CD 売上に関する計量経済学的アプローチ

CD 売上に
売上に関する計量経済学的
する計量経済学的アプローチ
計量経済学的アプローチ
藪研究会第一期 音楽班
小椋彩夏
中村みなも
中村みなも
多田悠佑
山本弦
目次
第一章 イントロダクション
(1) 問題意識
(2) 楽曲 CD 業界の
業界の現状
第二章 年代別分析
(1) 曲リスト
(2) データ
(3) 推計結果と
推計結果と考察
第三章 2008 年の分析(
分析(客観)
客観)
(1) 曲リスト
(2) データ
(3) 推計結果と
推計結果と考察
第四章 2008 年の分析(
分析(客観+
客観+主観)
主観)
第五章 実証分析
第一章 イントロダクション
(1) 問題意識
現在、日本の音楽業界は大きな転換点を迎えている。1980 年台から 1990 年代にかけて
は CD-DA が楽曲メディアの主流であったが、2000 年代に入るとその生産数は落ち込み、
米 Apple 社の iTunes を代表する有料音楽配信や Youtube などの動画配信サイト、さらに
は P2P 技術を用いたファイル共有ソフトの台頭など、ユーザーが音楽コンテンツに触れる
形態が多様化してきている。それに伴い、業界全体で販促方法やコンテンツそのものの質
を見直す必要に迫られている。
このような情勢の中、有料音楽配信の伸びと楽曲 CD の落ち込みの関係や、コンテンツ
の違法ダウンロードの CD 売上への影響などのマクロ的な研究は広く行われてきた。
しかしながら、個々の楽曲の特性に着目した分析は未だあまり行われていない。たとえ
ばアーティストの男女比率や年齢、他コンテンツとのタイアップの有無などが変化すると
売上はどうなるだろうか。このような問題意識のもと、本論文では特にシングル CD をピ
ックアップし、楽曲の特性値が売上に及ぼす影響をミクロ的な視点で計量的に推定し、モ
デルを組み立てる。
(2) 楽曲 CD 業界の現状
図 1 は 2000 年以降のシングル CD 総生産数の推移を示している。2009 年には 2000
年の三分の一まで落ち込み、業界の冷え込みがうかがえる。
図1
CDシングル総生産数
CDシングル総生産数(
シングル総生産数(枚)
137,725
109,393
82,760
88,138
81,835
64,687 67,554 61,695
53,727
44,897
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
一方図 2 は 2005 年以降のインターネット等の有料配信 DL 数である。2005 年以降、右
上がりだが、2008 年から 2009 年にかけては横ばいである。
図2
有料音楽配信売上実績(DL
有料音楽配信売上実績(DL数
(DL数)
90,547
90,982
75,487
53,478
34,283
2005
2006
2007
2008
2009
単純に比較はできないが、CD 総生産数は落ち込みに歯止めがかからない中、有料配信は
伸び代がなくなりつつあるということは、単にメディアが交代したとは言えず、業界全体
で楽曲コンテンツの質を見直す必要はあるといえるだろう。
(3) 本論文の流れ
本論文は、まず第一章で全体を俯瞰する。第二章では 1980 年代、1990 年代、2000 年代
に分けてオリコンの上位曲を分析し考察する。第三章ではあるひとつの年度にのみ着目し、
第二章での失敗を是正し、変数を見直して再度、考察する。第四章では、第三章で得られ
た結果に、さらに人間の主観的要素も変数に取り込んで一定の精度を得たこと示す。第五
章にて、それまでの実証分析で最も精度の高いと判断した推定結果をもとにモデルを定式
化し、検証を試みた。
第二章 年代別分析
本章では、まず 1984 年から 2009 年にかけてのシングル CD 年間トップ 10 にあたる楽
曲を集計し、それらの売上を被説明変数として分析を行った。結果としてはあまり精度の
高い分析には至らなかったが、試行錯誤の過程としてここに掲載する。
(1) 曲リスト
推計に用いた曲の全リストを掲載する。
年間順位
1984
1985
1986
タイトル
アーティスト
1
もしも明日が
わらべ
2
ワインレッドの心
安全地帯
3
Rock'n Rouge
松田聖子
4
涙のリクエスト
チェッカーズ
5
哀しくてジェラシー
チェッカーズ
6
十戒(1984)
中森明菜
7
娘よ
芦屋雁之助
8
星宵のステージ
チェッカーズ
9
北ウイング
中森明菜
10
サザンウインド
中森明菜
1
ジュリアに傷心
チェッカーズ
2
ミ・アモーレ
中森明菜
3
恋におちて
小林明子
4
Romantic が止まらない
C-C-B
5
あの娘とスキャンダル
チェッカーズ
6
飾りじゃないのよ涙は
中森明菜
7
SAND BEIGE
中森明菜
8
俺たちのロカビリーナイト
チェッカーズ
9
悲しみにさよなら
安全地帯
10
天使のウインク
松田聖子
1
CHA-CHA-CHA
石井明美
2
DESIRE~情熱~
中森明菜
3
仮面舞踏会
少年隊
4
Ban BAN Ban
Kuwata Band
5
My Revolution
渡辺美里
6
恋におちて
小林明子
7
ジプシー・クイーン
中森明菜
8
スキップ・ビート
Kuwata Band
9
OH!!POPSTAR
チェッカーズ
青いスタスィオン
河合その子
1
命くれない
瀬川瑛子
2
TANGO NOIR
中森明菜
3
雪国
吉幾三
4
STAR LIGIHT
光 GENJI
5
Strawberry Time
松田聖子
6
難破船
中森明菜
7
Blonde
中森明菜
8
無錫旅情
尾形大作
9
追憶
五木ひろし
君だけに
少年隊
1
パラダイス銀河
光 GENJI
2
ガラスの十代
光 GENJI
3
Diamond ハリケーン
光 GENJI
4
DayBreak
男闘呼組
5
乾杯
長渕剛
6
MUGO ん・色っぽい
工藤静香
7
剣の舞
光 GENJI
8
ANGEL
氷室京介
9
人魚姫
中山美穂
You Were Mine
久保田利伸
1
Diamonds
プリンセス・プリンセス
2
世界で一番熱い夏
プリンセス・プリンセス
3
とんぼ
長渕剛
4
太陽がいっぱい
光 GENJI
5
愛が止まらない
Wink
6
恋一夜
工藤静香
7
淋しい熱帯魚
Wink
8
嵐の素顔
工藤静香
9
黄砂に吹かれて
工藤静香
10
涙をみせないで
Wink
1
おどるポンポコリン
B.B.クイーンズ
2
浪漫飛行
米米 CLUB
3
今すぐ Kiss Me
LINDBERG
10
1987
10
1988
10
1989
1990
1991
4
さよなら人類/らんちう
たま
5
OH YEAH!
