反応速度論 復習問題1 1.

反応速度論
復習問題1
1.反応 A + 3B → 2C + D の反応速度が 2.0 mol dm–3 s–1 であった。各成分の生成、消滅の速度はいくらか?
2.反応 2A + 3B → C + 2D の反応における C の生成速度が 1.0 mol dm–3 s–1 であった。反応速度、および A、B、D の生成、消滅速度はいく
らか?
3.反応速度式 v = k [A]2[B][C]4 であらわされる反応は、A、B それぞれの何次反応か?また、全反応次数は?
4.ある反応の初速度が物質 A の濃度によって、次の表のように変化した。A についての反応次数と速度定数を求めよ。
[A]0 / mol dm–3
2.5 x 10–3
4.1 x 10–3
15 x 10–3
v0 / mol dm–3 s–1
9.0 x 10–8
2.4 x 10–7
3.5 x 10–6
5.ある反応の初速度が物質 B の濃度によって、次の表のように変化した。B についての反応次数と速度定数を求めよ。
[B]0 / mol dm–3
1.0 x 10–3
5.0 x 10–3
10.0 x 10–3
v0 / mol dm–3 s–1
1.74 x 10–3
8.70 x 10–3
1.74 x 10–2
6.はじめ 726 Torr であった気体が 5 %反応した時点での分解速度が 4.28 Torr s–1、20 %反応した時点では 3.04 Torr s–1 であった。反応次数と速
度定数を求めよ。
7.[A]0 = 2.4 x 10–3 mol dm–3 の溶液中の A が、一次反応速度に従って反応して濃度が減少し、反応開始後 15 s 後に [A]15s = 3.0 x 10–4 mol dm–3
のとなる場合、A の反応速度定数と半減期および時定数を求めよ。
8.一次反応速度に従って進行する B の分解反応速度定数 k = 3.0 x 10–3 s–1 であった。初期濃度[B]0 = 5.0 x 10–3 mol dm–3 のとき、反応開始 100 s
後の B の濃度はいくらか。
9.一次反応速度に従って進行する C の分解反応速度について、C の半減期が 25 s であった。初期濃度[C]0 = 4.4 x 10–3 mol dm–3 のとき、反応開
始 30 s 後、および 50 s 後の C の濃度はそれぞれいくらか。
10.初期濃度 4.08 x 10–3 mol dm–3 の化合物 D の濃度が、60 min 後に 1.02 x 10–3 mol dm–3、90 min 後に 5.10 x 10–4 mol dm–3 となった。この
反応が一次反応であるかどうかを確かめるとともに、一次反応である場合には、その反応速度定数を求めよ。
反応速度論
復習問題1
(解答例)
1.–d[A]/dt = 2.0 mol dm–3 s–1、–d[B]/dt = 6.0 mol dm–3 s–1、d[C]/dt = 4.0 mol dm–3 s–1、d[D]/dt = 2.0 mol dm–3 s–1
2.v = 1.0 mol dm–3 s–1、–d[A]/dt = 2.0 mol dm–3 s–1、–d[B]/dt = 3.0 mol dm–3 s–1、d[D]/dt = 2.0 mol dm–3 s–1
3.Aの 2 次反応、Bの 1 次反応、Cの 4 次反応、全反応次数は7
4.v = k [A]a の両辺対数をとると、log v = log k + a log [A] となる。表のデータから次の表が得られる。
log [A]0
–2.60
–2.39
–1.82
log v0
–7.05
–6.62
–5.46
横軸 log [A]0、縦軸 log v0 のグラフをかくと直線が得られる。その傾き(= a)が約2であるから、この反応は2次反応である。
またこの直線の切片(= log k)が約-1.84 であるから、反応速度定数は k = 1.4 x 10–2 mol–1dm3s–1
おわび:演習の際には、下のデータがやや大きくずれた数値になっていました。ここでは、より求めやすい数値に変更してあります。
5.v = k [B]a の両辺対数をとると、log v = log k + b log [B] となる。表のデータから次の表が得られる。
log [B]0
–3.00
–2.30
–2.00
log v0
–2.76
–2.06
–1.76
横軸 log [B]0、縦軸 log v0 のグラフをかくと直線が得られる。その傾き(= b)が1であるから、この反応は 1 次反応である。また直線の切片(= log k)が 0.24 であ
るから、反応速度定数は k = 1.74 s–1
6.v = k pa の両辺対数をとると、log v = log k + a log p となる。圧力と反応速度の関係は、与えられたデータより
p = 726 x (1 – 0.05) = 689.7 [Torr] のとき
v = 4.28 [Torr s-1]、p = 726 x (1 – 0.20) = 580.8 [Torr] のとき
横軸 log p、縦軸 log v のグラフの傾き a は
a = [log (4.28) - log (3.04)] / [log (687.9) - log (580.8)] = 2.0..... よってこの反応は2次反応である。
また、グラフの切片 log k は -5.05 となるから、反応速度定数 k = 8.9 x 10–6 Torr–1s–1
7.この反応は一次反応であるから ln ([A]t / [A]0) = – k t である。したがって
ln {(3.0 x 10–4)/(2.4 x 10–3)} = – 15 k
これを解くと、反応速度定数 k = 1.4 x 10–1 s–1
v = 3.04 [Torr s-1] であるから、
また、半減期 t1/2 = (ln 2) / k = 5.0 s、時定数 = 1 / k = 7.1 s
(注意)ここでは対数は必ず自然対数を用いる。元のデータを見て、半減期が 5.0 s であることに気づけば、その値から k や を求めてもかまわない。
8.この反応は一次反応であるから [B]t = [B]0 e–kt である。したがって求める濃度は
[B]100s = (5.0 x 10–3) exp (–3.0 x 10–3 x 100) = 3.7 x 10–3 mol dm–3
9.この反応は一次反応であるから [C]t = [C]0 e–kt である。
また半減期を t1/2 とすると反応速度定数 k = (ln 2) / t1/2 であるから、この反応の反応速度定数は k = (ln 2) / 25 = 2.77 x 10–2 s–1 となる。したがって、30 s 後および 50
s 後の D の濃度はそれぞれ
[D]30s = (4.4 x 10–3) exp (–2.77 x 10–2 x 30) = 1.9 x 10–3 mol dm–3
[D]50s = (4.4 x 10–3) exp (–2.77 x 10–2 x 50) = 1.1 x 10–3 mol dm–3
10.与えられたデータから
t / min
0
60
90
ln ([D]t/[D]0)
0
–1.39
–2.08
ln ([D]t/[D]0) に対する t のプロットが直線にのっているので、この反応は一次反応である。
また、この直線の傾きから、反応速度定数は k = 2.08 / 90 = 2.31 x 10–2 min–1