No.2015‐06 Weekly Market Focus 債券市場 円貨資金証券部 アナリスト 古川麻由子 今週のサマリー 今週のサマリー 本邦長期金利は 本邦長期金利 は 大幅に 大幅 に 上昇 週初の本邦長期金利は前週末とほぼ同水準で落ち着いて始まっ たが、10 日の流動性供給入札の投資家需要が弱かったことで再 びボラティリティが高まる展開。13 日の 5 年債入札は金利水準 の上昇から相応の需要が見込まれたが、結果は弱めだった。10 年債利回りは一時 0.435%へ上昇し、0.420%で越週した。 来週のアウトルック 来週のアウトルック 長期金利 は 引 き 続 き 振 れの大 きい展開 展開を れの 大きい 展開 を予想 5 年債入札が低調だったことから、17 日の 20 年債入札に対し ても警戒感が高まりやすい。急激な金利変動を受けて市場参加者 のリスク許容度が低下しているとみられる中、相場は不安定な状 態が続くとみる。 来週の 来週のポイント 決定会合 では 高 ボラテ ィリティ相場 相場に する日 ィリティ 相場 に対する 日 銀の判断に 判断に注目 17-18 日に日銀の金融政策決定会合が開催される。前回会合時 に黒田総裁は、5 年債がマイナス金利となる状況は「量的・質的 金融緩和の効果である」としていた。当時の金利低下の背景には、 原油安による世界的な低インフレ懸念と付利下げ観測があったわ けだが、黒田総裁が会見で「付利下げの議論は全く無かった」と 発言したことを受けて、行き過ぎた金利低下が急速に巻き戻され る展開につながった。足許では、急激な金利変動を受けて、市場 参加者はポジション圧縮を迫られ、金利上昇は一段と加速。加え て原油価格が下げ止まり、米長期金利も 2%付近へ上昇するなど 一変している。この状況を日銀はどう判断するのか、まずは 18 日の黒田総裁会見に注目したい。 かかる状況下、米国以外の主要国で金融緩和が相次いでいるこ とから、相対的に利回りの高い米国債の投資妙味は相応に高まっ ている。また、米経済指標は強弱まちまちであり、利上げを織り 込む動きも強まりにくくなっている。原油は下げ止まったとはい え依然低水準にあり、今後数ヶ月のうちに本邦の消費者物価指数 は更なる低下が見込まれ、インフレ期待も低下する可能性がある。 日銀の物価見通しを達成するには、インフレ期待が大きく上昇す ることは不可欠であり、来年度中の追加緩和への期待感は引き続 き残ることから、このまま金利が上昇基調に転じる蓋然性は低い とみる。 1 2015 年 2 月 13 日 Weekly Market Focus 経済指標 国内 ~ 12 月の機械受注は 機械受注は、増加幅が 増加幅が 11 月から大 から大きく拡大 きく拡大 12 月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+8.3%と、11 月から増加幅が大きく拡大した。製造 業は同+24.1%と、自動車・同付属品やその他製造業を中心に増加した。非製造業(船舶・電力を除く民 需)は、金融業・保険業や運輸業・郵便業などがプラスに転じ、同+7.2%となった。1-3 月期見通しも前期 比+1.5%と 3 四半期連続の増加が見込まれ、企業の投資意欲の持ち直しを示唆している。 機械受注の推移 12,000 (億円) 民需(除く船舶・電力) 非製造業(除く船舶・電力) 製造業 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 07 08 09 10 11 (資料)内閣府統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成 12 13 14 (年) (経済調査室) 海外 ~ 米国の 米国の 1 月の小売売上高は 小売売上高は 2 ヵ月連続の 月連続の減少 米国の 1 月の小売売上高は前月比▲0.8%と、2 ヵ月連続で減少した。内訳をみると、原油価格下落 を背景にガソリンスタンド(同▲9.3%)が 8 ヵ月連続で減少したほか、自動車・部品(同▲0.5%)や衣料 品(同▲0.8%)等は 2 ヵ月連続で減少した。GDP の基礎統計となるコアベース(自動車、ガソリン、建材・ 園芸用品を除く)は同+0.1%と、小幅ながらプラスを維持した。 小売売上高の推移 2.0 (前月比、%) 建設資材等 自動車・部品 小売売上高 1.5 ガソリンスタンド コア小売売上高 1.0 0.5 0.0 -0.5 -1.0 -1.5 12 13 14 15 (年) (資料)米国商務省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成 (経済調査室) 2 2015 年 2 月 13 日 Weekly Market Focus マーケットデータ 14年3月末 14年9月末 2/6(金) 2/9(月) 2/10(火) 2/11(水) 2/12(木) 0.044 0.029 0.073 0.081 0.074 - 0.074 全銀協日本円TIBOR (3ヵ月物,%) 0.21182 0.21000 0.17273 0.17273 0.17273 - 0.17273 円金利先物 (期近限月,ポイント) 99.800 99.805 99.835 99.835 99.830 - 99.830 債券先物 (期近限月,円) 144.62 145.84 147.51 147.42 147.10 - 147.14 日本国債 (10年物,%) 0.642 0.531 0.339 0.354 0.395 - 0.396 