(C. difficile)感染症の有効な治

UEG ウィーク・プレスリリース
クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)感染症の有効な治療法
として糞便微生物移植(FMT)を正式に推奨
(2014 年 10 月 26 日、ウィーン)再発性のクロストリジウム・ディフィシル
(Clostridium difficile; C. difficile)感染症の患者に対する健常なドナーからの糞便微
生物移植( faecal microbiota transplantation; FMT)は、安全で非常に有効な治療法
であることが最近の臨床研究で明らかになり、欧州治療ガイドラインで正式に推奨さ
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れました。 一般的によくある感染症でありながら治療が困難な C. difficile 感染症に
対して、FMT は現在、革新的で時には生命をも救う治療として注目されており、微生
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物叢に関連する他の疾患の管理も期待されています。
この研究はオーストリアのウィーンで開催された第 22 回欧州消化器病週間(UEG ウ
ィーク 2014)中にローマのジェメッリ大学病院のアントニオ・ガスバリーニ教授によ
って発表されます。同教授は、微生物叢に関連した疾患に対する臨床上の負担および
経済的負担を減らすために、今こそ FMT が幅広く活用されるべきだと考えています。
「FMT は昔ながらの治療法ですが、近年評価が高まっています」とガスバリーニ教授
は話します。「再発性の C. difficile 感染症患者の場合、治療は非常に困難ですが、FMT
治療により、およそ 90%の症例で安全を確保しながら、細菌を根絶することができる
のです」
困難を極める C. difficile 感染症の治療
C. difficile 感染は、院内感染の下痢の主な原因として知られ、入院患者の罹患率と死亡
率に大きく関連しています。欧州では感染率が激増していて、病院側の新たな負担や、
抗生物質の耐性の強化、入院患者以外の個人への感染の増加に対する懸念などが報告
されています。C. difficile 感染により、患者は重度の下痢、腸炎、毒素による細胞壊死
などの症状のほか、重篤な場合はショック、低血圧症、腸閉塞、巨大結腸症などの症
状を呈します。標準的な初期治療としては抗生物質、バンコマイシン、メトロニダゾ
ールの投与などが挙げられますが、初期はたいていの患者に対して有効です。ところ
が残念なことに、初期治療に成功した患者の約 20%が再発し、その多くが感染を繰り
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返すことになります。
「再発性の C. difficile 感染の場合、治療は困難を極めます。長期的に抗生物質を投与す
ることで腸内細菌叢のバランスが崩れ、患者は敗血症や腸穿孔などの重篤な合併症を
引き起こす危険性が高くなります」とガスバリーニ教授は話します。「再発性の C.
difficile 感染症に対する有効な治療法の必要が迫られている今、FMT はまさにその治療
法のひとつと言えます」
C. difficile 感染症の治療法としての FMT
FMT は 1950 年代に、C. difficile 感染に対する革新的な治療法として登場し、現在は日
常の治療に取り入れられることがより多くなりました。FMT では、ドナーの糞便サン
プルから培養した健康な微生物叢を、主に大腸内視鏡か浣腸でレシピエントの腸内に
移植します。すると腸内細菌叢が回復し、C. difficile 感染で蔓延した毒素からの克服を
助けます。
C. difficile 感染の研究により、この治療法は安全で有効性が高いことが確認されました。
被験者の約 90%が短期間で再発性の細菌を根絶することができるのです。
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かつて
FMT は、一部の勇気のある患者や絶望的な患者が最終手段としての治療法と位置づけ
られていたこともありますが、現在は再発性 C. difficile 感染の治療法として、影響力の
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大きい欧州治療ガイドラインで正式に推奨されています。
「FMT は、ドナーとレシピエントの免疫適合性が不要で、移植後の免疫抑制療法も要
らない単純な臓器移植だと考えられます」とガスバリーニ教授は話します。「FMT が
再発性 C. difficile 感染の有効的な治療法として公に認識されて嬉しいです。今後この技
術が臨床現場でより幅広く取り入れられ、治療が困難なこの感染症に対する医療関係
者の負担が軽減されることを願います」
参考文献
1. Debast SB, et al. Clin Microbiol Infect 2014; 20 (Suppl 2): 1–26.
2. National Institute for Health and Care Excellence. Faecal microbiota transplant for recurrent
Clostridium difficile infection. NICE interventional procedure guidance 485. March 2014.
3. Cammarota, et al. Intern Emerg Med 2014; 9: 365–373.
4. Smits LP, et al. Gastroenterology 2013; 145: 946–953.
5. Cammarota G, et al. J Clin Gastroenterol 2014 Jan 16. [Epub ahead of print]
6. Van Nood E, et al. N Engl J Med 2013; 368: 407–415.
編集者への注記
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UEG ウィークはヨーロッパ最大の権威のある消化器病学会で、今日では世界規
模の会議に成長しました。例年 120 カ国から 14,000 万人以上の参加者が集い、
その数は年々増加しています。UEG ウィーク期間中には、基礎科学者や臨床研
究者を対象に、消化器病や肝疾患に関する世界各国の最新の研究について公開討
論会が行われるほか、週末 2 日間にはポストグラデュエイトコースが実施され、
一流の講師群を招いて相互学習する機会もあります。
2014 年 10 月 18~22 日には www.ueg.eu で UEG の年次総会をライブストリー
ム放送します。それに続いてヨーロッパ最大の当消化器病学会で行われる世界各
国の先端医療についての講義をオンライン放送します。UEG Week 24/7 では
UEG ウィークからのセッションを録画放送するほか、E ポスターや研究の概要
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専 門 組織 です 。 医 学 、小 児科 、 消化 器科 腫瘍 学 、消 化器 内 視鏡 学に 携わ る
22,000 名以上の会員を代表しています。当分野における世界で最も包括的な組
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文を月 2 回発行しています。
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進、ヨーロッパにおける効果的な健康政策普及に向けた支援を行っています。
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