購買サポートが売店売上を左右する

IK G の旅 館経営 再生 塾
第 1 5 9回
購 買 サポ ートが 売店売上を左右 す る
㈱飯島綜研
代表取締役社長
孫田
猛
売店が売れない、という相談をよく受ける。確かに顧客のサイフの紐が固くなった
こ ともある が、どう みても これじゃ あ売れな いな、と いうケー スが多 い。
そ れは 商 品 構 成や レイ ア ウ ト、 個数 、 搬入等 す べ て 業 者任 せ で、 実 質旅 館 は場 所貸
しに徹しているからである。今時、客に対して何のアプローチもせずに、ものが売れ
る はずがな い。
そもそも顧客はどんな目的で土産を買っていくのか? これをカテゴリー別で分類し
てみると、第一に自分自身がほしいと思ったもの。これは帰路あるいは旅の途中で消
費するものと、 買って帰るものがある。第二に職場や近所への土産、いわば義理土産
で あり、消 極的買い 物であ る。第三 に親しい 人へのプ レゼント である 。
仮にこの切り口で店内のゾーニングをする、あるいは同じ 商品でもこのカテゴリー
を顧客にわかりやすく示すとどうなるか?迷っている顧客に対し、購入の手助けをし
て あげるの である。
本来はスタッフが顧客一人ひとりにサポートをするのが理想だが、時間帯によって
顧 客 が 集 中 す る 旅 館 の 売 店 で は そ れ は ち ょ っ と 無 理 。そ こ で P O P が 威 力 を 発 揮 す る 。
それぞれの商品が先ほどのカテゴリーのどれに向いているのか?それはなぜか?スタ
ッ フが体験 しそれを メッセ ージとし て伝えて いるか? これらが ポイン トだ。
館内であらかじめ試食したものや、茶付けで出た菓子が売れるのは、客が自ら体験
し、納得したからこそ買うのである。だから、館内での事前体験から消費へと結びつ
け るプロセ スを、特 に売り たい商品 について は仕掛け ていく必 要があ る。
また、老人客に特化した東北のある旅館では、宅配サービスのコーナーを売店より
も目立たせ、梱包するスタッフの人数を数名確保することにより、売店売上を大幅に
増 やしてい る。
いずれも売店商品そのものというよりは、顧客の心理状態を巧みに察し、購買のお
手 伝いをし ていると ころが 功を奏し ている。
宿 泊単 価 が 低 いと 認識 し て いる とこ ろ は、 何と か し て 二次 消 費ア ッ プ の 対 策を 実 践
していく必要がある。それなのに、低単価の顧客は付帯売上は上がらないものと、決
め 付けては いないだ ろうか 。
http ;//ik- g.jp
e-mail:mago [email protected]