SPring-8 利用推進協議会 次世代先端デバイス研究会 (第1回) a-IGZO薄膜の局所構造及び 電子状態解析 ㈱コベルコ科研 エレクトロニクス事業部 安野 聡 1 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 Outline 1. 背景 a-InGaZnO(IGZO)の特徴と課題 2. 研究の目的 研究事例の紹介 3. XAFSによるa-IGZO薄膜の局所構造解析 4. a-IGZO薄膜における諸特性の 成膜ガス圧力依存性 (HAXPES) 5. HAXPESによるMetal/a-IGZOの界面状態分析 2 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 1. 背景 新しいディスプレイ駆動技術(TFT)が必要 解像度、駆動フレームレートの増大によりTFT(トランジスタ)には高い移動度が要求される a-Siに代わる新しいTFTチャネル材が必要 3 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 1. 背景 アモルファス酸化物半導体 ・(n-1)d10ns0 (非占有なs軌道を持つ)、電子配置を有する金属原子が酸素とイオン性結合 ・酸素欠損がドナーとなり、n型のキャリア伝導を示す ・伝導帯下端は金属原子のs軌道で構成。球対称、空間的に拡がりが大きいため、アモルファス 構造でも、構造乱れの影響を受けにくい Si 指向性の強いsp3混成軌道が伝導キャリアのパスを形成。歪んだアモルファス構造で は、高密度で深い準位を形成する。 結晶Si 1500cm2/Vs → a-Si 1cm2/Vs Hosono et. al., Nature, 432, 488 (2004) 4 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 1. 背景 アモルファス酸化物半導体(InGaZnO、ZnSnO、InZnO)の特徴 ・高移動度、大面積性 移動度>10cm2/Vs a-Si-Hの十倍以上 大画面、高精細 への応用 ・低温プロセス性 低耐熱(<200℃)基板上でのプロセス構築が可能 フレキシブルディスプレイへの応用 ・透明性(Eg>3.0eV) 10cm2/Vs近い 電界効果移動度 可視光透明 透明エレクトロニクスへの展開 ■酸化物半導体の適用アプリケーション 1) 超高解像度(Ultra High Definition: 4k-2k), 3D, Glassless 2) タブレット型PC, 高解像度350ppi Hosono et. al., Jpn, J. Appl. Phys., 45, 4303 (2006) 3) OLED 5 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 1. 背景 各種TFTチャネル材料の比較 チャネル領域 a-Si Poly-Si Organics スパッタリング PECVD レーザー アニール 蒸着 RT 300 450 100 電界効果 移動度 (cm2/Vs) ~12 0.5 30~300 ~5 透過度(%) >80 <20 <20 >80 大面積化 ○ ○ × ○ 成膜方法 プロセス温度 (℃) a-InGaZnO4 酸化物半導体:高移動度かつ大面積成膜可能 ⇒タブレットPC~大型TVまで広い範囲に適用 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 6 1. 背景 酸化物半導体の課題 ①移動度の低下 薄膜トランジスタ(TFT) 欠陥 酸化物半導体 保護絶縁膜 電子 酸化物 ゲート ドレイン 半導体 保護 電極 ゲート 絶縁膜 電極 絶縁膜 ドレイン電流 伝導帯 移動度 ゲート電圧 ゲート絶縁膜 ゲート電極 欠陥 光 正孔 ドレイン電流 ②信頼性低下(光ストレス耐性) しきい値シフト ゲート電圧 7 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 6 1. 背景 酸化物半導体の課題 プロセスダメージ 移動度の面内ばらつき μSAT mapping (6 inch wafer) 物理的解釈は? ・TFT特性(移動度)と状態密度の関係 ・Vthシフト要因(界面電荷トラップ、準位の発生) ・Vthの時間シフト(拡張指数型モデル) ・光照射時の不安定性、遅い応答性 ・酸素欠損 実用化に向けた課題が多く、基本的な物理機構の解釈も進んでいない 8 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 2. 研究の目的 研究目的 a-IGZO薄膜における物理的機構を放射光分析をはじめとした 各種評価技術を駆使して解明する。 放射光分析に期待 ターゲット 特性改善へ向けた指針 材料開発 物理特性の把握 プロセスへフィードバック 検査装置 実用化 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 9 3. 研究事例紹介 XAFSによるIGZO薄膜の局所構造解析 -熱処理温度依存性- 10 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 3. 