高分子化学Ⅱ 平常テスト⑬(H26.07.10)標準解答 1 次のポリマー合成経路と出来上がりポリマー構造を正確に示せ。 (1) 9.00mol の p-フェニレンジアミンと 8.00mol のスベリン酸をp→1の条件で反応させ、出来上がりオリ ゴマーと等物質量の p,p’-ジフェニルメタンジイソシアナートとp→1となるように反応させた。 φを p-フェニレン基とするとき、オリゴマーの構造は H-[NHφNH-CO(CH2)6CO]8.00−NHφNH2 となる。これを H2N-R-NH2 と定義すると、 ポリマーは、 −[CONHφCH2φNHCO−NH-R-NH]n− 反応式は自分で書けるね? (2) それぞれ 4.00 および 2.00mol/L の濃度に調整してあるスチレンと無水マレイン酸をラジカル 重合させてポリマーを得た。 St-MAn(maleic anhydride)のラジカル共重合系は交互共重合体を与えるので、出発がどのような 物質量比であっても、poly(St-alt.-MAn)を与える[構造は前回の解答にある]。強いていうのなら、 MAn が使い切られた後に、さらに重合が行われるのであると、その時点から PSt が混ざってくる。 2 架橋ポリスチレン樹脂から誘導される「機能性樹脂」の構造を5種以上示せ。略号は定義して 用いること。また、「R-」のような不特定官能基の使用を禁ずる。 略する。自分の才覚で調べよ。少なくとも、陽イオン交換樹脂構造1種、陰イオン交換樹脂構造2 種、イミノ二酢酸樹脂構造、アミン樹脂構造は示してあるので、この5種を書いておけばよい。 3 A-block=ポリエチレングリコール、B-block=ポリスチレンであるブロックコポリマーについて下記の小問に答えよ。 (1) ABA 型ブロックコポリマーを合成する反応式を示せ。 この出題は諸君らの才能(と高分子化学Ⅰでの学習効果)を確かめるもの。 Na0+Naph(naphthalene) → Na+・Naph−* St+ Na+・Naph−* → *CH2-CH−・Na++Naph Ph 2・*CH2-CH−・Na+ → −CHCH2-CH2CH−――(+St)→ Ph Ph Ph ・2Na+ − − CHCH2-(St)n-CH2CH−――(+EO)→ Ph Ph ・2Na+ OCH2CH2-(EO)m-OCH2CH2−CHCH2-(St)n-CH2CH−CH2CH2O-(EO)m’-CH2CH2O− Na+ Ph Ph Na+ 最後に両末端のアニオンを H2O で停止すればよい。St ブロック部分の重合形式を bi-anion 成長と いう。中野先生に教授されたことを、ちゃんと理解していた人が数人いた。 (2) A-block と B-block のモル含量([A],[B]とする)が下記のようであるとき、ブロックコポリマーのミクロ 相分離構造を図示せよ。なお、②~④のときのミクロ相分離構造の一般英名も示せ。 ① [A]=1.0 ②[A]≫[B] ③[A]>[B] ④[A]≒[B] ⑤[A]<[B] 略する。
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