SC通信2014年8月号 - 株式会社エスクリエイト|愛知県名古屋市の

2014 年 8
3 月5
3 日発行
2014
2014年
年83 月号号
発行
株式会社 エスクリエイト
名古屋市中区錦一丁目 4 番 16 号 日銀前 KD ビル 4 階
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FAX:052-222-3699
URL:http://screate-soft.co.jp/
担当:コンサルタント 石垣 智博
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コンピューターウイルスの猛威も止まない
とても怖いウイルスですね。(ウイルスはほとんど怖いで
すが・・・)コンピューターウイルスの猛威は止みそうにあ
最近世間では B 社の情報漏洩事件が話題になっていますが、
りません。
コンピューターウイルスについてもニュースになりました。
それは「身代金要求型ウイルス」です。以下、NHKWeb ニュー
ス「『身代金要求型』ウイルス 被害広がる」(7 月 30 日 15 時
53 分)より紹介します。
(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140730/k10013406421000.html)
パソコンのデータを勝手に暗号化して読めなくし、解除するため
の金の支払いを求めてくる「身代金要求型」と呼ばれるコンピュー
ターウイルスの被害が広がっているとして、セキュリティー会社が
注意を呼びかけています。
この「身代金要求型」のコンピューターウイルスは、感染すると
パソコンの中の文書やメールなどが暗号化されて読めなくなりま
す。
そして、このような状況の中でもリスクにさらされている
パソコンがまだまだ多いようです。
日経コンピュータ 1014.7.24 号の Data&Data(P106)によれ
ば、「2014 年4月時点で WindowsXP から新 OS への移行を完
了している割合は、半数以下の 47.6%であることが明らかに
なった。」と掲載されています。その主だった理由として「業
務システムが XP 以外の OS では動かない」「OS の刷新に必要
な費用が捻出できない」ということです。
頭では OS を変えなければならないことは分かっていると
思います。前述の理由により対応しかねているのです。よっ
て、ある程度リスクを受け入れて利用しているといえます。
(様々な種類のコンピューターウイルスが猛威をふるってい
その後、パソコンには「金を支払えば暗号を解除する」というメ
ッセージが表示されますが、仮に支払ったとしても暗号は解除され
ないことが多いということです。
こうしたウイルスは、セキュリティー会社のトレンドマイクロが
検知しただけで、ことし6月までの半年間に4500余りに上ると
いうことで、感染被害も広がっているということです。
このウイルスには、メールに添付された不審なファイルを開いた
り、改ざんされたホームページを閲覧したことなどにより感染して
いたということで、セキュリティー会社は、ウイルス対策ソフトの
導入や、パソコンのソフトを最新にすることを呼びかけています。
トレンドマイクロの鰆目順介シニアスペシャリストは、「大事な
ファイルを暗号化してしまうやっかいなウイルスで、感染したあと、
データを復旧させるのは難しい。感染を防ぐため、事前にしっかり
対策することが大切だ」と話しています。
てもです。)
そのリスク(ハイリスクですが)に見合うリターンが得られ
なくなったら、
新たなリターンを視野に OS を刷新することが
必要でしょう。記事にも「単なる PC の入れ替えで捉えている
と予算確保が難しい(中略)PC の入れ替えは、売り上げ増加
やコスト削減などのプラス効果が見込めるソリューション提
案の1要素として、
位置付けるべきだ」
と提言されています。
ただ、
ウイルスによって暗号化されても対処できるように、
安全なサーバーでバックアップを継続的に取っていくことは
最低限必要な対策です。(OS が古かろうが、新しかろうがで
す。)
最新パッチをあてるなど PC のメンテナンスや情報セキュ
リティリテラシーの向上に関する施策(教育・運用など)は
継続的に取り組んでいくことも重要です。「変なサイトは閲
わらず、給与等が支払えず消費者金融から借金。
覧しない」「怪しい添付ファイルは開かない」です。
(貸借対照表の理解)
2人目:アニメグッズ販売をする上場企業のオタク社長
「本は考える為のサプリメント」(その 40)
競争激化で価格競争になり値下げを断行。直営店の業績
が悪化し株価が急落。
今月紹介する書籍は、実用的な小説です。本の帯には「こ
(損益計算書の活用)
れまでにない、笑いと涙の実用会計ノベル」と記載されてい
ます。
3人目:買収した子会社へ出向した経理担当者
運転資金がみるみる無くなっていく。
長年の粉飾が発覚。
事故死した会計コンサルタントである主人公(北条)が、現
(キャッシュフロー計算書の分析)
世に戻る(生き返る)ために与えられた課題をクリアしていく
というストーリー。課題は「5名(経営者・部長・経理担当
4人目:大手専門商社の営業部部長
者・・・)を会計のノウハウで幸せにする」というものです。
経験重視、売上高重視だけの部門運営の恐ろしい未来。
(幸せにできなければ、地獄へと送られます。)
(部署内の損益計算書(限界利益など)の活用)
会計が知りたいのなら、会計の専門書を読めばいいのじゃ
5人目:3つの事業を営む青年実業家
ない?と思うかもしれません。しかし、小説には小説の良さ
多角化経営によりリスク分散したつもりが、資金繰りが
があります。
悪化。さらに資金不足による悪循環が・・・。
(セグメント別決算書の重要性)
・敷居が低くなる。会計が苦手な方・これから会計を勉強
するという方が会計に触れるきっかけとなる。
この様に、様々な事例(物語)と会計が組み合わさったスト
ーリーが展開していきます。
・会計的なテクニックだけでなく、会計データの活用方法
(経営戦略・営業戦略へのつながりなど)が分かる。会計
はてさて、主人公の北条は5人を幸せに導くことができた
のでしょうか?
データを分析しただけでは物語とならないから。
・さらに、利用方法が具体化されているので、自社の状況
編集後記
に置き換えて考えることも可能。
・楽しく読めて勉強になる。純粋に楽しむだけも可能。
本書に記載されている会計は基本的なことだと思います。
しかし、基本的なことを実践することで業務を改善し会社を
良くすることが可能だと感じることができます。
◆今月号では先月号で少しだけ紹介した「クラウドファン
ディング」を考察しようかと考えていたのですが、気になる
ニュース(情報漏えい・身代金要求型ウイルス)が飛び込んで
きたのでそれを紹介することにしました。
身代金要求型ウイルスはランサムウエアとも呼ばれます。
ファイルばかりでなくパソコンを人質にとるものもあるよう
会計の目的は計算して決算書や申告書を作成するだけでは
です。
なく、会計データを経営に活かす大切さを本書から再確認さ
せられました。勉強にもなりましたし、もちろん物語として
も面白い書籍です。
◆今回紹介した会計・法律系小説や経済小説といったジャ
ンルの小説は好んで読みます。勉強になりそして面白いから
です。
(もちろん、推理小説や歴史物なども読みますが・・・)
「会計天国」(竹内 謙礼/青木 寿幸 著)
物語の中では、以下の事例を検討していきます。
1人目:アパレル会社社長(元アイドル)
儲かっているのだが資金繰りが悪化。黒字であるにも関
2013 年8 月号で紹介した
「ラストワンマイル(楡 周平著)」
も同じジャンルになります。
最近では「海賊とよばれた男(百田 尚樹 著)」がヒットし
ていますね。
この分野の書籍も、どんどん紹介したいと思います。
暑い日が続きます。ご自愛ください。(石)