平成26年度第1回協議会における意見と対応状況

平成26年度第1回佐賀県博物館及び美術館協議会における意見と対応状況
意見等
事務局説明
○30 回にわたる美術館のコレクション展、すべて
見たが、すごく充実した、我々美術家にとっては非
常に為になるような作品ばかりでびっくりした。
(岡田三郎助展も、人間国宝4人展もよかった。
)
〇私もすべては見ていないが、比較的美術館・博物
館へ来ている方だ。今年は非常にいろんな面白い企
画があって、たくさんの方が美術館に足を運んだの
ではないか。そういう意味では博物館・美術館に関
心を持てて良かったのではないか。図書館や公文書
館もそれぞれ所蔵品があるが、そういった所とも協
議をされているのか。
〇所蔵品関係での会議を開いたことはないが、
現在、
「これからのまなびの場のビジョン検討
懇話会」が開催されており、そこでは、図書館、
当館を含む県立の博物館、それから公文書館も
含めて、議論や提言などが行われている。
〇できれば、早急に話し合いをした方がよいと思
う。お互いの仕事の境目が非常に難しいところもあ
り、お互いが効果を発揮できるようにしてもらいた
い。
〇「これからのまなびの場のビジョン検討懇話
会」だが、昨年 5 回、昨日今年第一回目の会議
を開いた。昨日は、初めて公文書館を担当する
法務課職員も会議に参加されたところであり、
次回からは、公文書館のことも念頭に置いた議
論が始まると思う。
〇「博物館・美術館セミナー」としていろいろな講
座をされているが、受講者数がちょっと少なく、非
常にもったいない。これだけの講座をされるのであ
れば、もう少し参加者が増えるような方法がないの
〇講座の内容によっては、10∼30人程度に
限定した方がよいもの(緞通や焼物等に直接触
れるような講座等)もあるが、基本的にはでき
るだけたくさんの方に参加いただきたいと思
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その後の対応
かと感じる。
う。年間チラシ等は配布しているが、事前広報
等の期間が短く、十分な周知ができなかったと
反省している。広報時期を早め、対象者(資料
送付先)を見直す等検討したい。
〇ホームページや、県民だよりが広報の主体なの 〇高齢者大学の「カレッジ」という冊子には年
間のセミナー一覧を掲載している。また、当館
か?
のホームページに常時掲載するとともに、セミ
ナー毎にチラシを作成して、図書館など公的機
関等に配布している。一昨年から始めた「メー
ル会員」は、昨年約600人だったのが、今は
約1600人と非常に多くなっている。メール
会員には、展示会情報はもちろんセミナー情報
等ももれなくお知らせしている。
〇ここ2∼3年だと思うが、ボリュームもあり、質
も高い。しかし、美術館改修を踏まえて、これまで
と違う、新しい方々を取り込んでいくことを検討す
る際にはこれまでの分析が必要と思うが、入館者の
年齢等のいろんなデータをとっているのか、また分
析されているのか聞きたい。
〇アンケートは、5月のゴールデンウイーク、
夏のお盆の時期、秋のシーズンと正月など、全
ての県立の博物館で実施し、文化課で集約され
ている。また、展覧会ごとにアンケートを実施
する場合もある。具体的な数字の手持資料は無
いが、概ね県外が約2割(多い時で約3割)、
県内が約8割。年代的には、リタイアして余暇
時間をお持ちの高齢層が約半分くらいを占め
ているのではないか。ただ、
「チームラボ展」
はこれまでとは明らかに違い、県外から、デジ
タルアートに興味のある方々が多くお見えに
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なった。また、
「ドール展」や今回の「森永展」
は、小さなお子様や小さなお子様連れの親御さ
んやおじいちゃん、おばあちゃんなどが沢山お
見えになっており、展覧会でも少し違った様子
が窺える。
〇文化課が周辺事業として広報等に力を入れ
た「ポーラ美術館展」の場合、ゴールデンウイ
ーク期間中は、約4割から5割は県外のお客さ
んだった。たぶん県民の方々は県外に遊びに行
き、県外の方々が佐賀県に遊びに来るという感
じだったかもしれない。特筆すべきは、
「ポー
ラ美術館展」を見て、佐賀で何か食べるという
ツアーがあったこと。
(鹿児島、大分、福岡、
熊本からのバスツアー)美術館・博物館では珍
しいと思う。展覧会の内容によっては、食べ物
とセットで県外からも客を呼べるという新鮮