プリンセス・プリンセス
6
Dear Friend
中森明菜
7
情熱の薔薇
THE BLUE HEARTS
8
くちびるから媚薬
工藤静香
9
真夏の果実
サザンオールスターズ
10
イフ・ウイ・ホールド・オン・トゥゲザー
ダイアナ・ロス
1
Oh! Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に
小田和正
2
SAY YES
CHAGE&ASKA
3
愛は勝つ
KAN
4
どんなときも。
槇原敬之
5
はじまりはいつも雨
ASKA
6
あなたに会えてよかった
小泉今日子
7
LADY NAVIGATION
B'z
8
しゃぼん玉
長渕剛
9
Eyes to me/彼は友達
DEAMS COME TRUE
ALONE
B'z
1
君がいるだけで/愛してる
米米 CLUB
2
悲しみは雪のように
浜田省吾
3
BLOWIN'/TIME
B'z
4
それが大事
大事 MAN ブラザーズバンド
5
涙のキッス
サザンオールスターズ
6
ガラガラヘビがやってくる
とんねるず
7
もう恋なんてしない
槇原敬之
8
if
CHAGE&ASKA
9
PIECE OF MY WISH
今井美樹
浅い眠り
中島みゆき
YAH YAH YAH/夢の番人
CHAGE&ASKA
10
1992
10
1993
1
愛のままにわがままに僕は君だけ
B'z
2
を傷つけない
3
ロード
THE 虎舞竜
4
エロティカ・セブン
サザンオールスターズ
5
裸足の女神
B'z
6
負けないで
ZARD
7
時の扉
WANDS
8
真夏の夜の夢
松任谷由美
9
揺れる想い
ZARD
世界中の誰よりきっと
中山美穂&WANDS
1
innocent world
Mr.Children
2
ロマンスの神様
広瀬香美
3
恋しさと せつなさと 心強さと
篠原涼子 with t.komuro
4
Don't Leave Me
B'z
5
空と君のあいだに/ファイト!
中島みゆき
6
Hello, my friend
松任谷由美
7
survival dAnce~no no cry more~
trf
8
あなただけ見つめてる
大黒摩季
9
Boy Meets Girl
trf
世界が終るまでは…
WANDS
LOVE LOVE LOVE/嵐が来る
DREAMS COME TRUE
10
1994
10
1995
1
WOW WAR TONIGHT~時には起こ
2
H Jungle With t
せよムーヴメント
3
HELLO
福山雅治
4
Tomorrow never knows
Mr.Children
5
シーソーゲーム
Mr.Children
6
Hello Again~昔からある場所~
MY LITTLE LOVER
7
奇跡の地球
桑田佳祐&Mr.Children
8
TOMORROW
岡本真夜
9
ロビンソン
スピッツ
LOVE PHANTOM
B'z
1
名もなき詩
Mr.Children
2
DEPARTURES
globe
3
LA・LA・LA LOVE SONG
久保田利伸 with NAOMI CAMPBELL
4
チェリー
スピッツ
5
花-Memenato-Mori-
Mr.Children
6
空も飛べるはず
スピッツ
7
愛の言霊~Spiritual Message
サザンオールスターズ
8
I'm proud
華原朋美
9
Don't wanna cry
安室奈美恵
Chase the Chance
安室奈美恵
1
CAN YOU CELEBRATE?
