RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、粘りの走りで8位入賞 RACE 2014 AUTOBACS SUPER GT Round7 『BURIRAM UNITED SUPER GT RACE』 DATE 予選:2014年10月4⽇ CIRCUIT チャン・インターナショナル・サーキット(タイ) WEATHER 予選:晴/ドライ RESULT 予選:11位 決勝:2014年10月5⽇ 4.554km×66LAPS 決勝:晴/ドライ 決勝:8位 8月末、鈴⿅での⼀戦を終えて、シーズン終盤戦に突入したSUPET GT。次なる舞台は、⽇本を離れて東南アジアのタイへ! 東北部に新しく設けられたチャン インターナショナル サーキットでのこけら落としともなる戦いは、未知なる領域でのレースと なるだけに、まさに不確定要素だらけの⼀戦となった。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTにとっては、初のサーキットでク ルマのセットアップに時間を取られることになり、その影響で予選では上位進出のチャンスを逃してしまった。しかしながら、決 勝では安定したハイペースをキープしつつ、緩急をつけた攻撃を披露。荒れた展開を粘りに粘り、8位でチェッカーを受けた。 第6戦鈴⿅からおよそ1ヶ月強のインターバルを経て迎えた第7戦。国内での⼀戦であれば、秋深まる…という⾔葉がしっくりく るところだが、今回は熱帯気候に属するタイが闘いの舞台となるだけに、忘れかけてきた暑さを考慮する必要もありそうだ。 それにもまして、このタイ東北部のブリラム県にあるサーキット、チャン インターナショナル サーキットは完成間もない施設 だけに、なにもかもが初モノぞろい。クルマのセットアップはもとより、装着するタイヤ、さらにはドライバー⾃⾝による⾛⾏に 至るまで、都度新たなるチャレンジに臨むことになった。 通常、SUPER GTは土・⽇曜⽇でのイベントとして実施されるが、今回は初開催を受けて、⾦曜⽇にまずコース歩⾏の時間と 2 時 間 の 練 習 ⾛ ⾏ が 実施 され た 。 コ ー ス に 慣 れ、 ⾛ ⾏に お い て も 攻 略 のポ イ ン トを 掴 む ⼀ ⽅ で 、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは、持ち込みのクルマのセットを確認しつつ、レースウィーク中、より強いクルマを作り上げる“何か”を探すべく、 さまざまなことで“トライ&エラー”を繰り返し、8番手の結果を獲得。土曜⽇の公式練習は11番手につけ、チームではQ1からQ2 進出達成を強く意識し、最終調整を進めていった。 ◎予選: 国内の⼀戦同様、予選はまずGT300によるQ1が始まり、その15分 後、午後3時15分からGT500によるQ1セッションが幕を開ける。全 15台がエントリーするGT500では、このQ1で上位8台につけなければ ならない。 今 回 は 気 温 33 度 、 路 ⾯ 温 度 44 度 の 中 、 小 暮 卓 史 が No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのステアリングを握ってコースインす る。すでにライバルたちが早め早めのタイミングで⾃己ベストタイム を続々と更新、小暮も負けじとタイムアップを⾒せた。だがあろうこ とか、1分25秒849のチームベストタイムではトップ8入りを果たせず。 No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは11位でQ1を終えることにな り、Q2への出⾛を逃した。 予選結果を受け、タイでの初SUPER GTレースは厳しい幕開けとなったが、翌⽇の決勝ではどこまでジャンプアップできるのか、 チームは予選終了後も幾多となくミーティングを重ね、改善策の⾒極めに時間をかけた。 初コースでのタイムアタックを終えた小暮は、「完璧な⾛りができたわけでなく、 もっともっとできたことがあるように感じました。