アート・マネジメント論

科
目
名
単
位
数
アート・マネジメント論
備
考
2単位
枝 川 明 敬
文化政策,地域文化論及び芸術経営論
1.講義目標・講義内容等
芸術文化活動が盛んになるにつれ, 急速にその必要性が認識されるようになってきた「芸術経営=アート・マ
ネジメント」は,欧米では観客層との関連から,マーケティングを主体とした経営方策の一環として議論されてい
る。本講は, 今日の芸術・文化の問題点・課題を踏まえながら, 芸術経営の理念と役割, その制度的枠組み, 芸
術・文化支援活動の実態などを考察するとともに, ファインアーツ(美術),実演芸術に分けながら,博物館(美
術館を含む),劇場等の歴史と運営方法を経営論的手法を一つの切り口として考える.なお,近年地方の博物館,
文化会館等の運営については,財政状況から休館,民営化が行われているが,その現状とあり方にも触れる。
2.到達目標
博物館・文化会館等において,実際に企画を行うキューレーター・プロデューサーの補助,他館・芸術団体・
芸術家との展示品・公演等の交渉の補助,国・自治体・芸術文化振興基金への公演補助金申請の下書きが可能な
レベルとする.
3.テキスト・参考書等
枝川明敬『新時代の文化芸術の経営・政策論』小学館スクウエア,大堀哲ほか『ミュージアムマネージメント』東京堂出版,
石森秀三『博物館経営・情報論』日本放送出版協会,加藤有次ほか『博物館機能論』雄山閣出版
【参】加藤有次ほか『博物館学総論』雄山閣出版,【参】岩井宏實編『博物館づくりと地域おこし』ドメス
4.成績評価方法
出席状況,ケース・スタディにおける討議の状況および学期末の試験により行う.
5.授業外おける学習方法
毎回の授業終了時に次回授業部分を指示するので,十分予習すること.ケース・スタディの形式により討論を
行なうこともあるので,実演芸術について,TV,DVD 等の映像教材を見ておくこと.
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
授業案内
第9回
文化・芸術支援の現状,公的部門と私的部門
の連携と役割分担,博物館,文化会館,芸術
第 10 回
文化団体について述べ,
「芸術経営」の概念を
述べる.
経済的な視点から,文化・芸術活動の状況を
博するためその経済規模等マクロレベルの状 第 11 回
況について述べる.
戦前,戦後における文化政策,文化制度面か
ら,博物館(主な美術館は戦後設置)
,芸術団
第 12 回
体の果たした我が国文化面での機能につい
て,基本的な事項について述べる.
博物館・文化会館等文化施設,芸術団体の理
念・目的・ビジョン及びその下位概念の組織
目標,事業目標,機能目標について,目標の 第 13 回
体系化と事業戦略面(行動規範,危機管理,
CR を含む)から述べる.
博物館で発表されるのが,主にファインアー
ツであることに鑑み,実演芸術を含む芸術本
第 14 回
来の思想性・内容及び社会との関連性につい
て述べる.
ファインアーツ分野について,美術展と美術
館の関係やその団体の構成とその運営・仕組 第 15 回
みについて述べる.
博物館・文化会館等文化施設の鑑賞者との関
係重視を念頭に,マーケティング手法を含む
顧客開拓と関係性について述べる.
ア-3
前回に引き続いて,その実態・方向性につい
て,現状をのべる.米国で広く行われている
文化施設・団体における環境との関連性マーケテ
ィング手法についても学ぶ.
事業企画面から,実際の模擬事業計画を行い,
その財務諸表(PL,BS 表等)を作成し,事
業実施可能性を考える.
前回に引き続いて,事業企画面から述べる.
社会・芸術団体・芸術家・国・地方自治体・
住民・他館・大学等教育機関など美術館・博
物館を巡る関係者との関連性について,当該
館のビジョン実現性との関連性から述べる.
地域再生・活性化等地域社会との関連につい
て最近の話題として,地域マネージメントの
観点から,地域社会と博物館,文化会館,芸
術団体の関連について述べる.
まとめ
試験