安室奈美恵
2
硝子の少年
KinKi Kids
3
ひだまりの詩
Le Couple
10
1996
10
1997
4
FACE
globe
5
STEADY
SPEED
6
PRIDE
今井美樹
7
YOU ARE THE ONE
TK PRESENTS こねっと
8
Eveything(It's you)
Mr.Childeren
9
HOWEVER
GLAY
WHITE LOVE
SPEED
1
誘惑
GLAY
2
夜空ノムコウ
SMAP
3
my graduation
SPEED
4
タイミング
BLACK BISCUIts
5
SOUL LOVE
GLAY
6
長い間
Kiroro
7
HONEY
L'Arc~en~Ciel
8
愛されるより 愛したい
KinKi Kids
9
Time goes by
Every Little Thing
全部だきしめて/青の時代
KiniKi Kids
10
1998
10
速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だ
1999
1
だんご 3 兄弟
んご合唱団
2
Automatic/time will tell
宇多田ヒカル
3
Winter again
GLAY
A(monochrome,too late, Trauma,
浜崎あゆみ
4
End roll)
5
energy flow
坂本龍一
6
Addicted To You
宇多田ヒカル
7
Movin'on without you
宇多田ヒカル
8
LOVE マシーン
モーニング娘。
9
BE WITH YOU
GLAY
HEVEN'S DRIVE
L'Arc~en~Ciel
1
TSUNAMI
サザンオールスターズ
2
桜坂
福山雅治
3
Wait&See~リスク~
宇多田ヒカル
4
Love, Day After Tomorrow
倉木麻衣
5
SEASONS
浜崎あゆみ
6
らいおんハート
SMAP
7
恋のダンスサイト
モーニング娘。
10
2000
8
今夜月の見える丘に
B'z
9
ちょこっと LOVE
プッチモニ
NEO UNIVERSE/finale
L'Arc~en~Ciel
1
Can You Keep A Secret?
宇多田ヒカル
2
M
浜崎あゆみ
3
PIECES OF A DREAM
CHEMISTRY
4
波乗りジョニー
桑田佳祐
5
恋愛レボリューション 21
モーニング娘。
6
白い恋人達
桑田佳祐
7
evolution
浜崎あゆみ
8
ボクの背中には羽根がある
KinKi Kids
9
Lifetime Respecy
三木道三
アゲハ蝶
ポルノグラフィティ
1
H(independent,July 1st,HANABI)
浜崎あゆみ
2
traveling
宇多田ヒカル
3
ワダツミの木
元ちとせ
4
Life goes on
Dragon Ash
5
Way of Difference
GLAY
6
SAKURA ドロップス/Letters
宇多田ヒカル
7
大きな古時計
平井堅
8
愛のうた
ストロベリー・フラワー
9
Voyage
浜崎あゆみ
光
宇多田ヒカル
1
世界に一つだけの花
SMAP
2
虹(虹/ひまわり/それがすべてさ)
福山雅治 89.3
3
COLORS
宇多田ヒカル
4
さくら(独唱)
森山直太郎
5
月のしずく
RUI
6
明日への扉
I WISH
10
2001
10
2002
10
2003
涙の海で抱かれたい~SEA OF
7
サザンオールスターズ
LOVE~
&(ourselves, Greatful days, HANABI
浜崎あゆみ
8
~episod)
9
2004
HERO
Mr.Children
10
大切なもの
ロードオブメジャー
1
瞳をとじて
平井堅
2
Sign
Mr.Children
3
Jupiter
平原綾香
4
花
ORANGE RANGE
5
掌/くるみ
Mr.Children
6
かたち あるもの
柴咲コウ
7
ロコローション
ORANGE RANGE
8
君こそスターだ/夢に消えたジュリア
サザンオールスターズ
9
桜
河口恭吾
Mickey
Gorie with Jasmine & Joann
1
青春アミーゴ
修二と彰
2
さくら
ケツメイシ
3
四次元 Four Dimensions
Mr.Children
4
* ~アスタリスク~
ORANGE RANGE
5
SCREAM
GLAY×EXILE
6
Anniversary
KinKi Kids
7
OCEAN
B'z
8
ラヴ・パレード
ORANGE RANGE
9
ファンタスティポ
トラジ・ハイジ
GLAMOROUS SKY
NANA starring MIKA NAKASHIMA
1
Real Face
KAT-TUN
2
粉雪
レミオロメン
3
青春アミーゴ
修二と彰
4
抱いてセニョリータ
山下智久
5
SIGNAL
KAT-TUN
6
ただ…逢いたくて
EXILE
7
しるし
Mr.Children
8
純愛歌
湘南乃風
9
Supernova/カルマ
BUMP OF CHICKEN
タイヨウのうた
Kaoru Amane
1
千の風になって
秋川雅史
2
Flavor Of Life
宇多田ヒカル
3
蕾
コブクロ
4
Love so sweet
嵐
5
Keep the faith
KAT-TUN
6
喜びの歌
KAT-TUN
7
明日晴れるかな
桑田佳祐
10
2005
10
2006
10
2007
8
旅立ちの唄
Mr.Children
9
関風ファイティング
関ジャニ∞
weeeek
NEWS
1
truth/風の向こうへ
嵐
2
One Love
嵐
3
I AM YOUR SINGER
サザンオールスターズ
4
キセキ
GreeeeN
5
羞恥心
羞恥心
6
HANABI
Mr.Children
7
そばにいるね
青山テルマ feat.SoulJa
8
DON'T U EVER STOP
KAT-TUN
9
LIPS
KAT-TUN
Beautiful days
嵐
Believe/曇りのち、快晴
嵐/矢野健太 starring Satoshi
10
2008
10
2009
1
明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ
嵐
2
ムテキ~
3
マイガール
嵐
4
愛のままで…
秋元順子
5
Everything
嵐
6
イチブトゼンブ/DIVE
B'z
7
RESCUE
KAT-TUN
8
ひまわり
遊助
9
ONE DROP
KAT-TUN
急☆上☆Show!!