全体的にもっと早く高いレベル にクルマを持っていくことができれば、チームにもいいコメントを返すことができ たと思うんです。その点はチームには申し訳ないですね」と苦笑い。セッション当 初からの出遅れ感が最後まで残ったことを悔やんだ。 また、コースレイアウトと⾞両の相性については、「色々やっていく過程でこの サーキット特有のセッティングがあるんですが、ウチのクルマの良さにアジャスト するのに、ドライビングで合わせるのか、セッティングで合わせるのか、それで迷 いが出ました」という。「初めはドライビングも合っていませんでしたが、徐々に 慣れてきていると思います」とベテランらしい⾃信をのぞかせた。 ⼀⽅、Q2での出⾛が不可能となった武藤には、コース特徴について訊ねてみた ところ、「レイアウトは楽しいし、攻め甲斐があります。ただし、レコードライン を外すと、まだ埃っぽいので危ない。レースでは慎重に確実に⾛ることが求められ るはず」とチャレンジングなコースを存分に味わっている様子だった。さらにクル マの状況を訊ねると、「色んなことにトライするんですが、良くなるところもあれ ば逆に悪くなってしまうという繰り返しもあるので、最後の最後まで調整していく ことになる」と着実に駒を進めるためのポイント探しに奮闘している様子だった。 ◎決勝⽇フリー走⾏: 迎えた決勝⽇の朝。気温、路⾯温度は前⽇の同時間とさほど変化はな いが、強い⽇差しの照り返しが強く、体感的には真夏並みの暑さを感じ ることになった。気温29度、路⾯温度39度の中、午前9時50分からフ リー⾛⾏が始まり、各⾞最後の⾞両確認のためにコースへと向っていく。 No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTには、スタートドライバー担 当予定の武藤が乗り込み、コースへ。時間ある限りセットアップの⾒直 しを続け、近づく決勝に向けて準備を進めた。 セッション後半からは小暮がドライブ。終盤になると、周回毎にペースアップ。結果こそ14番手どまりではあるが、チェッカー 直前には連続してチームベストタイム更新を果たしており、⽅向性がクリアになったことを⽰唆する⾛りを⾒せることになった。 その後の観光バス8台がコースインして⾏われたサーキットサファリでも周回を重ね、最終確認に努めた。 ◎決勝: 午後の決勝を前に、サーキットではオープニングセレモニーなど数々のイベントが⾏われ、 次第にコースサイドのスタンドにも多くの観客の姿が。主催者発表では決勝⽇だけでもサー キットには7万5千人を超える観客を動員したと伝えられており、⽇本のSUPER GTがタイの 地で新たな歴史を作り上げたとも⾔えるだろう。 決勝スタートは午後3時。気温34度、路⾯温度54度と依然として暑さが 先⾏する天候の中、ダミーグリッドに出⾛⾞両がズラリと整列。いよいよ 66周にわたる初レースのスタートが切って落とされた。11番手から武藤が クリアスタートを決めるも、前後⾞両との攻防戦が激しく、小競り合いが続 く。初サーキットゆえか、オープニングラップはやや慎重な⾛りが先⾏した が、早くも7周目に入るとGT300との混戦が始まり、次第にバトルもヒート アップ。ご多分にもれず接触しながらの⾛⾏も増えてくる。 そんな中、9位⾛⾏中の武藤が1号⾞とサイド・バイ・サイドを開始。 コース幅が狭く、またクリアな⾛⾏ラインが1本しかないというシビアなコ ンディションの中、ギリギリの攻防戦を⾒せながら周回を重ねていく。 だが、16周目、前を⾏く17号⾞とのバトルで2台が接触。17号⾞がスピンを喫してしまう。そしてこのアクシデントがのちにペ ナルティの対象となり、29周目を⾛⾏中にNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTに対して、ドライブスルーペナルティが提⽰さ れてしまった。7位⾛⾏中ではあったが、ルールに従ってその翌周にピットイン。集中⼒を切らさないよう、そのまま再度追い上 げ態勢に入った。 ルーティンワークのピットインは40周終了時。ガソリン補給、タイヤ交換を済ませた小暮がコースへと向う。なお、チームでは 終盤のペースアップ、ひいてはポジションアップを狙って、装着タイヤを当初の予定だったミディアムからソフトへとスイッチ。 