Muroran-IT Academic Resources Archive Title Author(s) Citation Issue Date URL 物体形状のキャビテーション発生に及ぼす影響について (第3報) 奥田, 教海; 海鉾, 武司; 早川, 道雄; 一場, 久美 室蘭工業大学研究報告.理工編 Vol.7 No.1, pp.281-285, 1970 1970-07-15 http://hdl.handle.net/10258/3507 Rights Type Journal Article See also Muroran-IT Academic Resources Archive Copyright Policy Muroran Institute of Technology 物体形状のキャピテーション発生に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 第 3報 奥田教海・海鉾武司 早川道雄・一場久美 O n the Effects of Submerged Body Shapes on Cavitation Occurrence Part 3 . Kyokai Okuda,Takeshi Kaihoko,Michio Hayakawa and Hisayoshi Ichiba Abstract The a u t h o r sp r e s e n tt h ee x p e r i m e n t a lr e s u l t so fc a v i t a t i o n aboutt h esymmetrical b l s e c t o r h y d r o f o i l s,o fwhicht h i c k n e s sr a t i o sa r e0 . 1 3 3 0. 4 5 3 . 0 Theexperimentsa r ec a r r i e do u t ont h et e s tc o n d i t i o no f7 1 2m/sec丑owv e l o c i t i e sand001 2 a t t a c ka n g l e s . Themainr e s u l t so ft h eexperimentsa r ea sf o l l o w s : a ) The i n c i p i e n tc a v i t a t i o nf a c t o r sK a r ealways l a r g e rthant h et h e o r e t i c a lminimump r e s s u r ec o e f f i c i e n t sCpmin・ b ) Thef o l l o w i n gexperimentalformulai sv a r i 五e d: 包 2, K.= Cpmin十 AjV whereA i st h ec o n s t a n tand V i st h ef l o wv e l o c i t y . a n g l ebetweenl e a d i n gedg巴 t a n g e n tandf l o wd i r e c t i o n )a s c ) S e l e c t i n ga t t a c ka n g l ea ands( h ewholet 巴s tdiagramaboutK andαareo b t a i n e d t h et e s tparameters,t 包 I.まえがき 同題名の第 2報に引き続き,本報告では一連の対称円弧翼を供試物体とし,それらの形状 がキャピテーション発生に及ぼす影響について調べた結果を報告する。 1 1 . 実験装置および方法 2・ 1 実験装置および方法 ,2報に詳述しであるので,ここでは省略する。 第1 2・ 2 供試物体 弦長が総て等しく厚さの異なる 5種のレンズ状物体を使用した。これを「対称円弧翼J と 1の通りである。材質は強度,耐腐蝕性に優れた SUS-28,3 2を 名づける。詳細な寸法は図( 2 8 1 ) 282 奥田教海・海鉾武可・早川道雄・一場久美 使用している。 2・3 翼表面の圧力分布の測定 ,厚さ 2 9. 4m mの対称円弧翼(厚弦比が 0 . 2 9 4で供試翼 No.3に対応している。) 弦長 100mm を用いて翼表面の圧力分布を測定し, NO.3翼と対比することとした。 本 実 験 は 迎 え 角 α=00 -100,流速1/0 = 7-12m/secの範囲で行なった。 このときキ ヤピテーションの初生が観察されるのは凶 2 に示した 3個所であるが,測定に際しては 1 r β。 T ; ; β。 ゾβ s / L/ 1 6 9 . 3 20 . 1 3 33 N o . l7 57 01 4 ろJ1 / 5 . 