(FM)の推進による公共施設最適化

(業務効率化)
取組事例名 ファシリティマネジメント(FM)の推進による公共施設最適化 市町村名 鳥取市
取組の概要
市が保有する公共施設(ハコモノ)の現状を「供給」「品質」「財務」の視点から分析し、同種の
公共施設を地域別、機能別に比較する「鳥取市公共施設白書」を作成した。
この施設白書を基礎とし、今後、ムダ・ムラ・ムリのない公共施設の再配置に取り組み、より効率
的な公共サービスの提供につなげる。
取組の背景・契機
2004 年 11 月の市町村合併に伴い、合併前の 9 市町村が保有していた公共施設をそのままの状態で
引き継いだことから多数の公共施設を保有しているが、これらの建物の老朽化や機能の陳腐化が進ん
でいる中で、現状把握・管理が十分とは言えない状態である。
公共サービス提供のあり方や公共施設の将来あるべき姿を考えていくことが喫緊の課題である中、
市有施設の現状を「見せる化」し、今後の公共施設や公共サービスを市民とともに考えていくことが
必要であると考えたことによる。
取組のねらい・目的
公共施設の更新問題が全国的に大きな問題となっている中で、これまで感覚的に捉えていた公共施
設を取り巻く現状や課題を「見せる化」することで、市民・議会等と情報を共有し、今後の公共施設
や公共サービスのあり方を考えていくこと。
取組の具体的内容(方法、体制、経過等)
2013 年度 4 月より、本市が保有する財産の見直し・活用等について、経営的な視点からの確実な
保有財産の改革を実行するため、専任職員2名を配置。また、全市を挙げて「公共施設の更新問題」
に立ち向かうために、庁内にファシリティマネジメント(FM)推進プロジェクトチームを設置し、
これまで以上に総合的な視点から“財産経営”に取り組むこととした。
公共施設白書の作成は、資産台帳を基として市有施設の情報を精査する方法で実施した。
なお、施設白書は屋根がある建物(ハコモノ)を対象としており、道路、橋梁や上下水道等の基盤
施設及び公営企業会計に係る施設、広域組合施設は対象外としている。
取組を進めていく中での課題・問題点
公共施設白書の作成はゴールではなく、今後行っていく「公共施設総量適正化」のスタートに過ぎ
ない。公共施設のあり方に関する基本方針、また施設の分類(集会施設、福祉施設など)ごとの方針
を策定していく中では、地域住民との合意形成など、多くの課題が想定されている。
また、前述したとおり、今回の施設白書にはインフラ(道路・橋梁)等は含まれていないため、全
ての市有資産を含めた“財産経営”も、今後の課題と言える。
工夫した点
中学校区別に地域の現状を比較できるように分析を行ったこと。また、施設の設置及び管理を定め
た条例、施設を管理する所管課別に施設分類を行うのではなく、市民視点での機能分類を行ったこと。
取組の成果
「供給」「品質」「財務」の視点から市有施設の現状を分析したことで、これまで感覚的にとらえ
ていた公共施設を取り巻く現状や課題を「見せる化」することができたこと。また、職員における施
設管理の意識を変革するための布石となったこと。
ただし、前述したとおり公共施設白書の作成はゴールではないため、今後更なる取り組みが求めら
れる。
今後の展開
公共施設のあり方に関する基本方針(仮称)の策定
公共施設総量適正化計画(仮称)の策定
留意事項・他団体へのアドバイス
公共施設の更新問題は全国共通の問題であるが、その状況は自治体によって大きく異なる。
ただ、いずれにしても行政側・利用者側にとって不都合な内容も「見せる化」し、市民の目線で公
共施設最適化を考えていく必要があると考える。そのことが、この問題に取り組むうえで起こりがち
な「総論賛成・各論反対」を生じさせないための方策ではないかと考える。
鳥取市公式ホームページ
関連HP等 「鳥取市におけるファシリティマネジメントの取り組み」
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1393228786946/index.html
問合せ先
総務部総務調整監財産経営課財産政策第一係(電話:0857-20-3852)