A-AMI 経絡測定 ~ポイント解説~

2014.08.07
A-AMI 経絡測定 ~ポイント解説~
 AMI:Apparatus for Measuring the function of the meridians and their corresponding Internal organs
 AMI は、本山博氏が発明した測定装置です。測定方式も意味していと思います。
 A-AMI: 本文著者(神谷)が試作したアナログ式 AMI 測定の仮称です。
 AMI では何を測定しているか。
※黒白原図は「気の科学」(下記#1)より引用
左図は人体皮膚の電気的な等価回路です。
青色・赤色丸印の抵抗と緑色丸印のコンデンサーに注目します。他の抵抗は小さいので無視します。
BP 値を決定しているのは、赤色丸印の抵抗です。
AMI では 3V の直流パルス電圧を印加します。
コンデンサーは電圧印加の瞬間には抵抗値=0 になるので、赤色丸印の抵抗に大きい電流が流れ徐々に低下します。
このときのピーク値が BP で、「経絡の虚実を反映している」電流値です。
青色の抵抗には、一定量の低い電流が流れ続けます。
緑色丸印ンデンサー電流がなくなったときの電流値が AP です。
AP値は、青丸と赤丸の 2 つの抵抗値を経由した電流値です。
青丸抵抗値≫赤丸抵抗なので、AP値は赤丸抵抗値にはほとんど左右されず、青丸抵抗値に対応した測定値になります。
緑色丸印コンデンサーの電気的容量が IQ 値に相当します。
-1-
 良導絡(ノイロメータ)との比較
良導絡では、BP も IQ も無視されます。
▽測定値が表すもの
・BP(体液循環機能)
「健康で体液がよく流れる人は、この数値が高くなります。病人や虚弱
な人は、体液の流れが悪いため、数値が低くなります。」
・AP(自律神経機能)
「汗腺や表皮の自律神経性の興奮レベルを示しています。感覚刺激や情緒刺激に敏感に反応します。」
・IQ(防衛機能)
「生体の恒常性機能の電気的表現であり、防衛機能の低下した人や老人では数値が低く、疾病初期や炎症を起こしたり、
アレルギー体質の人は数値が高くなります。」
※生命物理研究 創刊号(下記#6)「AMI の原理」より引用
 BPが経絡の虚実と考えられる根拠
古来から書物で伝承されるている経絡というものがあるとい
う仮定の元に、様々な実験で BP 値を測定すると、ほぼ伝承
書物どおりの現象が確認できる。
・1 つの経穴に針刺激を与えると、経絡の流注にそって、各
経穴に反応が現れる。
・反応点の移動速度は GSR より遅いので神経性でない。
・経絡の陰陽関係も相関が確認できる。
※以上「経絡-臓器機能測定について」(#3)、その他の実
験。
・原穴、募穴、兪穴など別々に刺激したとき、それぞれ特有
の反応が確認される。
その他、診断の指標となる多数の実験が報告されています。
※「東洋医学 気の流れの測定・診断と治療」(#2)
・健康人多数の BP 値を経絡別に平均すると、古典でいわれる通り、陰>陽になった。
※「東洋医学 気の流れの測定・診断と治療」(#2)より
-2-
 AMIの読み取りデータ処理方法
※「東洋医学 気の流れの測定・診断と治療」(#2)より
BP値は、高級な工業用測定器でも正確に実測することはできません。
AMI では、読み取り電流値をアナログ・デジタル(A/D)変換した後、電流低下の勾配からピーク値を推測しています。
AP値は、その時点のデジタル値です。
IQ値は、得られたデジタル値全体を積分しているそうです。
ピーク値の推測や積分処理を本体でやっているのか、パソコンでやっているのかは不明ですが、パソコンなら簡単です。
AMI 装置が高価になるのは、上記 A/D 変換処理のためです。
 経絡測定装置(A-AMI)の測定方法
私の試作装置では、アナログ回路で、BP値もAP値も読み取り、また波形を積分しています。とても簡単な回路です。
その代わり、読み取ったBP値が不正確になります。
しかし、このBP値は、前記図 4 のコンデンサーの容量が小さいほど低下します。コンデンサーの容量は、IQ 値として得られ
ます。
