のうだいつうしんNo47号を発行しました;pdf

2015. March. No.47
発
行
岩手県立農業大学校父母の会
編
集
岩 手 県 立 農 業 大 学 校
http://www2.pref.iwate.jp/~hp2581/
卒業する君たちへ
岩手県立農業大学校 校長
千
葉
泰 弘
本科50名、研究科3名の皆さん、卒業おめでとう。ご家族の皆様方にも、心からお祝いを
申し上げます。
卒業後の進路は、就農(自家就農、研修後就農及び農業法人等への雇用就農)、JA等の農
業団体や農業機械・資材販売会社等の農業関連企業への就職など、ほとんどの人が農業に係わ
りがある道に進みます。今年も、将来の農業・農村を担う多くの若人を送り出すことができる
ことは、農業大学校にとってこの上ない喜びです。本校で身に付けた農業技術や知識を駆使し
て地域に新しい風を巻き起こしてくれることを願っています。
卒業後は社会人として様々な困難に直面することでしょうが、それから逃げることなく果敢
にチャレンジしてほしいと思います。例え、その時は思わしくない結果であっても、挑戦する
ことで次に生かせる道が開けます。また、君たちには本校の寮生活で培った大勢の仲間がいま
す。ひとりでは解決困難なことでも、友人の力を得て可能になることが多々あります。卒業後
も、友だちのネットワークを大事にしてください。
校門から続く桜並木は六原の厳しい風雪に耐え抜き毎年春に見事な花を咲かせます。この桜
のように、困難を乗り越えて、君たち一人ひとりの夢が実現することを心から願っています。
農業・農村は、農業従事者の高齢化がかつてないほど進み、担い手の確保が喫緊の課題とな
っています。このような中で、若い力がみなぎる卒業生の皆さんは、地域から大いに期待され
ていることを自覚し、地域の担い手として飛躍するよう卒業後も研鑚を積み重ねてください。
卒業は一つの区切りに過ぎません。高い志のもとに真摯な取組を心がけ、輝かしい未来を築か
れんことを祈念し、卒業する皆さんへの激励とします。
平成26年度卒業式が行われました。
3/10 卒業式の様子
答辞を読む 畠山瑠麻 君(肉畜経営科)
のうだい つうしん
1
2015. March
. No.47
【農産経営科】 農業大学校では稲作のこ
とを学ぶだけではなく、いろいろな人と出
会い、これから生きていくために必要なこ
とも学んだ気がします。日影先生から学ん
だことをこれからの農業経営に生かしてい
きたいと思います。日影先生のクラスでよ
かったです。ありがとうございました。
【野菜経営科】 個性的な野菜経営科
のメンバーで過ごした農大の生活は楽
しく、実りある時間でした。座学では
先生方に、実習では小沢さんや柄澤さ
んに、助言や励ましの言葉をいただき
大変お世話になりました。またいつか
このメンバーで集合して、農大での思
い出を話せればいいなと思います。
【果樹経営科】 果樹経営科は5人と少数精
鋭の中で、大変多くのことを学ぶことができ
ました。
先生と仲間にも恵まれ、農大での2年間は
大きく飛躍する時間を過ごすことができたと
感じています。卒業後もこれからの農業を背
負っていくために頑張っていきます。
卒業生か
らのメッ
セージ
【花き経営科】 私たち花き経営科の8人は、
花のようにそれぞれの個性が豊かでした。農大
で多くの花に触れ、勉強と寮生活を楽しく過ご
すことができました。また、たくさんの先生方
にお世話になりました。卒業後はそれぞれの進
路で、ここで学んだことを胸に、自分たちの夢
の実現に向けて歩みだしていきます。
【酪農経営科】 酪農経営に必要な技術や知識
を座学や実習で学びました。気付いたらあっと
いう間の二年でした。当番や実習は決して楽な
ものではありませんでしたが、その分、苦労に
見合った成果を得ることができたと思います。
先生方、お世話になった皆さんありがとうござ
います。
【研究科】 卒業研究では、各自が選定課題に従い最
後までやり遂げました。その結果、農業経営に関する
卒論1題が全国大会で特別賞を受賞しました。卒業研
究に際してご指導してくださった先生方を始め協力い
ただいた皆様には、学生3名本当に感謝しています。
有難うございました。
【肉畜経営科】 雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、雪ニ
モ夏ノ暑サニモ負ケズ、来る日も来る日も牛舎と教
室に通い、2年間皆で頑張りました。私たちはとても
仲が良く、いつも和気あいあいと学びました。そし
て卒業後それぞれの夢を持ち羽ばたきます。また、
いつか皆で会いましょう。
卒業を祝う会
澤口「父母の会」会長の挨拶
3月10日(火)卒業式終了後に農業大学校の食堂で卒業を祝う
会が開催されました。卒業を祝う会は、父母の会役員が思い出の
詰まった学び舎で、お世話になった先生方に謝恩の意を表したい
と企画したものです。短い時間ではありましたが、卒業生は先生
方との2年間の思い出に感慨もひとしおの様子でした。
懇談の様子1
.
2 のうだい つうしん 2015. March. No 47
懇談の様子2
プロジェクト学習の成果を発表!!