円金利スワップ(対LIBOR)(10年物,%) 0.825 0.656 0.518 0.549 0.589 - 0.595 日経平均株価 (225種,円) 14827.83 16173.52 17648.50 17711.93 17652.68 - 17979.72 ドル/円 (東京17:00現在) 102.98 109.42 117.37 118.98 118.73 - 120.28 ユーロ/ドル (東京17:00現在) 1.3758 1.2685 1.1449 1.1344 1.1330 - 1.1326 米国FFレート (%) 0.06 0.07 0.11 0.12 0.12 0.12 - 米国国債 (10年物,%) 2.718 2.489 1.957 1.978 1.997 2.018 1.984 16,457.66 17,042.90 17,824.29 17,729.21 17,868.76 17,862.14 17,972.38 101.58 91.16 51.69 52.86 50.02 48.84 51.21 1,283.40 1,210.50 1,233.90 1,240.80 1,231.60 1,219.00 1,220.10 無担保コール (翌日物,加重平均,%) NYダウ工業株 (30種,ドル) WTI原油先物 (ドル/バーレル) 金先物 (ドル/オンス) (注)為替レートは日本銀行の公表値を参照 (資料)Bloomberg、Reuters等より三菱東京UFJ銀行作成 日米長期金利の推移 為替と株価の推移 (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行作成 (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行作成 3 2015 年 2 月 13 日 Weekly Market Focus マーケットカレンダー 最近の 最近の材料 2/9 月 2/10 2/12 火 木 国内 国際収支-経常収支(季調済) 貸出動向 銀行/信金計(前年比) 消費者態度指数 景気ウォッチャー調査 先行き判断DI 第三次産業活動指数(前月比) 国内企業物価指数(前月比) 機械受注(前月比) 12月 1月 1月 1月 12月 1月 12月 結果 ¥976.6B 2.5% 39.1 50.0 -0.3% -1.3% 8.3% 2/6 金 2/10 2/11 2/12 火 水 木 2/13 金 2/17 火 2/18 水 2/19 2/23 2/24 2/25 2/26 木 月 火 水 木 2/27 金 海外(米国) 非農業部門雇用者数変化 製造業雇用者数変化 失業率 消費者信用残高 卸売在庫 月次財政収支 小売売上高(除自動車、前月比) 企業在庫 結果 1月 1月 1月 12月 12月 1月 1月 12月 257K 22K 5.7% $14.755B 0.1% -$17.5B -0.9% 0.1% 今回 1月 2月速報 2月 2月 1月 1月 1月 2月 1月 2月 1月 1月 1月 4Q改定 2月 前回結果 -2.5% 98.1 9.95 57 1089K -0.3% -0.1% 6.3 5.04M 102.9 481K -0.4% -3.3% 2.6% 59.4 今後の 今後の材料 2/16 月 2/18 2/19 水 木 2/24 2/27 火 金 国内 今回 前回結果 4Q速報 -1.9% 実質GDP(前期比年率) 12月確報 1.0% 鉱工業生産(前月比) マネタリーベース 80兆円/年 日銀金融政策決定会合 1月 -¥665.2B 貿易収支(通関ベース) 12月 0.1% 全産業活動指数(前月比) 12月確報 105.2 景気先行指数 12月確報 110.7 景気一致指数 企業向けサービス価格指数(前年比) 1月 3.6% 1月 3.4% 失業率 1月 1.15 有効求人倍率 1月 2.5% 全国CPI(除生鮮/前年比) 2月 2.2% 東京CPI(除生鮮/前年比) 1月速報 1.0% 鉱工業生産(前月比) 1月 -14.7% 住宅着工戸数(前年比) 海外(米国) 輸入物価指数(前月比) ミシガン大学消費者信頼感指数 ニューヨーク連銀製造業景気指数 NAHB住宅市場指数 住宅着工件数 PPI 最終需要(前月比) 鉱工業生産(前月比) フィラデルフィア連銀景況調査 中古住宅販売件数 消費者信頼感指数 新築住宅販売件数 消費者物価指数(前月比) 耐久財受注(前月比) 実質GDP(前期比年率) シカゴ購買部協会景気指数 国債入札 2/13 金 今週の結果 5年利付国債入札 2/17 火 2/24 火 2/26 木 入札倍率 3.29 発行 今後の予定 20年利付国債入札 40年利付国債入札 2年利付国債入札 (株)三菱東京 UFJ 銀行 円貨資金証券部 ※本資料は信頼出来ると思われる各種データに基づき作成しておりますが、当行はその正確性、安全性を保証するものではあり ません。また本資料はお客様への情報提供のみを目的としたもので、売買の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する 最終決定はお客様ご自身の判断でなさいますようお願い申し上げます。本誌面の全部または一部を無断で複写、複製することを 禁じます。尚、当方の都合で、誌面の全部または一部を予告せずに変更させて頂くことがございますので、予めご承知下さい。 4 2015 年 2 月 13 日
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