関ジャニ∞
10
(2) データ
以下に、本章で変数として取り扱ったデータを示す。
○被説明変数
年ごとの総売上枚数が異なることを考慮し、各曲の売上枚数をその年のシングル CD 総生
産数で割ったものを被説明変数として取り扱った。
○説明変数
以下の 4 つのデータを変数として扱った。
属性名
変数の定義
人数
グループの人数
男女比
グループ全体における男性の割合。すべて男性で 1
身長
アーティストの身長
タイアップ
タイアップの数
○推計方法
以上のデータを用いて、1980 年代(1984~1989)、1990 年代(1990~1999)、2000 年代(2000
~2009)にわけて OLS 分析を行う。
(3) 推計結果と考察
1980 年代
Variable
Coefficient
t-statistic
人数
0.001
0.74
男女比
0.018
1.205
-0.0028
-2.71**
0.0052
0.673
身長
タイアップ
自由度修正済決定係数 R-squared=0.077
1990 年代
Variable
人数
Coefficient
t-statistic
-1.38642E-06
-0.308
男女比
4.36863E-05
1.256
身長
3.09796E-06
1.198
タイアップ
1.49085E-05
0.982
自由度修正済決定係数 R-squared=0.029
2000 年代
Variable
人数
Coefficient
t-statistic
-3.74822E-06
-0.698
-1.3E-05
-0.345
身長
-1.36086E-06
-0.564
タイアップ
-1.65906E-05
-1.456
男女比
自由度修正済決定係数 R-squared=0.015
いずれの年代でも説明力、t 値ともに低く、良い結果が得られなかった。1980 年代の身
長のみマイナスに有意な値が出ているが、説明力も低く、信憑性に乏しい。
原因として、今回サンプルに選んだ楽曲はいずれもランキング上位のものであり、セレ
クションバイアスがかかってしまったことが挙げられる。また、選択した変数にも再考の
余地があると判断し、次章以降、これらの要因を排除した分析を行っていく。
第三章 2008 年の分析(
年の分析(客観)
客観)
前章では、サンプルにセレクションバイアスがかかっていたこと、変数の選択に問題が
あったことで有意な結果が得られなかった。そのため本章では扱う楽曲の対象、変数とも
に一新して分析を行った。
(1)曲リスト
本章では、2008 年のシングル CD トップ 1000 から無作為に抽出した 100 曲をサンプル
として用いた(表 1)。この各曲の売上枚数を被説明変数として扱う。本論文で使用した楽曲
とそれに関するデータは主にオリコンエンタテインメントの発行している「オリコン年鑑
2009」から収集した。
表1
売上(
売上(枚)
順位
曲名
アーティスト名
14366
448
機動戦士ガンダム OO
吉野裕之 come across アレルヤ・ハプティズム
5440
867
WISH
Sowelu
9754
577
スキナツ
SOFFet with mihimaru GT
18145
386
Jesus
Gackt
192531
34
虹
AQUA TIMEZ
7514
690
rail road star
岡本 玲
29380
252
Double-Action Wing form
野上良太郎&ジーク(佐藤健・三木慎一郎)
80236
98
痛い立ち位置
ポルノグラフィティ
7791
674
ハッピー☆マテリアルリターン
麻帆良学園中等部 3-A
115168
61
Namidairo
YUI
11404
524
浪花酔虎伝
冠二郎
12176
504
絶対 love×love 宣言!!
ザ・チルドレン~starring 平野綾&白石涼子&戸松遥~
4302
995
君去りし誘惑
上木彩矢
24425
303
Hurry X'mas
L'Arc-en-Ciel
7292
708
風列車
新沼謙二
15986
419
shiny smile
136575
47
23309
天海春香(中村)・知月千早(今井麻美)・秋月律子(若林
直美)
love the world
Perfume
318
sprinter/aria
Kalafina
28881
256
夢が咲く春/you and music and dream
倉木麻衣
10260
555
Breakin’through
喜多修平
38940
187
Dancebabydance/夏はこれからだ!
福耳
30524
244
風吹けば恋
チャットモンチー
25469
289
MADAYADE
Berryz工房
65109
113
炎神ゴーオンジャー/炎神ファーストラップ
6995
729
ずっといっしょ
JAY’ED
7185
712
渦
Kagrra
7906
665
RoyalChocolateFlush
MISIA
335384
15
GIFT
Mr.Chiliden
7559
689
we love you
槇原敬之
25928
284
sayonaraベイベー/恋シテル
加藤ミリヤ
33645
216
六本木~GIROPPON~
鼠先輩
7024
727
get along together
sgWAANABE
7586
686
break+your+distiny
兵部京介 vs 皆本光一 with 賢木修二
5628
845
マザー
藍坊主
18854
376
ローレライ
ゴスペラーズ
23260
320
染まるよ
チャットモンチー
31377
237
浮世草
市川由紀乃
4988
912
START
中河内雅貴
52962
135
ultra music power
Hey!Say!JUMP
35993
199
踊れ
micro
4444
967
4590
955
RISE
大友康平
33942
215
抱きしめてあげる/花束
徳永英明
40678
176
SATSUGAI/甘い恋人 〜for the movie〜
デトロイトメタルシティ/根岸崇一 SONG BY カジヒデキ
32087
231
鐘を鳴らして
BONNIE PINK
6727
750
笑顔の未来へ
エレファントカシマシ
23001
324
sunny day
藤木一恵
8682
623
ふたり
柴田淳
5923
817
桜ノ雨
absorb/feat 初音ミク
4867
929
Last train~新しい朝~
knotlamp
9628
587
早春ラプソディ
RAG FAIR
5765
836
江戸の手鞠唄
五木寛
26804
273
アイのうた
福井舞
249024
25
dreams come true
Hey!Say!JUMP
11178
529
promise
soner pocket
高橋秀幸(projectR)谷本貴義 大石憲一郎with炎神キ
ッズ
月のあかり/ファイナルファンタジー4愛のテー
伊田恵美
マ
RoyalChocolateFlush
MISIA
弾丸ファイター
SMAP
318
sprinter/aria
kalafina
6697
752
雨上がり
大石まどか
47955
147
クラゲ流れ星
大塚愛
8004
657
stay with you
飛輪海
87002
82
ブルーバード
いきものがかり
9710
581
つたわり/つたわれ!