そこで、IQ 値に応じて読み取ったBP値をパソコン側で補正することにしました。
-3-
 A-AMIの信頼性
人体の代わりに、次のような電気回路を接続して実験してみました。
抵抗値とコンデンサーの容量とを段階的に変化させて、補正した BP 値と計算上の電流値との誤差から、読み取り精度を
グラフ化しました。
IQ 値(コンデンサーの容量)が一定値に対して、小さくなるほど、あるいは大きくなるほど、読み取り値が実際の電流値からず
れることになります。
しかし、臨床時の被検者では、正確な電流値が知りたいのではなく、井穴ごとの大小関係(経絡の虚実)が知りたい訳で
す。
1 人の被検者に注目すると、IQ 値が低い人は全体的に低く、高い人は全体的に高くなるのでしょう。
すると、仮に実際の電流値に対して大きな誤差があったとしても、井穴ごとの大小関係は余り誤差がないと考えられます。
従って、経絡の虚実は正しく相応に判定できることになります。
-4-
しかし、被検者 A さんと被検者 B さんとで、IQ 値の差が大きい場合、得られた BP 値は実際の電流値以上に大差が生じて
いることになります。
A-AMIでは、被検者間で測定値(μ A)自体を比較してもあまり意義がないと思われます。
チャートやグラフの変動パターンを重視してください。
【測定結果の事例】
 AMI装置広告から
※「生命物理研究 創刊号」(下記#6)内広告より
 自分自身(神谷)の測定事例
年に 1 回健診を受けていますが、2000 年に「心電図」検査で「ST 上昇 T 波割増 軽度の異常で心配なし」という診断が出
た後、毎年「経過観察」になります。
ときどき自分自身の測定をしますが、5 回に 3 回位、「心包-三焦」で陰陽の逆転現象が出ます。
-5-
【文献からの研究報告】
 冷え症のタイプについて
本人の自覚症状から「冷え症」と判断した 11 名についての報告です。
明確な共通点は腎経、肝経の BP 値が低いこと。
その他の特徴を合わせてタイプ分類すると、11 例中 7 例が分類できたとのこと。
※「AMI 検査による症例研究 冷え症のタイプ評価に関する予備的研究 東洋医学的自覚症状と AMI・BP 値の関連性の検
討」(#14)より
 BP 値で「元気度」評価の事例
老人保健施設の入居高齢者 102 名の BP 値を測定した報告があります。
-6-
年代別にみると、BP 値は 70 代まで年代別に低下したが、80 代から再び上昇し、80 代でピークになり、再び低下したという。
70 代で一旦低下したのは、「元気のない人はこの年代を迎えるまえに死亡したのではないか」という推測でした。
また、自律歩行者よりも、自律歩行できない歩行器歩行者の方がBP値が高かったのは、「観察していると、歩行器歩行者
の方が全身運動している」とのこと。
※「AMI 検査による症例研究 老人保健施設における高齢者の AMI 検査 客観的な高齢者元気度評価の試み」(文献#15)
 風邪のパターンについ
脈診と経絡治療を行っている先生のようです。
風邪患者が自覚症状を呈する前にパターンがあること、発症から
緩解までの経過にも特徴があることが報告されいます。
※「AMI 検査による症例研究 風邪のパターンをあらわした症例」
(文献#17)
-7-
 糖尿病患者の BP 値の特徴について
※「AMI 検査による症例研究 糖尿病患者の BP 値の特徴 BP 値の特徴による網膜合併症の検討」(文献#18)
-8-
 「虚」の経絡に対する本治法による施術の作用について
著者は過去に、「脈診と AMI の測定結果との間には、85.7%の相似性が確かめられた」という研究報告をされているそうです。
今回は、6 名の被検者に対して、10 回測定した結果から「虚」の経絡を判定し、本治法により該当経穴に鍼刺激した後、3 回
再測定する。
そして、測定値の変動をみたという。
例えば―
「被検者:M.Y.
コントロール測定での BP 値の変化は見られなかった。
・証:肺経虚証
・証に基づいた本治法:太淵、太白
本治法前後の BP 値の変動は、脾経をのぞく経絡に変動は認められなかった。特に、証である肺経の変動が一番大きかっ
た。
被検者:H.T.
