資料4 ヘルスケアビジネス創出に向けた取組の現状と検討の論点等 1.趣旨、問題意識 (1) 平成26年6月、政府は「次世代ヘルスケア産業協議会」の中間とりま とめにおいて、地域における新産業の創出を提言し、自治体に対する地 域版協議会設置(注)の働きかけを行うとともに、グレーゾーン解消制 度や地域ヘルスケア産業支援ファンドを創設。 注)医療・介護関係者、ヘルスケア事業者、地域の農・観光事業者、地域金融機関等 によるビジネス創出を検討するプラットフォーム。 (2) 一方、九州では、平成25年7月、「九州ヘルスケア産業推進協議会」 を立ち上げて、ヘルスケアビジネス創出に必要な①情報共有・発信、②ヘ ルスケア事業発掘、③ヘルスケア産業創造の各機能を高めるため、経済 省・厚労省とも連携し、各種セミナーの開催やマッチング等を展開。 (3) こうした中で、九州地域には、他地域にないクルーズ船寄港等を通じた 外国人旅行者の増加を始め、メディポリス等先端医療施設の稼働など、 ヘルスケアビジネスにつながる特徴ある動きや、温泉や食材など個性あ る地域資源を活かし、ヘルスケアビジネス創出を目指す自治体の計画、 萌芽が出始めている。 (4) しかしながら、当協議会では、 ①医療機関または医療機関が行う医療行為は、ヘルスケアビジネス(公 的保険外)の範疇外という認識から、医療機関をビジネス創出の主体 として捉えず、支援対象としては看過。 医療機関が活性化すれば、それに連なる多くのヘルスケアビジネスが 創出する可能性が高いにもかかわらず、認識が欠如。 ②地域資源の活用を“点”または“線”として限定的に捉えており、連 携することで相乗効果(付加価値)を生み出すなどの有効活用する 視点が不足。 (5) このため、九州ヘルスケア産業推進協議会事業として、新たに研究会を 立ち上げ、ビジネスの主体である産業界、自治体及び利用者の声、医療 機関の要望等を踏まえた意見を議論の出発点として、 「地域特性を活かし た新たなヘルスケアビジネス創出」のための所要の検討を行っていくこ ととする。 1 2.地域特性を活かした新たなヘルスケアビジネス創出のシナリオ(仮説) ○九州地域においてヘルスケアビジネスを創出していくため、 「次世代ヘル スケア産業協議会」の提言内容の具現化と施策の積極的な活用を図ってい く。 具体的には、 ①県や基礎自治体の「地域版協議会」設置を促進 ②グレーゾーン解消制度や地域ファンドを積極的に活用 ○また、今後の次世代協議会の議論を踏まえつつ、「まち・ひと・しごと」 創生法に基づく対応をも念頭に、 「九州ヘルスケア産業推進協議会」は「地 域版協議会」との連携を図り、相乗効果を高めていく。 ○さらに、①医療機関間の連携、②地域資源の活用、③インバウンド・アウ トバウンドの促進に注力。 ①地域におけるヘルアスケアビジネスの創出に果たす医療機関等の役割 を再評価し、同ビジネスや地域版協議会への理解増進を図り、地域のヘ ルスケアビジネス創出に向けた環境を整備していく。 また、先端医療施設と地域の医療機関等との積極的な連携を図り、例え ば外国人旅行者や患者受入等地域ポテンシャルを活かした新たな取組 に連なる周辺サービスの創出や、医療機関を核とした地域発のビジネス モデルを構築していく。 ②地域の「食」とヘルスケア事業者の連携や、温泉や自然等の「観光」資 源を活用したヘルスツーリズムの促進を図っていく。 ③ヘルスツーリズムによる海外需要の呼び込み、海外の先進サービスの経 営手法やノウハウ等の移転や、地域発「健康・予防サービス」の国際展 開をも図っていく。 2 3.主な検討の論点 ○先端医療施設と管内医療機関との連携強化とヘルスケアビジネス創出の 可能性に係る検討 ①管内医療機関等の外国人患者の受入れの現状と課題 ②先端医療施設の現状と課題、地域経済への期待を踏まえ、 ・外国人旅行者、患者受入れのための環境整備(海外需要の呼び込み) ⇒エージェントとの連携、ITの活用、観光資源の活用、滞在型サービ ス等への広がりと連携 ・先端医療施設と管内医療機関との連携強化 ・医療界と経済界との連携強化のための環境整備 をどう考えるべきか。 ○地域資源の広域的活用による魅力ある地域資源化とヘルスケアビジネス 創出の可能性に係る検討 ①地域資源を活用した地域版協議会設置の動向等を踏まえ、 ・ブロック版協議会と自治体版協議会の補完と連携(機能に着目) ・自治体版協議会間の連携強化 ・地域資源の広域的活用による魅力ある地域資源化(ヘルスツーリズム) ・担い手人材の発掘、育成、活用方策 をどう考えるべきか。 ○ヘルスケアビジネスの海外展開の可能性に係る検討 ①先進的な海外展開事例を踏まえ、 ・海外展開の促進 をどう考えるべきか。 *本論点は、別途、2月に海外展開研究会を開催し、3月中に中国等を訪問 し、事業性調査を実施予定。 3 4.検討の進め方(案) *想定:プレゼン者(未調整) ○平成26年12月 第1回 (問題提起:プレゼン) ・メディポリスがん粒子線治療研究センター(先端医療施設の現状等) ・ (一社)MEJ(外国人患者受入れ支援) ○平成27年 1月 第2回 (問題提起:プレゼン) ・麻生飯塚病院(外国人患者の受入れ、先端医療施設との連携) ・ベネフィットワン・ヘルスケア(滞在型健康指導サービス創出) ・○○○(ヘルスツーリズムの課題、期待) ○平成27年 2月 第3回 (問題提起:プレゼン) ・医療機関(ヘルスケアビジネス創出のための医療機関の役割) ・基礎自治体地域版協議会の代表 (ステークホルダーとの連携、ブロック協議会との補完と連携) ・株式会社ローソン(地域資源の有効活用等) ○平成27年 3月 ・取りまとめ 第4回 検討の論点の深掘りと、全体の方向性等について 御議論をお願いしたい。 4
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