ロータリーと青少年問題

ロータリーと青少年問題
そのニ インターアクト
統一郎
ノ々ス
国際ロータリー352区
インターアクト委員命
l・tISII‘‘I・・“.j'゛.‘・.″1・・!・.‘・・
・
・り
.・.・j
.
1
Ildj
'1ゝ
j︰’MPI﹃?︱
1
,・
・1
1
fQ”。。μ
︱!Iン
II4−S
4・
り
i
・.I'・.1'I`・l..・..・.,la・.・1.・1.・,●.・.II
一
11・
F
4
@a
1・y
.
暴覆ド斟y糾
ロータリーと青少年問題
そのニ インターアクト
352区バスト・ガバナー 佐々木統一郎
国際ロータリーが夙に提唱して来た青少年問題は,特に第二次大
戦後,国際協調の流れに対応して,逐年そのWeightを増して居り
之に就ては前篇の「ボーイ・スカウト」の項で述べた。本篇ではイ
ンターアクトに就て,特に当352区の沿革と現況並に二,三の問題
にふれて述べて見たいと思う。
今を去る15年前(1959∼60)時の国際ロータい一会長ハロールド
T.卜−マス氏の提唱により,R.I.理事会が,インターアクト股
立の可能性に就て検討することになり,2名の理事が指名されて,
現在のインターアクト規約の原案が作られたが,その御一人は後に
1971∼72年度のR.I.会長として″善意は先づあなたから″の年間
標語を掲げて登場したエルンストG.ブヲイトホルツ氏である。
そして,3年後の1962∼63年,インドのニテイシュC.ラハリ
ー氏が国際ロータリー会長に就任するに及んで漸やく日の眼を見,
インターアクト第一号が先づアメリカに誕生するや,世界の各地区
に次々と結成され,日本に於ても同年度の正に終らんとする1963年
6月に,吾が国インターアクト第一号として,吾が352区の仙台育
−1−
英学園高校に結成を見た。(第一次手島ガバナー時代)尚,当地区
の国際青少年交換プログラムが,之の育英高校インターアクトによ
って開始され,現在国内有数の活動地区と目される活溌な学生交換
プログラムの噴矢をなしたことを特に附記しておかねばならない。
その後の当地区インクーアクトは,翌々年の隠65年に宮城盲学校
そして翌1966年には,青森束高校,弘前南高校,三沢高校,一関修
紅学院高校,角田高校と相次いで誕生して,地区インターアクトの
輝やかしい将来が約束されたかに見えたが,その後,停頓状態に入
り,4年後の1970年に,宮城県に加美農高インターアクトの結成を
見たま・,進展することなく昨年度を迎えたのである。
しかし,こうした風潮は全国的傾向として各地区の注目する処と
なり,一昨年の全国インターアクト委員長有志の懇談会に続き,昨
年は全国各地区ガバナーの御諒解を得て,第一回全国イシターアク
ト委員長協議会が358区のホストで開催され,日本全土のインクー
アクトの現状と問題点そして将来性に就て熱心な意見の交換が行わ
れたのである。以下当日の話題を総合すると
I 学校側に介在する諸問題
○一般に教育組織はロータリー運動に対して拒百的批判的で,インクーアクトのもっ教
育的価値に就ての認識も未だ充分とは云えない。
○学校によっては,教育的指導力を,ロータリーに侵されると誤解する向きもある。
○しかし少数ながら,現在のような混乱した社会情勢なればこそ,インターアクトの如
き運動は必要であると評価する学校も現われている。
−2−
(以上,大方の学校がいだく危惧と認識不足とは,裏を返せば,ロータリーの広報の
拙劣さと学校へのアプローチの不足を示して居り,之に関連して二,三の地区委員長
から顧問教師のためのロータリー通解を作ることの急務が強調された)
I 高校生とインターアクト活動
○大方の高校生はインターアクトの標榜する目的目標に魅力を感ぜず,精々英語クラブ
か清掃奉仕クラブ程度の認識に止まっている。インターアクトのクラブ員も顧問教師
や提唱ロータリー以外に理解者に乏しいことに孤立感を感じている。
○クラブ員としての在籍期間も事実上,一年生の後半から,精々三年生の前半までの2
年間であって,之の短期間に,学習のための時間的制約を受けながら,インターアク
トの目的目標を理解し活動をすゝめるには可成りの努力を必要とする。
○又,新会員の募集,クラブ活動資金の調達にも困難が伴っている現状である。
(しかし,混沌たる社会の風潮に影響されて,利己的刹那的傾向の強い現代の高校生
に,奉仕や国−理解の理念を理解させ,その実践を通して次代のリーダーとして,よ
り高く,より強靭な人間を形成させる生活体験の必要なことは云うまでもない)
I インターアクトに対するロータリーの在り方-−その現状と将来○インターアクトを創設し育成することは,ロータリーにとっては一つの冒険と云える
かも知れないが,今日までの提唱ロータリークラブの関係者遠の述懐によれば,青少
年との対話の場をもち,彼等と苦楽を分ち合うことは,ロータリークラブに生気をよ
みがえらせ,ロータリアンを若返えらせる上に極めて役立ったことを実証している。
○しかし,一般的に云って,ロータリーは未だ未だインターアクト運動に消極的であ
る。
仮りに設立に乗り出したとしても,日本の高校教育のもっ特殊性一進学問題や,飽
和状態と云はれる校内クラブ活動の多種多様性,加えて教職員組合の介在等-によ
り,インターアクトの目的目標や教材的メリットを理解させるには,相当の努力を必
-
3−
X
要とする・,処が大方の提唱ロータリーは。之等に対する説得力が足らないため,それ
以上の進展を見ないままに手を引いてしまう例が多いのである。
青少年運動に対する之の消揖性。は,そのまま,現代ぶ:l一タリーの,あらゆる奉仕活動
に対する消極性を表徴していると云ってよいだろう。
0366区の或るロータリー・クラブでは,公立高校へのアプローチに失敗したが,地域
内のボーイり4カウトに銀をっけ,そのシニア・スカウトー高校生一を対照として,
地域基盤のインターアクトを創設し育成に成功している。
之の例は,改善をせまられながら閉鎖的傾向の強い高校教育の現状にあきたらす,新
らしい日本の社会機構を眼指して積賜的にインターアクト運動を進めた適例として考
慮に値する実例であろう。
小さなキャンドルも,それを灯す方が,騨を呪いながら座↓。ているにまさる,
"A
Tlme
For
Actlon″ 膏単なるTar9●tに終らせてはならない。
(滝川高校校長 松下県太郎 神戸須磨R。C.)