気温が落ちてくる中、追い上げを狙った。ところが、思いの外タイムアップが期待できず、期待していたバトルへと持ち込むのが 難しい状態に。 それでもなお小暮は訪れたチャンスは確実にモノにしようと、最後の最後まで攻めの態勢を緩めることなく周回。終盤になって ライバル達が⼤幅にタイムを落とす中、着実な⾛りを続けた小暮は予定外のピットインによるポジションダウンの回復に成功。8 位入賞でチェッカードフラッグを受けることになった。 今シーズン、残り1戦となったSUPER GT。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTとしては、まだ今季は表彰台にあがっていな いため、まずはトップ3入りを意識して最終戦を迎える。 ◎高橋国光総監督 総体的に、色んな点でもったいないことが多すぎました。レースになって速さが披露できるようになるといい感じで⾛っていける のに、その中で接触というものがあると、すべてが台無しになってしまう。接触してもいけないし、接触されてもいけない。そう いうのが結果になって表れるからね。難しいですよ。とくに今回は、⾛り始めの⾦曜⽇にNSX全体として苦心していたところから、 徐々にクルマが出来上がってきてよくなってきたのに、それをうまく結果へと導くことができなかったのがツラいですよね。ツキ も含めて、⾃分たちで流れをコントロールできなかったということですね。⼀⽅で11位からスタートを切り、8位入賞を果たして いることは評価出来る部分です。最終戦のもてぎではしっかり⾛り、すっきりした形でシーズンを終えたいですね。 ◎小暮卓史選手 決勝のペースがちょっと…。僕はやわらかめのタイヤを履いたのがあまり良くなかったのか、思うような追い上げができずに終 わったので、悔しい思いが残っていますね。その⼀⽅でポジションは最終的に挽回できたし、予選以上の8位でレースを終えるこ とができたので良かったと思います。ただ、レースという点では納得しかねる結果でした。終盤での追い上げを考えていたものの、 特に後半のペースが上がらず厳しい展開になりました。辛かったですね。この悔しさは最終戦のもてぎですっきりさせたいと思い ます。頑張ります! ◎武藤英紀選手 ポジティブな点としてはスティントの最後、ペースは良かったです。良い点もある⼀⽅で、接触によるペナルティでチームのみん なには迷惑をかけてしまいました。(ペナルティの対象となった)接触は微妙な感じではあるんですが、結果として相手がスピン しているので…。今回は、終盤になって他⾞がペースダウンしたこともあり、なんとか8位でチェッカーを受けることができたの は良かったと思います。これでまたポイント加算をすることができましたから。残り最終戦だけになりますが、今回の決勝で新し く試したことがいい⽅向にいったので、もてぎ戦でも引き続き新たなトライをして、いい流れを作っていきたいと思います。 ◎手塚⻑孝オペレーティングテクニカルディレクター 新しいサーキットでの⼀戦ということもあり、チーム側がドライバーからのインフォメーションに対してうまく応じることができ なかったり、普段よりも色んな箇所で的確な対処をするのが難しかったですね。今回は最初の持ち込みセットがコースに合わず、 セットアップの煮詰めに時間がかかることになってしまいました。それが伸び悩んだ⼀因かと思います。予選の結果を受け、ドラ イバーからのフィードバックをもとにデータの⾒直しにも取り組み、話し合う時間をいつも以上にとりました。結果、決勝でのク ルマはすごく良くなりましたね。決勝では、まずルーティンを真ん中以降に引っ張ろうという作戦でした。そこでソフトタイヤを 選択しました。朝のフリー⾛⾏でも確認ずみだったし、残り周回数が少ないのでやわらかいのを履いて⾏こうということになりま した。ところが今ひとつペースが上がらず…。残念でした。早くも最終戦ですが、現状はドライバーもクルマも総体的に上昇して きているので、もてぎに向けて努⼒を重ね、いい戦いができるようにしたいと思います。
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