑚𝑔ℎ = 一定 が成立する。 Example A,B 間の電位差が 10V のとき、+1.6×10-19[C]を点 B から電位の高い点 A まで運ぶのに必要な仕事は何[J]か? 1.6×10-19×10=1.6×10-18[J]必要。また、この仕事によって電荷の位置エネルギーが増えた。ともいえる。また、 A の電位が高く B の電位が低いので、A→B に電位が移動した場合は、電場(静電気力)のした仕事となる。力学 同様、仕事は経路によらない。仕事は A,B の 2 点の場所のみによって定まる物理量。2 点の電位差を電圧と呼ぶ。 §4. The same electric field 電場の向きと大きさが一定の一様な電場において、当然 V=Ed[V]が成り立つ。 基準点より下では、電位も負になる。電場に対して垂直に電荷を動かしても 仕事は 0[V]の為、垂直な面では電位は変わらない。電場の向きは高電位から 低電位になる。 電場の強さ E = V/d [V/m]=[N/C] ある 2 点の電位差 V = E(d-x) [V] 静電気力 F = qE [N] ※グラフの傾きも電場の強さを表す。 Example x=A の場所から電荷+q を帯びた質量 m の物体を静かに話した場合、x=-2A を物体が通過するときの速さは? 電位はそれぞれ EA,-2EA となるので、§3.より 0+qEA=運動エネルギー+(-2qEA)から速度を求める。 §5. Electric potential of the point charge 点電荷による電位はやはり、高さとしてとらえた方が分かりやすい。無限遠を基準に した場合は、点電荷から距離が近いほうが電位は高くなる。と直感的にイメージしや すいと思う。したがって V=kQ/r [V] , U=kqQ/r [J]という式が成り立つ。 §6. Summary of this unit ⅰ.電気力線と等電位面は直交する。また、電場の向きは高電位→低電位である。 ⅱ.(外力の仕事)=(位置エネルギーの変化)また、(静電気力による仕事)=-(外力の仕事) ⅲ.電場の重ね合わせはスカラー和、電位の重ね合わせはスカラー和 ⅳ.電位差と距離のグラフは傾きが電場の強さ。電位と距離のグラフは接線の傾きの絶対値が電場の強さを表す。 ⅴ.式のまとめ 全ての電場 静電気力 F=qE[N] 位置エネルギーU=qV[J] ※V は電位 静電気力による仕事 W=qV[J] ※V は電位差 一様な電場 V=Ed[V] ※V は電位差 →×q により静電気力がした仕事 W=Fd[J] ※経路によらない 点電荷の周りの電場 E=kQ/r2 [N/C] →×q により静電気力 F=kqQ/r2 V=kQ/r ※V は電位 →×q により静電気力による位置エネルギーU=kqQ/r
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