峰田に美津留
10120
562
ひとさしゆびクワイエット!
N's
6366
781
冬のカスタネット
メリー
12987
484
朝霧情話
大石まどか
14366
448
ガンダム
吉野裕之 come across アレルヤ・ハプティズム
4840
933
恋に敗れて
竹島寛
6903
737
おんなの日本海
島津悦子
9974
569
愛のうた
倖田來未
40789
175
橋場の渡し
五木ひろし
6075
808
Sing a song forever
M
520289
3
I AM YOUR SINGER
サザンオールスターズ
5079
901
光
銀杏 BOYZ
4710
945
学園天国
並木瑠璃
49492
144
アナタボシ
Milky Way
37664
191
ひとり薩摩道
水守香
7897
667
港の挽歌
鳥羽一郎
74292
104
Love,too Death,too
ポルノグラフィティ
35172
206
足跡
BAReeeeeeeeeeN
13361
475
爆走夢歌
diggy-MO
239245
26
HAPPY BIRTHDAY
NEWS
346217
14
崖の上のポニョ
藤岡藤巻と大橋のぞみ
4302
995
君去りし誘惑
上木彩矢
8050
651
忠治流れ旅/こぼれ紅
北島三郎
6903
737
おんなの日本海
島津悦子
30988
243
ヒラヒラヒラク秘密の扉
チャットモンチー
5387
872
coolmusic
gollbetty
7933
662
メグメル~cuckollmiv2007/だんご大家族
eufonius/茶太
4775
940
yell
KRA
33942
215
抱きしめてあげる/花束
徳永英明
7906
665
173586
35
23309
7562
688
engaged
観月ありさ
18982
373
博多川
三門忠司
6592
763
さくら(独唱)
森山直太郎
10503
410
望郷ひとり泣き
長山洋子
17131
401
石北本線
多岐川舞子
7933
662
メグメル~cuckollmiv2007/だんご大家族
eufonius/茶太
5500
860
live or die
rize
8653
625
cycle
チェリーブロッサム
13139
479
はじめて
一青窈
(2)説明変数
本章では、楽曲 CD の客観的事実に基づく特性のみを変数として取り扱った。
アーティストの外見やジャケットの印象など、ユーザーの主観は混じらないものと考え
ている。それらの主観的要因を考慮した推計は次章で行うことにした。
分析に使用した変数の詳細は以下の通りである。
表2
属性名
変数の定義
年齢(log)
CD 発売時のアーティストの年齢の対数
デビュー何年(log)
アーティストがメジャーデビューしてからの年数の対数
人数(log)
グループの人数の対数
男女比率
グループ全体における男性の割合。すべて男性で 1
レコード会社シェア
アーティストの所属するレコード会社のシェア(単位:%)
過去の売上
直近 1 年間の売上枚数
CM
CM に採用されている曲に 1、それ以外に 0
ドラマ
ドラマの主題歌に 1、それ以外に 0
TV(その他)
その他の TV 番組とタイアップした曲に 1、それ以外に 0
映画
映画の主題歌に 1、それ以外に 0
作詞
アーティスト自身の作詞に 1、それ以外に 0
作曲
アーティスト自身の作曲に 1、それ以外に 0
その他
上記以外のタイアップに 1、それ以外に 0
また以下に説明変数の詳細を示した。
表3
Mean
Std Dev
Minimum
Maximum
Skewness
Kurtosis
年齢(log)
3.374
0.358
2.197
4.277
-0.134
1.1
デビュー何年(log)
1.564
1.247
0
3.85
0.056
-1.319
人数(log)
0.688
0.791
0
3.434
0.782
-0.058
男女比率
0.577
0.476
0
1
-0.344
-1.84
レコード会社シェア
3.404
5.249
0
21.6
2.235
4.326
111.894
201.643
0
1035.5
2.933
8.931
CM
0.06
0.239
0
1
3.762
12.401
ドラマ
0.08
0.273
0
1
3.144
8.043
0.4
0.4921
0
1
0.414
-1.866
映画
0.08
0.2721
0
1
3.144
8.043
作詞
0.44
0.499
0
1
0.245
-1.979
作曲
0.37
0.485
0
1
0.547
-1.736
その他
0.05
0.219
0
1
4.193
15.895
過去の売上
TV(その他)
表 3 は各説明変数の平均、標準偏差、最小値、最大値、歪度、尖度を示したものである。
以上のデータを用いて OLS 分析を行う。なお、被説明変数は前章と同じく、各曲の年間
売上枚数である。
(3)推計結果と考察
Variable
Coefficient
t-statistic
年齢(log)
1973.834
0.083
デビュー何年目(log)
2769.248
0.399
人数(log)
8426.55
1.012
男女比率
-145.832
-0.01
レコード会社シェア
-157.255
-0.131
247.003
6.675***
42856.57
1.463
29467.636
1.188
8124.083
0.529
映画
38968.367
1.626
作詞
-7907.249
-0.411
作曲
8980.537
0.44
30718.813
1.136
過去の売り上げ
CM
ドラマ
TV
その他
自由度修正済決定係数 R-squared=0.495
決定係数は高いが、全体として良い結果は得られなかった。唯一、過去の売上枚数のみ
が有意な結果となっている。ここで、今回用いた過去の売上枚数は直近 1 年間のものであ
るため、被説明変数である、対象となる CD そのものの売上枚数と非常によく似た性質で