コントロール測定での BP 値の変動は脾経において大きかった。他の経絡では変化が認められなかった。
・証:肝経虚証
・証に基づいた本治法:曲泉、太衝
本治法前後の BP 値の変動は、肝経・心経において、変動が認められた。特に証である肝経の変動が一番大きかった。」
コントロール測定では変動が少なく、本治法の後、「証の経絡は全例において変動率が増加した」そうです。
※「鍼灸診療の客観化 AMI を指標とした本治法による経絡機能の変動について」(#12)より
-9-
 AMI に関する参考図書 ・文献
書籍
タイトル
著者
発行
価格
#1
気の科学
本山 博
宗教心理出版
15,000 円
#2
東洋医学 気の流れの測定・診断と治療
〃
〃
10,500 円
#3
経絡-臓器機能測定について
〃
〃
6,090 円
#4
ヨーガの東西医学による研究
〃
〃
2,000 円
#5
AMIによる神経と経絡の研究
〃
〃
2,100 円
#6
生命物理研究 創刊号
〃
〃
1,940 円
#7
生命物理研究 2 号
〃
〃
2,140 円
#8
カルマと再生
〃
〃
2000 円
以下この文献情報は、公益社団法人 全日本鍼灸学会のサイト内に設置されている鍼灸文献データベースで「AMI」を検索
して得られた情報です。
文
献
#11
タイトル
著者
掲載雑誌名
経絡と分極前電流との関係
本山 博
全日本鍼灸学会
誌
巻
号
36
1
51
2
61
2
皆川宗徳; 石神龍代;
#12
鍼灸診療の客観化 AMI を指
堀 茂; 中村弘典; 山
標とした本治法による経絡機
田 耕; 河瀬美之; 服
能の変動について
部輝男; 絹田 章; 狩
全日本鍼灸学会
誌
野義広;
AMI 検査による症例研究 右
#13
突発性難聴患者の AMI 測定
値による検討 治療有効穴と
古賀義久; 松本勲
刺激優先順位の客観的検証
- 10 -
医道の日本
AMI 検査による症例研究 冷
#14
え症のタイプ評価に関する予
定方美恵子; 兵頭慶
備的研究 東洋医学的自覚症
子; 佐藤悦; 佐山光子;
状と AMI・BP 値の関連性の検
湊孝子; 定方昭夫
医道の日本
61
7
医道の日本
60
11
医道の日本
60
13
医道の日本
61
6
医道の日本
61
3
明治鍼灸医学
-
25
24
3-4
26
2
19
3
討
AMI 検査による症例研究 老
#15
人保健施設における高齢者の
AMI 検査 客観的な高齢者元
碧井猛
気度評価の試み
AMI 検査による症例研究 AMI
#16
の BP 値と圧脈波波高値に及
ぼす鍼刺激の効果 経絡虚実
の客観的評価の検討
AMI 検査による症例研究 風
#17
邪のパターンをあらわした症
例
宮島和嘉子; 篠原昭
二; 和辻直; 渡邉勝之;
北出利勝; 今井賢治
滝上晴祥; 貊昜ク頑匐
逾・
AMI 検査による症例研究 糖
#18
尿病患者の BP 値の特徴 BP
値の特徴による網膜合併症の
曽根幸喜
検討
#19
AMI の BP 値と圧脈波波高値
宮島和嘉子; 篠原昭
に及ぼす鍼刺激の効果に関
二; 和辻直; 渡邉勝之;
する検討
今井賢治; 北出利勝
慢性腰痛に対する AMI・プリケ
#20
アナディ「背骨測定法」を用い
竹内廣尚
た判定法による治療効果
AMI を用いた中医学的診断及
#21
び治療効果の客観的評価の
試み
#22
針灸によるパーキンソン氏病
東洋医学とペイン
クリニック
渡邉勝之; 篠原昭二;
東洋医学とペイン
北出利勝; 他
クリニック
東長人; 降矢英成
東洋医学とペイン
- 11 -
の歩行障害改善例について
クリニック
経絡臓器測定装置(AMI)を使
用した定量的解析の試み
#23
良導絡と AMI の併用による相
互補完
日本良導絡自律
本山玉城
(「正気の虚」と「邪気の実」に
本山正城
ついて)
#25
AMI 測定の BP 値が示す体質
と疾病傾向
鍼治療と敷マット治療器との
#26
併用による臨床的検討(その
2) 健常者で AMI を指標として
#27
皮膚インピーダンス(AMI)でみ
るうつの鍼灸治療
54
4
(0913-0977)
鍼灸治療における AMI 活用例
#24
神経学会雑誌
滝上晴祥
日本東方医学会
25
抄録集
回
日本東方医学会
26
抄録集
回
北出利勝; 林田一志;
日本鍼灸良導絡
篠原昭二; 他
医学会誌
滝上晴祥
- 12 -
23
日本東方医学会
27
抄録集
回
-
-
4
-