すべての「鍋」に 使える家庭用 “IH加熱ユニット”の 基礎研究と開発・継続

平成25年度 新プロジェクト創出コラボレーション促進事業成果報告
オーシングループ
株式会社オーシン
(IH厨房機器製造業)
住所
代表者名
藤田 剛
電話
ユニットの基礎研究と開発」
を継続して進め、家庭向けIH
加熱ユニットの製品化を目的とするものである。
■オーシンが開発中の業務用
“IH加熱プレート”
は、
陶器・石・
■結果
1)
冷めやすい安全構造の研究
放熱性を高めるため、耐熱樹脂の薄板を使った本体に、発熱体の金属板も放熱効率の高い薄板を使用、
プ
レス加工によって強度を高めた設計を行いテストした。
非鉄金属など、ほぼすべての材質の調理器が加熱できる
現在のデザインでは本体は強度が足りないことがわかった。最終製品にはリムを増やし強度を高める。発
領域まで開発が進んでおり、外食産業での導入実績も増
熱体は、2mmから1mm以下に変更し、冷めやすくコストを下げる形にした。
えている。この製品の性能を高めることで、一般家庭でも
使用できるIH加熱ユニットとして製品化する。
2)
耐水性および洗いやすさの研究
吹きこぼれの液体が、断熱材を濡らさずに発熱体の周囲を落ちる構造にした。発熱体を取り外すことで食
洗機での洗浄を可能にした。
事業内容
■以下の点において研究開発及び評価をおこなった。
1)
冷めやすい安全構造の研究
(強度があり、使用後は速
く冷める構造を研究する。)
2)
耐水性および洗いやすさの研究
3)
最適な温度帯で安定する特殊鋼板をさまざまな環境
でテストし、選定する。
3)
最適な温度帯で安定する特殊鋼板をさまざまな環境でテストし、選定する。
・4種類の組成の異なる特殊鋼板を入手、水を入れた土鍋を置いてテストした。IHの出力を最大にした場合
でも、決まった温度以上に上昇せず安定する事を確認した。鍋料理などの調理に最適な温度まで上げら
れない事、加熱スピードが遅い事等の問題点も確認した。
・4種類の特殊鋼板を大阪府産業技術総合研究所で組成分析し評価をおこなった。必要な温度まで上がら
ず、加熱スピードが遅い理由も、組成分析により明らかになった。
・加熱スピードが速く
(加熱効率が高く)
適切な温度で安定する合金の組成を予測して製造する事を決定した。
合金の安定温度はその材質で決まるが、温度上昇の速さは結晶の構造で変化するため、圧延や熱処理に
4)
業務用環境での製品の負荷テストの実施
よってコントロールする必要がある。この試作に関しては、溶解→熱間鍛造→熱間圧延→熱処理工程の
担当コーディネーター
5)
保温用に特化した家庭向け製品の実証試験
データを記録し、最終製品製造の検討材料として使用する。
構成企業
双葉実業
(株)
(住宅関連部材販売業)
、
Kiyopat global(株)
(技術コンサルタント)
、
寺岡
(株)
(打抜き加工業)
、
(株)
旭東商会
(金属素材加工販売業)
4)
業務用環境での製品の負荷テストの実施
5)
保温用に特化した家庭向け製品の実証試験
業務用のコーヒー保温テストを実施予定。保温
目的のテストは現在の特殊鋼板でも可能なた
め、
これを用いる。
6)
耐熱性本体素材の低コスト製造方法の検討
放熱性と強度を考慮して、現在の耐熱樹脂
を継続して使用する事に決定した。
■ 今回の研究で理論上適切な発熱体用合金の組成は明らかになった。さらに熱処理等の条件を変えて発熱
効率の良い素材の製法を発見する必要がある。新しく製造する合金での、業務用のテストが必要。
■ 一般消費者による使用テストの実施、調査方法。発熱体及び本体の構造強度の測定と強化する技術。
大阪府
テントシート工業組合 企業グループのニーズ
オーシングループ
今後の課題
イズネットグループ
松本産業
(株)
(断熱素材製造業)
、
6)
耐熱性本体素材の低コスト製造方法の検討
東和製作所グループ
072-964-1112
沼倉 宏
(大阪府立大学 教授)
八洲電業グループ
〒578-0905
大阪府東大阪市川田2−5−25
■本事業は、昨年度の
「すべての鍋に使える、家庭用IH加熱
事業成果
あかとり研究所グループ
代表企業
目的
14
ユニックスグループ
すべての
「鍋」
に
使える家庭用
“IH加熱ユニット”の
基礎研究と開発・継続
平成25年度 新プロジェクト創出コラボレーション促進事業成果報告
EVジャパングループ
13