あることが想像できる。よって過去の売上枚数が他の説明変数と相関を持ち、多重共線性
の問題を起こしている可能性が考えられる。決定係数が高まっているのもこれが原因と思
われる。
そこで、説明変数から過去の売上枚数を除いて再度 OLS 分析を行った。以下がその結果
である。
Variable
年齢(log)
Coefficient
t-statistic
-52569.519
-1.932*
デビュー何年(log)
19927.874
2.527**
人数(log)
21178.699
2.134**
男女比率
26717.338
1.612
レコード会社シェア
-1167.021
-0.803
133234.348
4.189***
ドラマ
61315.188
2.057**
TV
24346.727
1.312
映画
53768.616
1.84*
作詞
-11891.232
-0.505
作曲
-4409.842
-0.177
その他
70121.093
2.17**
CM
自由度修正済決定係数 R-squared=0.243
概ね良好な結果を得られた。過去の売上が他の説明変数と多重共線性を起こしていると
いう推測は正しかったようだ。
○決定係数
以前の結果よりも下がったが、クロス・セクションデータの決定係数としては十分な説
明力を持っていると言える。
○各説明変数
・年齢
マイナスに有意となっている。アーティストの年齢が若い方が売上に良い影響を与える
といえる。
・デビュー何年目(log)
・人数(log)
・CM
・ドラマ
・その他
いずれもプラスに有意な値が得られた。特に、年齢は若い方が良い影響を与えるが、一
定の経験を持たないと売上には良い影響を与えないという意味で、デビュー何年目(log)の
推定値は興味深いものと言える。
・作詞
・作曲
有意でこそないが、マイナスの結果が出ている。アーティスト本人が作詞作曲するより
も、作詞・作曲の本職が曲を作った方がよい作品が生まれる可能性があるということと、
サンプルの抽出方法を再考したことでセレクションバイアスが解消されたことも考えられ
る。
第四章 2008 年の分析(
年の分析(客観+主観)
客観+主観)
これまで CD 売上に影響を与える客観的要因のみを見てきたが、
ここでは消費者が CD を
購入する際に、各個人が抱くであろう主観的要因に注目していきたい。今回主観的要因と
してルックス、認知度、歌唱力の 3 点を考える。これら 3 点の指標はアンケートを行い、
測定した。各指標の定義は以下のようにする。
ルックス:抽出された 100 曲のアーティストの写真を見せ、普通(1 点)
、良い(1 点)、と
ても良い(3 点の)の3段階で評価し、平均化したものを得点とする。例えば、アーティス
ト A に対してa氏→良い(2 点)、b氏→普通(1 点)、c氏→とても良い(3 点)…という
ふうに測定していく。
認知度:ルックスのアンケート時の写真を見て、そのアンケートを知っているか否かを答
えてもらい、知っていると回答した人の割合(%)を測定する。
歌唱力:抽出された 100 曲を聴いてもらい各アーティストの歌唱力をルックスのアンケー
トと同様に普通(1 点)、良い(2 点)
、とても良い(3 点)の 3 段階で評価し、平均化した
ものを得点とする。
以上 3 点の指標を前述の客観的指標に加えて回答者全体、回答者男性のみ、回答者女性
のみの 3 通りに分けて OLS 分析を行う。
新たに加わった変数の詳細を以下に掲載する。
表4
Mean
Std Dev
Minimum
Maximum
Median
Mode
ルックス(全体)
1.43
0.35
0.86
2.29
1.36
1.29
ルックス(男性のみ)
1.55
0.35
1
2.4
1.44
1.33
ルックス(女性のみ)
1.53
0.54
1
3
1.5
1
認知度(全体)
19.6
26.5
0
92.3
7.69
0
認知度(男性のみ)
17.44
27.32
0
100
0
0
認知度(女性のみ)
24.5
31.78
0
100
0
0
歌唱力(全体)
1.9
0.55
1
3
2
1.75
歌唱力(男性のみ)
1.84
0.57
1
3
2
2
歌唱力(女性のみ)
1.97
0.61
1
3
2
2
表 4 は各特性値の平均、標準偏差、最小値、最大値、中間値、最頻値を示したものであ
る。
では、ここから順次回帰分析を行っていく。まず始めに客観データと男性、女性のアン
ケート結果を合わせた主観データ全体について推計を行う。
・客観データ+主観データ(全体)回帰分析結果
Variable
Coefficient
t-statistic
作詞
-17096.9
-0.74816
作曲
-53.2891
-0.00221
レコード会社シェア
-181.92
-0.12757
CM
112961.4
3.459109 ***
ドラマ
47089.65
1.584869
TV
21437.55
1.179591
映画
40699.32
1.428508
その他
68222.36
2.186006 **
年齢(log)
-42233.6
-1.5524
デビュー何年(log)
10045.41
1.184358
人数(log)
22821.02
2.314079 **
男女比率
12910.94
0.760597
ルックス(全体)
-12703.2
-0.56079
認知度(全体)
895.8038
3.06927 ***
歌唱力(全体)
17465.91
1.053154
自由度修正済決定係数 R-squared=0.307
ここでは、決定係数が 0.307 と一定の説明力を持った結果となり、タイアップダミーの
CM とその他、人数(log)、認知度が有意となった。また、ドラマ、映画、年齢(log)も
有意に近い結果となった。続いて、客観データと男性のアンケート結果のみの主観データ
について推計を行う。
・客観データ+主観データ(男性)回帰分析結果