な驚きがあった。
〇「ポーラ美術館展」の時に感じことだが、日曜日
は非常に車が多く、誘導がうまくいっていなかっ
た。博物館・美術館駐車場が満車の場合は、県庁の
職員駐車場に誘導するようになっていたが、入り口
〇県職員駐車場は場所がわかりにくいので、博
物館・美術館駐車場が満車になり、駐車待ちの
車には、県職員駐車場の位置を記した案内地図
をお渡しするなどの対応を行っているが、案内
がよく分からない。初めて来た方々が立ち往生し が行き届かない部分がある。今後は、できるか
て、結局見るまでに非常に時間がかかり、お客様に ぎりわかりやすい案内看板などを立て、スムー
非常に御不便をお掛けしていた。入口に大きなわか ズな誘導を図っていきたい。
りやすい看板を置くとか、駐車場への案内をもっと
的確にやるべきではないか。
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〇特別展「岡田三郎助」開催時には、県庁
職員駐車場入口がわかるよう、駐車場入口
の反対車線側及びSTS交差点に誘導看
板を設置するとともに、混雑の状況に応じ
て警備員等による誘導を行った。
〇美術・工芸・生活文化、非常に多彩な展開で幅広
い層を集める取り組みをされており、評価してい
る。
「あらかしコンサート」も継続されており、特
に昨年は、30周年ということで、初めて博物館広
場でマルシェやコンサート等、家族で楽しめる取組
みをされたが、いいなと思った。来館者の裾野を広
げ、一部の愛好者だけでなく、我々の生活の延長に
あるものだということをいろんな形で PR すべき
だ。
「ポーラ美術館展」では、街のギャラリーやレ
ストランとタイアップしたスタンプラリーの実施、
チラシがいろんな店舗に置いてあり、PR 効果や暮
らしの一部のアートとしての意識付けにもなった
と思う。一方、スタンプラリーは、実際一生懸命ス
タンプを集めても、商品がどうか?と思った。参加
店のリアクション、反応はどうだったのか。参加店
舗としてのメリットがどの程度あったのか気にな
った。
〇賞品は、協賛、ボランティア提供の商品で、
宿泊券等があった。参加店舗からは、店舗単独
ではなかなか広告を出せないが、協賛商品の提
供で無料広告が出せて、新しいお客さんがかな
り多かったとのこと。佐賀大学美術館の「カフ
ェ・ソネス」からは、たくさんのお客さんが来
てくれたので、企画展の時だけでなく、常時や
ってほしいとの申し出があった。場所的な問題
等から、効果があった店もさほどなかった店も
あるが、何らかの効果はあったと思う。街中へ
の経済効果等、双方にメリットが生まれるよう
連携しながら継続してやっていきたい。
〇博物館の学芸員が直接学校に来ていただけるの 〇一昨年までは、
「玉手箱」ということで、1
は、学校側としてはたいへんありがたい。25年度 号 A・B 展示室を使い、美術館で7テーマ、博
は、30ものテーマでいろんな切り口で展示をさ 物館で8テーマの小さな展覧会を実施してき
れ、とても大変だったと思うが、内容的にも素晴ら た。昨年度は美術館開館30周年記念として、
しく、日頃の調査研究等、長い間の積み上げられた テーマを美術に絞って、美術館コレクション展
成果だと思う。たいへん忙しいと思うが、学芸員の を実施した。今年度は、美術館改装工事の為、
調査研究のための時間や予算の確保をきちんとし 博物館展示室を使わざるを得ない状況であり、
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てもらいたい。
〇最近は、学芸員の研究費の問題等一切出てこなか
ったが、予算等の確保、それから博物館・美術館の
各分野による小規模展示があったが、今年度はない
のか?学芸員のこれまでの研究を発表する場があ
れば…。
博物館常設展自体も縮小している。テーマ展と
しては「佐賀を描く」や共同開催の「基肄城の
展覧会」、常設展ではコーナーでだが、現在は
「螺鈿琵琶」
、昨年重要文化財に指定されたも
のを展示した。今年度は、研究成果発表の機会
は少ない状況にある。
〇運営方針というか、例えば26年度はこういうテ
ーマで行こうかという理念といえば大げさだが、経
営方針・経営理念みたいなものがあると、博物館・
美術館が今後変わっていく上で、どんなイベントが
博物館、美術館が許容できるイベントかなど、今後
について話しやすいのではないか。
〇4つの基本方針で博物館運営を行っている。