研究事例紹介 a-IGZOを構成する各元素の特性 各金属元素の役割 ・In 5S軌道 キャリアのパス ・Ga キャリアコントロール 酸素欠損起因? ・Zn アモルファス性 ・理論予測や電気特性の結果は整ってい るが、物理分析による評価事例が少ない ・多元系酸化物 XAFS で分析が難しい ・アモルファスOK ・アモルファス材料 ・元素選択性 ・配位数 シミュレーションによる 欠陥や状態密度の予測 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 ・結合距離 11 3. 研究事例紹介 実験方法 意図的に酸素欠損を 導入するため、O2を含まな いArスパッタガスにより成 膜を実施した。 Metal(In, Ga, Zn)-Oの 結合距離、 酸素配位数を評価する BL14B2 一般課題/成果非占有 (2012A1759、2012B1882) にて実施 12 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 28000 Energy (eV) 28050 10350 10400 10450 Energy (eV) Zn-K edge XANES 9650 9700 9750 Energy (eV) 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 9800 10500 (015) (104) (101) XRD pattern (006) as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ ZnO (Reference) (11-9) (024) 27950 as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ Ga2O3 (Reference) (110) (0114) as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ In2O3 (Reference) Ga-K edge XANES (018) (1010) In-K edge XANES Normalized Intensity (arb. units) XANESスペクトル Intensity (Arb. units) Normalized Intensity (arb. units) Normalized Intensity (arb. units) 3. 研究事例紹介 700℃ 500℃ 350℃ as-deposited 20 40 60 2θ (degree) 80 100 13 3. 研究事例紹介 Zn-K edge RSF In-K edge RSF as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ In-O 6 In-In 4 2 0 0 1 2 3 R (Å) 4 5 as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ 8 Zn-O 6 Magnitude (arb. units) 8 10 10 Magnitude (arb. units) Magnitude (arb. units) 10 In, Zn, Ga原子周りの動径構造関数 Zn-Zn(Ga) 4 2 0 0 1 2 3 R (Å) 4 5 Ga-K edge RSF Ga-O as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ 8 6 Ga-Ga(Zn) 4 2 0 0 1 2 3 R (Å) 4 5 ピーク強度が大きく 変化しない 2nd Peak:各元素とも500度以上で第二隣接ピークが出現。 ⇒クラスターサイズ増大 1st Peak:In, Znの第一隣接ピークは熱処理温度に依存してピーク強度が 変化。一方Gaはほとんど変化しない。 ⇒酸素配位数変化 14 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 3. 研究事例紹介 局所構造解析結果(1st Peak) Metal-O 結合距離 酸素配位数 6.0 In-O Bond length (Å) 2.10 Zn-O 2.05 2.00 1.90 Ga-O 1.85 1.80 1.75 Coordination number of oxygen 2.15 In-O 5.5 5.0 3.5 3.0 as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ anneal condition Ga-Oは他の金属元素に比べて 結合距離が短い Ga-O 4.0 Zn-O as-deposited 350℃ 500℃ 700℃ anneal condition In及びZnは温度増加に伴って、 酸素配位数が増加。Gaはほとんど 変化しない。 Ga-Oは安定的に存在。酸素欠損を形成しにくい。 15 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 3. 