Variable
Coefficient
t-statistic
作詞
-15113.6
-0.6542
作曲
-1731.1
-0.07093
-232.216
-0.16009
CM
117371.4
3.615489 ***
ドラマ
49766.7
1.688426 *
TV
22185.33
1.206245
映画
44836.67
1.55081
その他
73262.76
2.326806 **
年齢(log)
-39903.7
-1.46446
デビュー何年(log)
11748.71
1.404692
人数(log)
26167.51
2.558706 ***
男女比率
14840.91
0.883341
ルックス(男性)
7478.208
0.340059
認知度(男性)
726.1598
2.646748 ***
歌唱力(男性)
18949.87
1.227178
レコード会社シェ
ア
自由度修正済決定係数 R-squared=0.286021
ここでは、
決定係数が 0.286 となり、
タイアップダミーの CM,ドラマとその他、人数(log)
、
認知度が有意となった。また、映画、年齢(log)、デビュー何年(log)も有意に近い結果
となった。
続いて客観データと女性のアンケート結果のみの主観データについて推計を行う。
・客観データ+主観データ(女性)回帰分析
Variable
Coefficient
t-statistic
作詞
-23628.5
-1.06463
作曲
6879.173
0.291889
レコード会社シェア
-305.096
-0.2231
CM
105439
3.276815 ***
ドラマ
58469.39
1.993904 **
TV
21278.73
1.212385
映画
37258.59
1.353321
その他
50384.87
1.617751
年齢(log)
-50715.3
-1.91234 *
デビュー何年(log)
11846.78
1.453431
人数(log)
17256.32
1.843059 *
男女比率
6837.398
0.401714
ルックス(女性)
-37336.3
-2.50421 **
認知度(女性)
1034.816
3.788001 ***
歌唱力(女性)
7423.755
0.505148
自由度修正済決定係数 R-squared=0.351
ここでは、決定係数が 0.351 とここまでで最も説明力のある結果となった。また、タイ
アップダミーの CM とドラマ、年齢(log)
、人数(log)、ルックス、認知度が有意となった。
そして、映画、年齢(log)、デビュー何年(log)も有意に近い結果となった。
ここまで全体、男性、女性データのすべてで CM、認知度、人数(log)が有意となった。
さらに CM 以外のタイアップダミーも有意もしくは有意に近い結果となっていることから、
CD の売上にはその曲が世間にどの程度広まっているかということが重要であると言える。
一方、ルックスは全体、男性データでは有意にならず、女性データではマイナスに有意と
なっており、歌唱力は全体、男性、女性データのすべてで有意な結果が得られなかった。
このことから、ルックス、歌唱力は今回の方法では上手く推計できなかったのかもしれな
いと考えられる。これを受け、以下では前述のデータからルックスと歌唱力の指標を取り
除いたデータで回帰分析を行っていく。なお、ここでも同様に全体データ、男性データ、
女性データの 3 パターンに分けて推計する。
まず、客観データと全体の認知度のデータについて回帰分析を行う。
・客観データ+認知度データ(全体)
Variable
Coefficient
t-statistic
作詞
-14837.6
-0.65925
作曲
4014.702
0.167991
レコード会社シェア
-377.002
-0.26699
CM
105440.8
3.322132 ***
ドラマ
45019.98
1.553605
TV
18272.64
1.024446
映画
38186.46
1.345126
その他
63361.57
2.047265 **
年齢(log)
-35512
-1.33489
デビュー何年(log)
13040.79
1.657379 *
人数(log)
21599
2.277173 **
男女比率
11228.01
0.675031
認知度(全体)
874.1337
3.040809 **
自由度修正済決定係数 R-squared=0.309
ここでは決定係数が 0.309 とルックス、歌唱力を含むデータよりも若干ではあるが説明
力のある結果となった。また、ルックス、歌唱力を含むデータのときに有意だった CM、そ
の他、人数(log)、認知度に加えてデビュー何年(log)も有意となった。続いて客観デー
タと男性の認知度のデータについて推計を行う。
・客観データ+認知度データ(男)
Variable
Coefficient
t-statistic
作詞
-12261.7
-0.53795
作曲
120.3745
0.00499
レコード会社シェア
-464.403
-0.32411
CM
116030.7
ドラマ
50169.69
1.718945 *
TV
20815.92
1.155273
映画
42032.93
1.466364
その他
70777.02
2.261823 **
年齢(log)
-39009.4
-1.45147
デビュー何年(log)
15198.17
1.935134 *
人数(log)
22546.53
2.341759 **
男女比率
14465.85
0.864459
認知度(男性)
704.5575
3.681364
***
2.587949
***
自由度修正済決定係数 R-squared=0.29
ここでは決定係数 0.29 となり男性データの場合も若干ではあるが、説明力が上がった結
果となった。そしてルックス、歌唱力を含むデータのときに有意だった CM、ドラマ、その