本校教育の大きな柱の一つであるプロジェクト学習の成果を発表する卒業研究成果全体発表会を1
2月25日(木)に本校大教室で開催しました。
全体発表会では、本科各経営科と研究科の科別発表会を経て選ばれた本科生12名と研究科生1名
が1年間の研究成果を発表し、中央農業改良普及センターの赤坂安盛所長ほか6名の審査員により厳
正な審査が行われ、下記のとおり最優秀賞1名、優秀賞2名が選ばれました。
1 課題選定理由
集落営農の農事組合法人化が進んでいるが、
経営に勢いがないと感じた。背景として、経営
管理に課題があるのではと考えた。
2 実施方法
(1) 様々な農業経営体の調査・見学
(2) A法人の経営の実態把握と課題抽出
(3) 改善のための方向性提案
3 結果
(1) A法人の経営実態
ア A法人は会計業務を外部委託し、総勘定
元帳は活用されていない。
イ A法人はいくつかの性格の異なる部門を
持ちながら全体の損益のみで経営判断。
ウ A法人は安全性指標が急激に悪化。
(2) 改善のための経営分析
ア A法人の経営実態から、総勘定元帳を活
用した詳細な分析が必要と考えてツール
を開発。
イ 全ての仕訳を電子化、更に部門別に仕訳
を分解。
ウ 部門別損益、資金繰りなどを分析。
4 考察
(1) 水稲部門は、他の同種の法人と比べ従事
分量配当分を含めた労務費が高く赤字幅が
拡大。
(2) 加工部門は製造委託によって採算が合わ
ず、経営に貢献していない。
(3) 方向性としては、会計データを活用して
分析、構成員に対し結果を見える化、加工
部門全般を見直して収益性を改善。
ウ
リン酸施用と被覆資材による
夏どりネギ早期収量確保
野菜経営科2年 笹田 明誠
1 課題選定理由
私の家では露地で2haのネギを栽培してお
り、将来規模拡大させることを考えると収穫時
に作業が集中する可能性がある。そこで、少し
でも早く収穫ができる作型を増やすことによ
り、収穫作業の集中を避けながら出荷量を拡大
し、さらに、価格の高い時期に出荷することに
より収益を伸ばす。
2 実施方法
(1)試験区の構成
ア 育苗容器の比較(CP303とCP305)
イ 亜リン酸資材の効果(商品名:ホスプ
ラス)
リン酸資材の効果(商品名:サンピプラ
ス)
エ 被覆資材の効果(無被覆とトンネル栽培
とべた掛け栽培)
(2)使用品種
ホワイトサマー
(3)播種日/定植日
ハウス 1月30日/4月10日
露地
2月10日/5月9日
3 研究結果
(1)ハウス…収穫時の規格割合から、リン酸C
P303、亜リン酸CP303が優れている。
(2)露地…収穫時の規格割合から見て、トンネ
ルCP305とリン酸CP3030が優れてい
る。
4 考察
今後導入の際は、ハウスでは亜リン酸を使用し
た栽培方法、露地ではリン酸を使用した栽培方法
がいいと考える。また、5,6月の気温が高かっ
たことから、平年並みの気候であれば、被覆資材
の効果が得られ、早く収穫できると考えられる。
のうだい つうしん
3
2015. March
. No.47
いわてオリジナルりんご品種
「黄香」の早期収穫による裂果
防止
果樹経営科2年 佐藤 夢真
1
課題選定理由
本県オリジナルりんご品種「黄香」は、着色管
理を必要としない省力的栽培が可能な品種として
期待されていたが、成熟する収穫直前から収穫後
にかけて裂果が発生しやすい。そこで、果実がや
や未熟なうちに収穫(早期収穫)して追熟させる
ことで、裂果を解消し、高品質果実生産が可能と
なるか検討した。
2
実施方法
早期収穫した果実を専用の表面色カラーチャー
ト指数で2段階の成熟度に分け、さらに成熟度
を二つの追熟の処理方法で区分し、計4区を設
けた。調査は、裂果率、追熟処理後の裂果の解
消と高品質果実生産の両立が可能か検討した。
3 結果
(1) 早期収穫した果実は、追熟後まで裂果は
発生しなかった。
(2) 早期収穫し、追熟した果実の品質は、い
ずれの試験区でも十分な硬度、糖度であ
った。
(3) 食味アンケートでは、追熟処理した果実
は慣行収穫した果実と同等以上の評価が
得られた。
4 考察
以上により、早期収穫によって裂果を防止
でき、追熟処理で慣行収穫果と同等以上の食
味となる。
東日本農業大学校等プロジェクト発表会
1月22~23日、宮城県富谷町の東北自治総合
研修センターを会場に標記大会が開催されまし
た。本校からは12月に開催された成果発表会に
おいて最優秀賞、優秀賞に選ばれた3名が発表
し、果樹経営科の佐藤さんが養成課程での、研究
科の千葉さんが研究課程での優秀賞に選ばれまし
た。続いて、2月12~13日に東京で開催された
全国プロジェクト発表会に臨み、佐藤さんが優秀
賞に、千葉さんが特別賞に選ばれました。
受賞後の全体写真
~
今後の主な行事予定
~
4 月7日( 火) 始業式
4 月8日( 水 ) 新入生入寮
4 月9日( 木 ) 入学式
4月10日(金)・13日(月) 新入生ガイダンス
4月15日(水) 学生健康診断
4月22日(水) 消防訓練
4月24日(金) 全校ガイダンス・環境整備
正門から続く桜並木
5月15日(金) 農業大学校説明会
5月27日(水) 学生自治会総会
5月28日(木)~29日(金)東日本農大等親善球技大会(会場:岩手県)
6 月2日( 火 ) 知事講話
6 月5日( 金 ) 父母の会総会・保護者懇談会
6月10日(水) 学生自治会スポーツ大会
6月24日(水) 進路支援セミナー
.
4 のうだい つうしん 2015. March. No 47