20 ( 8 72 0 3 . 9 21 . 7 70 2 3 5 1 5/ 4( . 1 50 N o . 27 . 3 50 3 6 4 1 52 26 9 . 4 3270 2 ' 守5 1 N o . 37 0 4 0 0 /45 0 4 3 4 No . 4 75 30 5 4 . 4 456 4 5 31 . 3 30 .5 8 . 80 4 2 9 .守 4 N O . 57 53 44 翼名正? し 7 IU. 実験結果および考察 との 2みに注目しヲ 1を背面型, 2を先端型と 名ずけた。なお以下に使用する初生キャピテ ーション係数 Kiの定義は次の通りである。 L 二平二主" ~-PV2 ただし 図-1 P,1/: 初生時における近寄り流れの 静庄,流速 己 ; え 二二〉 ρr,ρ. その時の水温に相当する水の ~〆』 、 、 〆 ( j オ も の 蒸気圧,密度 方 1 古 1 3・1 迎え角 00 の場合 3・ 1・ 1 総圧の影響 ~ 回流水槽の総圧 P, を一定に保ち,流速 匂~込 図-2 の変化のみによって静圧を低下させたとき各 1 2 供試翼がどの流速でキャピテーションを発生 この場合のキャビテーションは背面型のみで、 うと V との問にはほぼ直線的な関係 ある。 1 AU V (切) するかについて調べた。それを図 3に示す。 が成り立つ。 8 3・ 1・ 2 流速の影響 4 流速の変化が Kiに 及 ぼ す 効 果 を 図に示す。流速が増すにつれ Kけまわず、かに減 05 の範囲ではほぼ一定値を示 少し RL>7x1 6 0 .4 a8 12 図-3 ( 2 8 2 ) / . 6 総丘凡f や / 仰 の 第 3報 物体形状のキャピテージョン発生に及ぼす影響について す。 その値と理論最小圧力係数 Cp皿 III と比較すれば : , , / J ; ふ ム ν である。 下表の通りである。 ただし RL=VL/ 〈 0. 4 5 0 . 6 5 1 .0 0 1. 4 0 1 .60 Cpmin 0 . 3 8 0 . 5 4 0 . 8 9 1 . 2 5 1 .4 3 包 J4 恐悼会一一企ん1 0 . 5 ー~-事f・'*一一企 No. 1 No.2 No.3 No.4 No.5 K 283 。。 川 つ4 ;;--..__日叩一…- N口 ゴ 3・ 1・ 3 各種寸法の影響 厚弦比: Kiと T/Lの 関 係 を 示 し た の が 国 5 ~・・-・ ~-"'-No? O:L~ ..~ ん 1 0 . 1 5 左である。両者はほぼ比例して変化する。 1 )1 曲率半径 図 ~4 Kiに 及 ぼ す 翼 表 面 の 曲 率 の 効 果 を 図5右に示した。 Kiと曲率半径 f との間には双曲線的な関係が成り立つ。ただし r oは規準値 で弦長 L を直径とする円の半径である。 3・1・4 Kl・ L/Tお よ び K i 'r / r o , 上述の結果から K . L/T ,Kρ r /7"oなる無次元変数はほぼ一定になることが予想される。 可変数によって, 図 4に見られる翼厚さの違いによる K乞の差はほとん そ れ を 図 6に示す。 i 一 一 寸 一 一 一 一 「 1 口 │一一一 一ー / 2 , ←--~ Q3 T , jし [背面翌1 ) g 02 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 01 日5 : (青函豆; J 、 、 、、 、 、 口5 1 ﹁↑一一一 し 、 、 、 、、 、 、 、 、、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、、 ¥ 、 、 、、 i留曹 ノ f ハ 仏 、 、 九 白 白 ﹁Ilti 、 、 、t 、 、 fqu i J ( iI 一 三 一 一 2 Q c Q4 J r / ; 図 7 図 5 . . . . L . . ・ .~ . . : .. _ , r可司市:,.-...,;-" 6 グ 8 F' 5 iQJ 4 7IlllJlolli--P .~...:..,:. l ~ !(i=[p, 制十手 fJHL よ 」 二 J lNベーι~4 RL x 1 ρ ,す i I 3 。 . . 2 . _ 05050 v印 14η ノ knLJ'れ ず ん μむ よ 4 め らm ト い-2 f ¥ 吋1 1 長-----<1,-/I 2 l z問 j J 1 _ 4J 日 4 5 6 7 8 守 10 RLX!O-S γ ( J C T / i f j fLA3 図 8 図 6 ( 2 8 3 ) 284 奥田教海・海鉾武司・早川道雄・一場久美 どなくなっている。 