学籍番号
名
科目名
前
課
大学院:薄膜物性特論
題
宿題 1(9 月 26 日)
1. 銀についての温度 T と平衡蒸気圧 pe の測定値(教科書
p.7,1-2 表 参照)より,
2
’vaporAg.dat’ using (1.0/$2):(log($1))
a-b*x
0
(a) 横軸を T −1 ,縦軸 ln pe のグラフを描き,その傾きから蒸
発熱 ∆e H を推定しなさい.
(b) 300 K においても同一曲線上にあるとすると,平衡蒸気
圧はいくらであると算出されるか.
-2
ln p
-4
-6
(c) 直径 4 mm の銀の球の表面から,平衡蒸気圧に相当する
銀の分子が空間に蒸発して再び戻ってこないとすると,直
径は僅かに小さくなっていくはずである.その減少速度
の初期速度はいくらと推定されるか.
Ag
0.00065
0.00070
0.00075
0.00080
0.00085
0.00090
0.00095
0.00100
1/T
∆e H
RT
図1
の関係にあるものと仮定する.
表1
-10
-12
0.00060
なお,pe は,蒸発熱を ∆e H として,
ln pe = I −
-8
銀の平衡蒸気圧曲線:測定値と推定曲線
(b) 前の結果より,
元素の温度と平衡蒸気圧
pe = e20.5376−32822.8/T
10−5
10−4
10−3
10−2
10−1
100
[ Torr ]
1025
1105
1195
1300
1435
1605
[K]
であるから,T = 300 K では,
pe = e20.5376−32822.8/300 = 2.532 × 10−39 Torr
= 133.3 × 2.532 × 10−39 = 3.375 × 10−37 Pa
[解]
(c)
(a) 最小二乗法で近似直線の傾きを求める.Execel でも算出で
きるが,数値計算ツール (Mathematica,MATLAB,Maple
etc.) を利用すべきである.ここでは,図に描くことを念
頭において,gnuplot を使ってみる.同一行内に圧力と
温度を記した(区切り子はカンマでなく空白),6 行から
なるデータファイル “vaporAg.dat” に対して次のスクリ
プトを実行すれば,パラメータが簡単に推定できる.
set
set
set
set
set
set
dr
Jm
=
= 1.063 × 10−43 m · s−1
dt
ρAg
∆e H
= 32822.8
R
∴ ∆e H = 32822.8 × 8.314 = 272.9 kJ · mol−1
I = 20.5376,
MAg = 0.1709 kg · mol−1 ,を用いて,
(
)
pe N A
−15
−2
−1
J=√
= 3.928 × 10
個·m ·s
2πMAg RT
√
MAg
MAg
Jm = J
= pe
= 1.115 × 10−39 kg · m−2 · s−1
NA
2πRT
の減少速度 dr/dt は,
f(x,a,b) = a - b/x
fit f(x,a,b) ’vaporAg.dat’ using 2:(log($1)) via a,b
plot ’vaporAg.dat’ using (1.0/$2):(log($1)) pt 7, a-b*x
ガドロ数を NA = 6.022 × 1023 個 · mol−1 , 銀の分子量
従って,密度 ρAg = 1.049 × 104 kg · m−3 で割って,厚さ
term emf enh color font "Arial,10" size 800,600
out "Vapor_Ag.emf"
grid
xlabel "1/T" font ",14"
ylabel "ln p" font ",14"
format x "%.5f"
結果は,
蒸発する銀の分子数流量 J および質量流量 Jm は,アボ
すなわち,まったく蒸発しないと言ってよい.