研究事例紹介 状態密度評価 Zn 3d EF as-depo 350℃ 500℃ 700℃ O 2p 10 吸収スペクトル 4 2 0 Binding Energy (eV) 5 Binding Energy (eV) 0 Absorption coefficient (cm-1) Intensity (arb. units) Valence band 105 as-depo 350℃ 500℃ 700℃ 4 10 103 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 Energy (eV) 熱処理温度の増加に伴って、サブギャップ準位が減少。 酸素欠損の改善や結晶性の向上が起因する可能性。 16 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 3. 研究事例紹介 まとめ アニール前 アニール後 アニール ・InやZn周りの酸素欠損が改善 ・結晶性が改善 価電子帯裾近傍の準位 InやZn周りの酸素欠損が関与する可能性 価電子帯裾準位が低減 XAFSによりIn, Ga, Znの各元素の特性を示すことができた。 材料開発において、元素の特性評価に使用できる。 17 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 4. 研究事例紹介 スパッタガス圧力が及ぼす a-IGZO薄膜の諸特性の評価 18 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 4. 研究事例紹介 ガス圧依存性 a-IGZO TFT applicationの課題 ・安定性 (バイアス、光、熱ストレスなど) TFTプロセス工程や成膜条件 ・信頼性 の最適化による特性改善が重要な課題 ・プロセス工数の削減 a-IGZO薄膜における成膜ガス圧力依存 性を様々な物理評価手法により評価。 成膜ガス圧力が各種物理特性や電気特 性に及ぼす影響やそのメカニズムを調べ る。 Thakur et. al., Mater. Res. Bull, 47, 2911 (2012) Nakano et. al., IDW’11 proceeding, 1271 (2011) 近年スパッタ成膜時のガス圧やO2分圧がTFT特性に 大きな影響を及ぼすことが報告されている。 HAXPES ・膜質の主たる部分を反映する試料深部 (バルク領域)の結合状態、状態密度 ・非破壊で評価 ・高強度-感度が良い 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 19 4. 研究事例紹介 実験方法 膜質の主たる部分を 反映する試料深部 (バルク領域)を非破壊 で、詳細に評価可能 HAXPESにより a-IGZOのバルク領域 における結合状態、 価電子帯の状態密度を 評価する。 BL47XU 重点産業利用/成果非占有 (2011A1732)にて実施 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 20 4. 研究事例紹介 -2 10 -4 10 ガス圧依存性 (TFT特性) Id-Vg 特性 光ストレス試験の結果 5 1 mTorr 10 mTorr ∆Vth (V) Ids (A) 10-6 10-8 0 1 mTorr しきい値が大きくシフト -5 10 mTorr 10-10 10-12 -30 -20 -10 Sputtering pressure 1 mTorr 10 mTorr 0 Vg (V) -100 10 20 30 2000 4000 6000 8000 10000 12000 Time (s) TFT Id -Vg 2 μFE(cm /Vs) 8.4 6.8 SS(V/decade) 0.24 0.26 V th(V) -0.75 -0.75 108 108 1mTorrで成膜したa-IGZO TFTは、10mTorrに比べてTFT特性(飽和移動度、サブスレショルドスウィ ング値)や、光バイアスストレスのVthシフトが改善されている。 21 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 4. 研究事例紹介 ガス圧依存性 (構造特性評価) 0.4 0.6 1.0 1 mTorr 10 mTorr 1 2 3 2θ (degree) AFM 0.25 mTorr 0.8 4 5 6.4 Film density 6.2 6.0 5.8 5.6 0 2 4 Sputtering pressure (mTorr) ラフネスが増加 1 mTorr 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 AFM roughness 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 6 8 10 XRR roughness Surface roughness (nm) 10 10-1 10-2 10-3 10-4 10-5 10-6 0 6.6 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 Film density (g/cm3) Intensity (Arb. units) X線反射率(XRR) 10 mTorr 成膜ガス圧力の減少 に伴って、膜密度が 増加し、表面ラフネス が減少する。 