画像処理とフーリエ変換 練習問題 No. 3 (β版) 桂田 祐史 katurada AT meiji.ac.jp http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/fourier/ 2015 年 1 月 16 日 基本的に授業でやったことで、講義ノートに書いてあるものも多いです。次週までにデジタル・フィ ルターの問題を追加するかもしれません (追加次第 WWW に載せて、Oh-o! Meiji で通知します)。 Fourier 変換 問 26. 都合の良い仮定 (関数の微分可能性、出て来る積分の収束や、微分と積分の順序交換、部分積 分など) をおいて、以下の性質を示せ。 (1) F[f1 + f2 ] = Ff1 + Ff2 , F[λf ] = λFf . (2) Ff (ξ) = F ∗ f (−ξ), F ∗ f (x) = Ff (−x). (3) a ̸= 0 とするとき F [f (ax)] (ξ) = ( ) 1 Ff aξ . |a| (4) a ∈ R とするとき F [f (x − a)] (ξ) = e−iaξ Ff (ξ). [ ] (5) F f (x)eiax (ξ) = Ff (ξ − a). (6) F [f ′ (x)] (ξ) = (iξ)Ff (ξ). (7) d Ff (ξ) = −iF [xf (x)] (ξ). dξ ∫ ∞ e−3x dx の値と、e−3x の Fourier 変換を求めよ。 −∞ 1 (|x| < 3) 1 −3|x| (2) Fourier 変換を求めよ。(i) e (ii) 2 (iii) f (x) = sec 6 x +9 0 (|x| > 3) 問 27. (宿題) (1) 2 2 (iv) sin(3x) 3x (以上は、一般的な形の公式を授業で与えたが、それを覚えて、それに当てはめて解答しても、期末 試験で評価しない。自分で式を導出できるようになっておくこと。(2) は順に解答すると、それほど難 しくないはず。Ff (ξ) = F ∗ f (−ξ) は使って良い。) 離散 Fourier 変換 問 28. N ∈ N に対して、ω := e2πi/N とおくとき、以下の (1), (2), (3) が成り立つことを示せ。 (1) ω N = 1. (2) m ∈ N, 1 ≤ m ≤ N − 1 ならば ω m ̸= 1. { N −1 ∑ N (m ≡ 0 (mod N )) mj (3) ω = 0 (それ以外) j=0 1 問 29. N ∈ N に対して、 ω = e2πi/N , ω −0·0 ω −1·0 ω −2·0 .. . ω −0·1 ω −1·1 ω −2·1 .. . 1 ( −(n−1)(j−1) ) 1 W = ω = N N ω −(N −1)·0 ω −(N −1)·1 · · · U= √ ω −0·(N −1) ω −1·(N −1) ω −2·(N −1) .. . ··· ··· ··· .. . , ω −(N −1)·(N −1) NW とおくと、U は対称なユニタリ行列であることを示せ。また W −1 の成分を求めよ。 問 30. f : R → C は周期 2π の周期関数であるとき、N ∈ N に対して、 h := 2π , N ω := eih = e2πi/N , とおく。n ∈ Z に対して 1 cn = 2π を F (x) := ∫ xj = jh, 2π fj := f (xj ) (j ∈ Z) f (x)e−inx dx 0 1 f (x)e−inx に関する台形則 2π N −1 ∑ 1 1 F (x0 ) + F (xj ) + F (xN ) h 2 2 j=1 で近似すると N −1 1 ∑ fj ω −nj N j=0 となることを示せ。(これを授業では Cn と書いたけれど、板書では cn と紛らわしいので、あまり良 くなかったかもしれない。今更仕方がないので、今年度はこれで押し通す。) 問 31. あって 2m+1 が (宿題) 周期 T の関数 f が有限 Fourier 級数で定義できる、つまり {cn }m n=−m ∈ C f (t) = m ∑ 2π cn ein T t (t ∈ R) n=−m −1 とする。このとき、ある N ∈ N が存在し、N 項離散 Fourier 変換 {Cn }N n=0 は Cn = cn (0 ≤ n ≤ m), CN −n = c−n (1 ≤ n ≤ m), Cn = 0 (m < n < N − m) を満たすことを示せ。(つまり有限 Fourier 級数に対しては、離散 Fourier 変換で求めた係数は誤差が 無く、もとの関数が完全に再生できる。) 離散時間 Fourier 変換 結果が周期 2π の関数になることと、反転公式くらいは押さえておこう。実質的に Fourier 級数の裏 返しである。 2 問 32. f: Z→C が ∞ ∑ |f (n)| < ∞ n=−∞ を満たすとき ∞ ∑ fb(ω) := f (n)e−inω (ω ∈ R) n=−∞ が収束し、ω について周期 2π の関数となることを示せ。さらに ∫ π 1 fb(ω)einw dω (n ∈ Z) f (n) = 2π −π が成り立つことを示せ。 サンプリング定理 (狙っているのだけど、問題が思いつかないな…) 畳み込み 問 33. ∫ R 上定義された関数の畳み込み f ∗ g(x) = ∞ −∞ f (x − y)g(y) dy (x ∈ R) について、適当な仮 定をおいて (あるいは積分の収束の条件などはとりあえず放置して)、以下の公式を示せ。 (1) (f1 + f2 ) ∗ g = (f1 ∗ g) + (f2 ∗ g), (λf ) ∗ g = λ(f ∗ g). (2) f ∗ g = g ∗ f . (3) (f ∗ g) ∗ h = f ∗ (g ∗ h). (4) (f ∗ g)′ = f ′ ∗ g. 問 34. 次の各場合に F[f ∗ g] を計算して、Ff Fg の定数倍であることを示せ。 (1) f : R → C, g : R → C で、 ∫ f ∗ g(x) = ∞ −∞ また F が普通の Fourier 変換、すなわち 1 Ff (ξ) = √ 2π f (x − y)g(y) dy ∫ ∞ f (x)e−ixξ dx −∞ (x ∈ R), (ξ ∈ R) である場合 (2) f : R → C, g : R → C が周期 2π の周期関数で、 ∫ π 1 f ∗ g(x) = f (x − y)g(y)dy 2π −π また F が Fourier 係数を対応させる写像、すなわち ∫ π 1 Ff (n) = f (x)e−inx dx 2π −π である場合 3 (x ∈ R), (n ∈ Z) (3) f : Z → C, g : Z → C が周期 N の周期数列で、 f ∗ g(n) = N −1 ∑ f (n − k)g(k) (n ∈ Z), k=0 また F が (N 項) 離散 Fourier 変換、すなわち Ff (n) = N −1 1 ∑ f (j)ω −nj N (n ∈ Z), ω = e2πi/N j=0 である場合 (4) f : Z → C, g : Z → C が数列で、 ∞ ∑ f ∗ g(n) = f (n − k)g(k) (n ∈ Z), k=−∞ また F が離散時間 Fourier 変換、すなわち Ff (ω) = ∞ ∑ f (n)e−inω n=−∞ である場合 4 (ω ∈ R)
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