まず 1 つ目は、佐賀県の歴史、文化芸術を全国
に発信して行く。2つ目は、県民の理解、日本
の文化と芸術そういったものを鑑賞する場と
しての役割を果たして行く。
「ポーラ展」
、
「ナ
ント展」
、
「人間国宝展」などなかなか佐賀では
見れないものを鑑賞できる場にして行く。3つ
目が学びの場、学習の喜びや考える場として、
様々なセミナーや皆さんに参加いただく。
4つ目が、県民文化活動の発表の場としての役
割を果たして行く。また、新たな取り組みとし
て、昨年度から地域、街中との連携事業にも取
り組んでいる。
「あらかしコンサート」に加え、
屋外スペース活用事業をスタートさせ、これま
で博物・美術館に足を運ばなかった方々が、こ
れをきっかけとして大勢来ていただけるよう
様々な分野の展覧会なども開催していきたい。
〇平成 24 年に、博物館・美術館所管が教育委
員会から知事部局の文化スポーツ部に移り、新
しくどういう形で文化・芸術に取り組んでいこ
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うかと基本方針を定めた。障害がある人もない
人も、年齢を問わず、いろんな意味で多彩な文
化に出会えて、いろんなスタイルで日常のワン
シーンとしてそういう文化に取り組めるよう
な社会をつくって行こうというのが大きな基
本方針だ。そういう大きな方針の中で、じゃあ
博物館・美術館がどうあるべきかという議論を
やっており、そんな中でなるべく境目を作ら
ず、壁を作らず、いろんなことに取り組んで行
こうとの方針で、チャレンジしている。博物
館・美術館は単なる集客施設ではなく、公立の
佐賀県の博物館、美術館という役割を意識しな
がら、これまで博物館・美術館に来たことがな
い人たちにどうアプローチするか、様々な切り
口の展覧会を開催し、利用者を広げていくのが
今の取り組み方針だ。
〇新規資料を購入したとの報告があり、えっ?と思
ったのだが、ここ数年は資料購入費ゼロが続いてい
たと思うが、今年は資料予算がついたのか。また、
以前は運営費等の予算・決算か資料として添付され
ていた。今回の資料は、非常にビジュアル化されて
〇資料購入費については、文化スポーツ部にな
ってから、文化課が各館共通予算として確保、
各館の提案を検討して優先順位を決め、予算を
再配当するようになった。
昨年度、
「裸婦」の購入は当館で要求し、
「絵巻
見やすいが、運営面を見る上では予算的な資料が必 物」は文化課予算で購入した。
要だと思う。今後は、予算資料を添付してほしい。 〇予算財源が厳しい中、緊急プログラムで資料
購入費ゼロ、特別展覧会費用ゼロという時代が
あった。「裸婦」購入は、緊急に購入しなけれ
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ばならなかった為、特別に予算をお願いし、購
入させていただいた。ただし、現状の予算は、
資料購入費、資料修繕費併せて 1500 万円であ
る。目の前にいい資料があっても、予算が無い
ととても押さえることはできない。必要なもの
がすぐ買えるよう、来年度は増額要求したい。
〇美術館・博物館の価値は、どういう資料がどれだ 〇当協議会から適切な資料購入費を確保する
けあるかが評価の基準になってくると 思う。資料 よう話があったことを伝え、予算確保に努めた
予算がきちんとつくことはいいことだと思うが、ど い。
のくらい予算があるのかを我々も知っておく必要
がある。提言の仕方が変わってくる。
〇資料購入費予算の前年度実績がいくら、今年度予 〇今後、わかるような資料を添付する。
算がいくらと比較できないとわからない。
〇いわゆる佐賀県の博物館あるいは美術館特有の
企画展、小規模なもの・直正公などあったが、何年
かに1回くらいは、先ほど館長が言われた 4 つの方
針の一番目にあげられた佐賀県の歴史と文化、これ
に関するような企画展をぜひやって欲しい。
〇「森永太一郎展」は、森永太一郎が佐賀県伊
万里市の出身であり、佐賀県の人物検証、博物
館企画展として開催している。
秋口に開催する「岡田三郎助特別展」は、当美
術館開館以来、岡田作品を収集、調査研究を重
ねてきたところであり、その集大成として、国
内 60 を超える団体・個人から作品をお借りし
て企画展を開催するものである。
また、博物館の方でも、今後「企画展」を考え
ていきたい。
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