22 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 448 Oxide In 3d5/2 446 444 Binding energy(eV) 442 1mTorr Oxide 10mTorr 1mTorr 10mTorr Ga 2p3/2 Oxide Zn 2p3/2 Intensity(arb.units) 1mTorr 10mTorr ガス圧依存性 (HAXPES 結合状態) Intensity(arb.units) Intensity(arb.units) 4. 研究事例紹介 1124 1122 1120 1118 1116 1114 Binding energy(eV) 1026 1024 1022 1020 Binding energy(eV) 1018 Metal元素ピーク Intensity (arb.units) In, Ga, Znは酸化物を形成。試料間の僅かなピーク位置のずれは、 キャリア密度(フェルミレベル)やチャージアップの差異が起因する可能性がある。 1mTorr 10mTorr Metal Oxide O1s 主ピークに大きな差異は認められない。 高エネルギー側にショルダー領域が認められ、 試料間で差異が見られる。 水酸化物等に由来すると推定される。 -OH 534 532 530 Binding energy (eV) 酸素ピーク 528 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 IGZO膜中(バルク領域)で水素濃度に差異がある? 23 ガス圧依存性 (水素濃度) 6000 2000 65 70 75 80 85 1 mTorr Energy (keV) 10 mTorr 1 mTorr (as-deposited) 10 mTorr(as-deposited) 90 95 106 1 mTorr 10 mTorr 1 mTorr (as-deposited) 10 mTorr(as-deposited) as-depo 105 Wet annealing Wet annealing as-depo 0 65 70 75 80 85 90 95 Energy (keV) Sputtering pressure 1 mTorr 10 mTorr 10mTorr 1mTorr 104 0 10 20 30 40 50 60 70 80 Depth (nm) as-deposited wet annealed H conc. (at.%) H conc. (at.%) ・・・ 10.8 1.1 4.4 H- Yield (arb. units) 107 H 4000 H- yield (SIMS) vs sputtering pressure SIMS HERDA(高分解能反跳粒子検出法) 8000 Yield Yield (counts/keV) 4. 研究事例紹介 Wet annealing as-deposited 0 2 4 6 8 10 Sputtering pressure (mTorr) ガス圧が大きいほど水素濃度が高い。 HAXPES O1sピークの傾向と合致する。 24 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 4. 研究事例紹介 ガス圧依存性 (HAXPES 状態密度) 光照射による準安定構造モデル HAXPES Valence band EF Zn3d 4 2 5 0 O2p ∆Vth (V) Intensity (arb.units) 1 mTorr 10 mTorr 14 12 10 8 6 4 2 Binding energy (eV) フェルミ直下に準位を確認。ガス圧力が小 さいほど準位密度が小さい。 0 0 1 mTorr -5 10 mTorr -100 2000 4000 6000 8000 10000 12000 Time (s) 光ストレスにおけるしきい値シフト量と関係がある? 25 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 4. 研究事例紹介 状態密度 Ga濃度依存(HAXPES) 光ストレス試験の結果 バレンスバンド(Ga組成比依存性) Normalized Intensity 1.0 EF 0.8 0.6 0.4 5 0.2 0.0 12 4 3 2 1 0 IGZO(1:4:1) IGZO(1:2:1) IGZO(1:1:1) 10 8 6 4 2 Binding energy(eV) 0 -2 ・Ga濃度に依存して、準位密度が変化 ⇒光ストレスの傾向と相関性がある? ・ガス圧の準位-光ストレスの傾向と一致 26 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 4. 