O i- 3・1・5 翼表面圧力分布との関係 }圧力分布測定実験で得られた最小圧力係数 C p m i n, その理論値および No.3の翼の K乞とをプロットした の が 図 7で あ る 。 そ れ ら は か な り 近 い 値 を 示 し て o~ ι│ J :N o . /! , ノ ぐ/zwj 2 .0 ト 芹:OJ]' ! l 3・ 1・ 6 Kiに関する実験式 〉〆 / N 0 3! 斗:, / _ / A |品~ いる。 ペ 拙1ラ メ / ' ). OL ーでと一一一一一一一一ーム一一----_--2 4c {6 f 図-9 kd=CpmiJjL ただし A は定数とする, 々叶~判記o:-l なる式を想定し,実験結果と比較した。 A の値を ' l l l l l l l l l l z z z ; 回 四ENa516¥ ~'i No.3,V二1.0m/secの 時 の 実 験 値 か ら 求 め た と こ ろ 13となり,それによって描いた曲線と実験値とは図 -8 に示すように,かなりよい一致を示すことがわかった。 ~十志守 I伏吋~jÎ#ð~品川 弓 3・ 2・ 1 迎え角の影響 4 ヲ ¥ i i i l l i j d 2 =緬型 幽 2 幽 05~一一-'----' 3・2 迎え角を変化させた場合 No.4JO'O'i 間 同 市F 5 6 5 R L孔 1 0 - 7 ザ C" 1 1 I q 図-10 迎え角 α の違いによる発生キャビテーションの 型は各供試翼について次の通りである。 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 背面型 0 00_2 0_3 0_8 00_100 00_100 先端型 3 以上 40 以上 0 9 ,100 なし なし 0 0 0 0 0 日の変化が KiVこ 及 ぼ す 影 響 を 調 べ た の が 図 9であ る。先端型は α の変化により大きく変わるが,背面型 はほとんど影響されない。 これは第一報において述べ た欠円翼の場合とほぼ同様の傾向を示している。 3・ 2・ 3 流速の影響 各翼に対し流速の影響を調べたのが図 10である。背面型の場合は迎え角。。のときと同じ 傾向を有するが,先端型では流速の影響が見られない。(図において No.1 ,No.2翼の先端型の データは省略した。) 3・ 2・ 3 Kiと s α との関係 翼先端の接線が近寄り流れに対してなす角 s α を用いてまとめたのが図 1 1である。この 図の曲線で水平に近い線は背面型, 垂直に近い線は先端型を示す。 この図によって実験結果を 総括的にながめることがで、きる。 ( 2 8 4 ) 物体形状のキャビテーション発生に及ぼす影響について 第 3報 2 8 5 I V . む す び 以上,対称円弧翼形状のキャビテーション発生に及ぼす影響を調べた結果を下記のように まとめることができる。 0 迎え角 0 の場合, 1 ) 総庄一定の下で,キャビテーションを発生せずに達し得る速度は総圧九にぼほ比例 する。 2 ) 初生キャピテーション係数 K乞は流速が増すにつれてわず、かに減少する。 3 ) K乞は 5種の翼すべてにおいて,理論最小圧力係数 Cpmin よりも常に大である。 4 ) K;.L/T ,K i . r / r Oなる無次元量は翼厚さによらずほぼ一定となる。 5 ) Kiに関して次の実験式が適用できる。 Ki= Cpmin十 ただし j L Cpmin: 理論値 , A: 定数 次に迎え角を変化させた場合については, 6 ) 迎え角 α の違いにより, 2種の異なる型のキャビテーションが発生する。 7 ) 先端型の Kiは α により大きく変化するが,背面型の Kiはほとんど変らない。 8 ) sα を変数にとると ,Ki と α との関係について総括的な線図が得られる。 5年 5月 2 0日受理) (昭和 4 文 献 1 ) J 8 5 3 9 8( .Wislicenus: T r a n s . ASME,83,p .W. Holl,G.F p .3 1 9 6 1 ) . . : Trans.ASME,7 p .5 1 9 5 5 ) tal 3 3 5 4 1( R .W.Kermeene 7,p r a n s . ASME 3 1 5 1 3 2 4( . Knapp: T p .1 1 9 5 8 ) R .T ,80,p 4 1 9 4 6( J .W.Holl: Trans.ASME,8 2,p p .9 1 9 6 0 ) . 5 3 7 ),1 6 2 2 . 沼知福三郎: 日本機械学会誌, 6 6,( 2 ) 3 ) 4 ) 5 ) 1 7 7 ) 6 ) 沼知福三郎: 東北大学高速力学研究所報告, 1 8,( ,147-160等. ( 2 8 5 )
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