他、人数(log)、認知度に加えてデビュー何年(log)も有意となった。また、映画、年齢
(log)も有意に近い結果となった。続いて客観データと女性の認知度のデータについて推
計を行う。
・客観データ+認知度データ(女)
Variable
Coefficient
t-statistic
作詞
-19702.9
-0.87435
作曲
9064.862
0.377295
レコード会社シェア
-612.635
-0.4396
CM
94544.43
2.895118 ***
ドラマ
41335.35
1.422279
TV
15306.83
0.855821
映画
37414.97
1.322512
その他
48354.95
1.534549
年齢(log)
-36488.6
-1.38222
デビュー何年(log)
11532.32
1.448418
人数(log)
18935.84
1.99878 **
男女比率
11956.48
0.72687
認知度(女性)
799.4507
3.161045 ***
自由度修正済決定係数 R-squared=0.314
ここでは決定係数が 0.314 となっており、CM、人数(log)
、認知度が有意となった。ま
た、ドラマ、その他、デビュー何年(log)も有意に近い結果となった。
以上の結果を踏まえて、今回は客観データ+認知度
客観データ+認知度データ(全体)
客観データ+認知度データ(全体)の結果をモデルとし
データ(全体)
て採用する。
・客観データ+認知度データ(全体)
Variable
Coefficient
t-statistic
作詞
-14837.6
-0.65925
作曲
4014.702
0.167991
レコード会社シェア
-377.002
-0.26699
CM
105440.8
3.322132 ***
ドラマ
45019.98
1.553605
TV
18272.64
1.024446
映画
38186.46
1.345126
その他
63361.57
2.047265 **
年齢(log)
-35512
-1.33489
デビュー何年(log)
13040.79
1.657379 *
人数(log)
21599
2.277173 **
男女比率
11228.01
0.675031
認知度(全体)
874.1337
3.040809 **
自由度修正済決定係数 R-squared=0.309
この結果を用いて以下のような推計モデルを考える。
Y=83794.97533-14837.60684[作詞]+4014.701763[作曲]-377.0015343[レコード会社シ
ェア]+105440.8416[CM]+45019.97762[ドラマ]+18272.64319[TV]+38186.45587[映画]
+63361.56933[その他]-35512.01052[年齢(log)]+13040.79132[デビュー何年(log)]+
21599.00209[人数(log)]+11228.00953[男女比率]+874.1337271[認知度]
第五章 実証分析
ではこのモデルを使って売上を推計していく。
今回使用するデータは 2008 年度 TOP1000
に入っている曲のうち、抽出された 100 曲以外の1曲をランダムに選択し、その理論値と
しての売上と実際の売上を比較していく。
今回は以下の曲を検証に用いた。
曲名
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アーティスト
清水翔太
順位
100 位
売上
128376
作詞
1
作曲
1
レコード会社シェア
3.9
CM
1
ドラマ
0
TV
0
映画
0
その他
0
年齢(log)
2.944
デビュー何年(log)
0
人数(log)
0
男女比率
1
認知度
46.153
Y=83794.97533-14837.60684[作詞]+4014.701763[作曲]-377.0015343[レコード会社シ
ェア]+105440.8416[CM]+45019.97762[ドラマ]+18272.64319[TV]+38186.45587[映画]
+63361.56933[その他]-35512.01052[年齢(log)]+13040.79132[デビュー何年(log)]+
21599.00209[人数(log)]+11228.00953[男女比率]+874.1337271[認知度]
このデータを上のモデルにあてはめたところ、売上の理論値は 123952.3009 となった。
売上の実際の値は 128376 なので、近似した値であり、今回は一定の精度を持った推計を行
うことができたと言える。
参考文献
「オリコン年鑑2009」
、オリコン・エンタテイメント、2009 年 2 月 28 日発行
ロジスティック・モデルから求めた音楽 CD 売上予測
http://www.seikei.ac.jp/university/library/st/journal/V044/JFST440108.pdf(2010 年 9 月
12 日)
音楽ネットワーク配信によるビジネスの新展開
http://www2.ngu.ac.jp/~kkojima/seminar/06e/06e0038.pdf(2010 年 9 月 12 日)
一般社団法人 日本レコード協会
http://www.riaj.or.jp/(2010 年 9 月 12 日)
昭和と平成におけるヒット曲=流行歌の調性、テンポと経済状況の関係
http://econon.cun.jp/abef/doc/2008projno10_hobara.pdf(2010 年 9 月 12 日)
「オリコンの法則:なぜ「売れる」のか?」 小池聡行
東京 : 総合法令出版 1997
「ORICON エンタメ・マーケット白書. 2009」
「オリコン・リサーチ : オリコン・エンタテインメント 2010」
「アーティストマネジメント仕組みのすべて」(出版社 : オリコン・エンタテインメント)