以上が全国委員長会談の大要である。
−4−
352区インターアクト運動の現況と将来
1972∼73年度,地区インターアクト委員長の指名を受けた直後,
私は前述の停頓状態を続ける地区インターアクト運動を再検討した
結果,同じく高校生を対照とする国際青少年交換ブログラムに着目
したのである。即ち現在,国内有数と云はれる当地区の交換プログ
ラムをインターアクトとタイアップさせる構想である。
因みに当地区に於ける学生交換プログラムは既に,1972年末
(昭46)一分割前一青森県下で14クラブ,延26回。岩手県下で15ク
ラブ,延25回。宮城県下で16クラブ,延34回。三県下の総計45クラ
ブ(地区内クラブの半数以上)が,延85回の学生交換体験クラブで
ある。そこで地区協議会の席上,両者のタイアップを提唱する一方
各県下の学生交換経験クラブに呼びかけた結果,青森県百石ロー-タ
リーの提唱による百石高校,岩手県大船涙雨ロータリーの提唱によ
る大船渡農業高校,宮城県塩釜ロータリーの提唱による塩釜女子イ
ンターアクト・クラブー地域基盤−の3インクーアクト・クラブの
新設を見,更に本年度は,水沢農業高校(水沢R.C.),釜石商業
高校(釜石東R.C.),ウルスラ学園高校(仙台北R.C.)と,何れも
学生交換経験クラブによって股立準備が進められて居り,之の外,
新設間もない松島R.C.が,地域基盤による松島女子インクーアク
トの設立を眼指して胎動中である9
−5−
結び:
○ ロータリーに於けるインターアクト運動は騒然たる現在の社会
情勢のもと,その重要性は,いよいよ加重されつつある。
○ 総じてインターアクトの育成に欠けているのは,彼等に夢をも
たせる旋策の不足している点であろう。之のことを念頭におきな
がら私は次の諸点を特に強調したい。
イ。「今こそ行動の時」ロータリー・タップも個々のロータリアン
も,インターアクトを含めた青少年活動の総てに,もっと関心を
示し,やる気になって積局的に取り組む時ではないか。
口。私をして云わしめるなら,学校側との接触手段も「やる気にな
れば」未だ残された方策があると思うのである。それには先もつ
て学校との接触,特に校長,顧問教師との意慾的交流にむかつて
更に行動を続けるべきであるろう。
ハ。之に平行して,学校側に,ロータリーをもつと理解せしめるた
めの広報に就ても具体策を講ずる必要を痛感する。
二。インターアクト達への,積局的な育成策として,インターアク
ト相互間の交流,交換プログラムを強化することは,彼等の夢を
かなえる方策の第一歩である。
ホ。更に国際理解への生きた体験策としての(夏期)短期海外研修
旅行に就ては,既に国内の多数地区が実施して居り,当地区に於
ても,之のデログラムと取り組むべき時期が到来していると思う
のである。
−6−
研修旅行は原則としてロ・-タリー・クラブ・レベルで行うべきも
のと考えるが,「地区」としても,彼等にとつての大いなる夢で
ある之のような企画には,声援,指導と共に資金面の援助につい
ても考慮してほしいものである。
× X X
青少年問題は今や,職業奉仕と共に,ロータリーの特色ある課題
として,そのWeightは逐年加重されつつある。 とりわけ青少年
の育成こそは,独りロータリアンのみならず,試練の前に立つ現代
人にとっては重大関心事であり悲願と云っても過言でばあるまい。
地区ガバナーを始め,地区内全ロータリー・クラブ並にロータリ
アン各位の数考を煩わして止まない。
−7−