第 59 回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集(2012 春 早稲田大学) 16p-E5-3 InGaAsP/InP 埋込ヘテロ構造フォトニック結晶ナノ共振器 埋込ヘテロ構造フォトニック結晶ナノ共振器の ナノ共振器の 発光寿命 発光寿命評価 寿命評価 Emission Lifetime Measurement of an InGaAsP/InP Buried-Heterostructure Photonic-Crystal Nanocavity 日本電信電話株式会社 NTT 物性基礎研 1,NTT フォトニクス研 2, 滝口雅人 1,角倉久史 1, Danang Birowosuto1,新家昭彦 1,佐藤具就 佐藤具就 2, 松尾慎治 2, 納富雅也 1 NTT Basic Research Labs.1, NTT Photonics Labs. 2, NTT Corporation ○ Masato Takiguchi1, Hisashi Sumikura1, Danang Birowosuto1, Akihiko Shinya1, Tomonari Sato2, Shinji Matsuo2, Masaya Notomi1 E-mail: [email protected] 【はじめに】通常自然発光レートは遷移双極子モーメントにより決まるが、パーセル効果を利 用することで高速化が可能となるため、高 Q ナノ共振器を用いた高速発光動作デバイスに関する 研究が近年活発に行われている[1][2]。我々はこれまでに InGaAsP/InP 量子井戸構造が InP ナノ共 振器中に埋め込まれた埋め込みヘテロ(BH)構造フォトニック結晶共振器を開発し、レーザ等のデ バイスに応用してきた[3]。BH 構造共振器は、通常のフォトニック結晶共振器と違って[4]、励起 されたキャリアを閉じ込める構造を内包するため、キャリア拡散や表面非発光再結合の影響を抑 制できる可能性があり、発光効率の改善が期待できる。今回我々は BH 構造共振器中における発 光レート増強効果を発光寿命測定を用いて評価したので、その結果について報告する。 【実験・結果】測定はヘリウム温度下にて、光励起で蛍光寿命を測定した。図1は InGaAsP 量子 井戸 BH 構造フォトニック結晶共振器試料および比較用 InGaAsP 量子井戸試料からの(a)発光ス ペクトルと(b)蛍光寿命の測定結果である。共振波長での発光寿命は 0.42 ns であり非共鳴の 0.94 ns と比べて寿命が短くなっていることが確認できた。また、フォトニック結晶構造を持た ない同サイズの埋め込み量子井戸試料からの発光は非共鳴の発光寿命と比較しても大きく変わら ず、非発光による顕著な寿命短縮は見られなかった。温度依存性評価による非発光再結合の影響、 パーセル効果の寄与についても合わせて報告する。 (a) ) (b) ) 図 1 , 量子井 戸 試料および BH 構造 共振器からの(a) 発光スペクトルお よび(b)蛍光寿命 の測定結果(4K). [1] G. Shambat, et al, Nat Commun. 2, 539 (2011). [2] S. Iwamoto, et al, Appl. Phys. Lett. 91, 211104 (2007). [3] S. Matsuo, et al, Nat Photonics. 4, 648 (2010). [4] H. Altug, et al, Nat Photonics. 2, 484 (2006). Ⓒ 2012 年 応用物理学会 04-059
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