研究事例紹介 Particle Energy (eV) ガス圧依存性のメカニズム スパッタ粒子の運動エネルギー Substrate Growing film IGZO Ar0 Bombardment Accelerating in cathode voltage Inert Gases Ar+ Ar+ IGZO Scattering Sputtering O- Ar+ 3 Sputter particle of IGZO 2 1 0 Sputter gas particle (Ar0) 0 2 4 6 8 10 12 Sputtering pressure (mTorr) Recoil Sputtering Target Kevin Meyer equation E EF = ( E0 − k BTG )exp Nln( f ) + k BTG Ei E0 : Energy of the sputtered particles as it leaves the traget TG : Sputtering gas temperature Ef/Ei : Ratio of the energies before and after a collision N : Number of collisions ・膜質(欠陥)、膜密度、ラフネス スパッタガス圧力に依存したスパッタ粒子の エネルギーが影響する。 ・水素濃度 成膜速度⇒チャンバー中残留水素とスパッタ粒子 の反応時間が影響する 。 27 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 5. 研究事例紹介 HAXPESによるMetal/a-IGZOの 界面状態分析 28 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 5. 研究事例紹介 Metal/a-IGZOの界面状態分析 a-IGZO TFT(薄膜トランジスタ)において、S_D(ソース_ドレイン)電極材料に依存したTFT特性のばらつきが問題と なっている。TFTプロセスの熱履歴がS_D/半導体界面に影響を及ぼす事が知られているが、界面の結合状態などは 良く分かっていない。このためスパッタエッチングによる深さ方向分析が可能なXPSにより界面状態を評価した。 XPS分析方向 Ti IGZO G/I TFT Glass-sub. TFT素子 フラットパネルディスプレイ In3d a-IGZO Ti 電極 In3d3/2 Ti Mo In3d5/2 Oxide 100 深部(IGZO層)側 x 10 4 14 Ti Intensity (arb. units) 12 80 O 70 10 8 6 4 Metal 2 0 60 458 456 454 452 450 448 446 444 Binding Energy (eV) 442 440 40 Ga(Oxide) 30 C 20 10 x 10 4 14 10 20 30 40 Sputter depth (nm) 50 深部(IGZO層)側 12 Zn 0 0 Oxide Ga2p3/2 In(Oxide) Ga(Metal) In(Metal) 60 Arスパッタの影響は問題ないか? 438 表面(電極Ti)側 50 Intensity (arb. units) Atomic concentration (%) 90 検出深さの深いHAXPESを使用すること でスパッタ無しで深部の状態分析ができる。 10 8 6 4 Metal 2 0 1128 1126 界面にIn, Gaメタルを確認 1124 1122 1120 1118 1116 1114 1110 1108 Binding Energy (eV) 表面(電極Ti)側 Soft X-rays (Al Ka線1486.7 eV)とAr+スパッタ併用した結果 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 1112 HAXPESにて同構造のサンプルを評価。 BL46XU 重点産業利用/成果非占有 (2010A1854)にて実施 29 5. 研究事例紹介 Metal/a-IGZOの界面状態分析(HAXPES) Ti/a-IGZO構造 Mo/a-IGZO構造 In 3d5/2 浅い In-Oxide In-Oxide Yield(arb. units) In-Metal Yield(arb. units) In 3d5/2 TOA=15° TOA=30° TOA=80° TOA=15° TOA=30° TOA=80° 深い 450 448 446 444 442 Binding energy(eV) S_D/半導体界面にIn, Gaメタルが 存在する還元層を確認した。 ⇒TFT特性ばらつきの要因と考えられる。 450 448 446 444 442 Binding energy(eV) Inメタルピークは認められず。 Tiのような還元層は存在しない。 30 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 まとめ ・金属元素(In, Ga, Zn)の局所構造をXAFSにより評価。 Ga-Oが最も結合距離が短く、酸素と安定的に結合して存在 →酸素欠損を生成しにくい。 In, Zn周りの酸素欠損が価電子帯近傍の準位形成に関与する可能性がある。 ⇒材料探索方法の確立、新規材料開発 ・ガス圧力に依存したバルク領域における状態密度や結合状態をHAXPESに より評価。 膜密度、フェルミ準位直下の準位、水素の存在量に差異が認められた。 フェルミ準位直下の準位は光耐性に関係する可能性がある。 ⇒プロセス条件の最適化 ・Metal/a-IGZO界面の状態解析を実施。電極材料によって界面の還元層 形成に差異が認められた。 ⇒電極界面の評価方法、材料選定方法の確立 次世代先端デバイス研究会 2014.3.14 31
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