平成27年度 外交・安全保障調査研究事業費補助金 【調査研究機関間知

平成27年度 外交・安全保障調査研究事業費補助金
【調査研究機関間知的アセット共有事業】
企画分野
以下の2つの分野について,企画競争により事業を実施する。
① アジアの外交・安全保障環境
北朝鮮の挑発行為、地域諸国による透明性を欠いた形での軍事力の近代化
や力による現状変更の試み、南シナ海を始めとする海洋をめぐる問題など、日
本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。
日本において行われている外交・安全保障及びこれらに関連する各国・地域
の内政の研究においても,アジア・太平洋地域に焦点を当てた優れた業績が少
なくない。しかし,大学やシンクタンクに所属する研究者,ジャーナリストに
よって蓄積されたこのような貴重な業績や,日本に関するアジア・太平洋地域
での研究業績が,必ずしも英語を始めとする主要言語に翻訳されていないため,
欧米を中心とする知的コミュニティティに十分共有されていない。このことは,
アジア・太平洋の外交・安全保障環境に関する世界の理解が不十分な現状の遠
因になっている。
日本が有するアジア・太平洋地域に関する研究業績や,日本に関する同地域
での研究業績を,国際社会の当該地域へのより深い理解につなげる観点から精
査し,英語を始めとする主要言語に翻訳して,海外の研究機関や大学等とのネ
ットワークを通じて共有することは極めて重要である。
② 平和国家としての歩み
日本は,先の大戦の深い反省のもとに,戦後,自由で民主的な国家として,
ひたすら平和国家としての道を歩み,世界の平和と繁栄に貢献してきた。
一方,日本が戦後に世界各国・地域,アジア・太平洋地域,国際社会とど
のように関わってきたかについて,日本で発表されている論文や他国で発表さ
れている日本に関する論文等の業績が必ずしも英語を始めとする主要言語に翻
訳されていない。このため,日本が積み重ねてきた国際貢献を始めとする 70 年
間の歩みについて,欧米を中心とする知的コミュニティティの理解は十分とは
いえない。
日本の平和国家としての歩みに関する研究業績を,国際社会の理解を広め
るべく精査し,英語を始めとする主要言語に翻訳して,海外の研究機関や大学
等とのネットワークを通じて共有することは極めて重要である。