【3】固定資産税・都市計画税の課税 (1)固定資産税・都市計画税の概要 1.固定資産税の概要 固定資産税は、固定資産の所有者に対して課する税金であり、毎年 1 月 1 日(賦課期日)現在において、市内に固定資産を所有している者に対し て課税される。 納税義務者 毎年 1 月 1 日(賦課期日)現在において、市内に固定資産 (土地・家屋・償却資産)を所有する者、具体的には登記簿 に登記、課税台帳に登録されている者が固定資産税の納税 義務者となる。 非課税制度 地方公共団体は、地方税法第 348 条において定められて いる特定の固定資産について、固定資産税を課すことがで きない。固定資産税の非課税制度においては、固定資産所 有者の性格の面(人的非課税)、固定資産自体の性格や用途 の面(物的非課税)から規定が設けられている。 人的非課税については、国及び地方公共団体等が該当す ることとされており(地方税法第 348 条第1項)、物的非課 税としては固定資産の性格及び用途に鑑み、公共の用に供 する道路や水道用地、学校法人等が学校において教育の用 に供する固定資産等について非課税とすべきと定められて いる(地方税法第 348 条第 2 項~第 9 項)。 非課税となる固定資産のうち、主なものは下記のとおり である。 【非課税となる固定資産の例】 根拠法令 非課税となる固定資産 (注) 第1号 第2号 第3号 第4号 第5号 第6号 国並びに都道府県、市町村、特別区、こ れらの組合及び財産区が公用又は公共の 用に供する固定資産 独立行政法人水資源機構、土地改良区、 土地改良区連合及び土地開発公社が直接 その本来の事業の用に供する固定資産で 政令で定めるもの 宗教法人が専らその本来の用に供する宗 教法人法第 3 条に規定する境内建物及び 境内地 墓地 公共の用に供する道路、運河用地及び水 道用地 公共の用に供する用悪水路、ため池、堤 とう及び井溝 61 第9号 第 10 号の 3 第 10 号の 4 ・学校法人等がその設置する学校におい て直接保育又は教育の用に供する固定資 産 ・公益社団法人若しくは公益財団法人、 宗教法人又は社会福祉法人がその設置す る幼稚園において直接保育の用に供する 固定資産 社会福祉法人等が老人福祉施設の用に供 する固定資産で政令で定めるもの 社会福祉法人が障害者支援施設の用に供 する固定資産 (注)上表の根拠法令は、すべて地方税法第 348 条 2 項の各号である。 減免制度 地方税法第 367 条において、市町村長は、天災その他特 別の事情がある場合において固定資産税の減免が必要であ ると認める者、貧困により生活のため公私の扶助を受ける 者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の 定めるところにより、固定資産税を減免することができる とされている。 市においては、大阪市市税条例第 71 条、同施行規則第 4 条の 3 に規定するところにより、固定資産税等の減免を 行っている。 減免の対象となる固定資産のうち、主なものは下記のと おりである。 【減免対象となる固定資産の例】 根拠法令 減免対象となる固定資産 減免割合 市 税 条 例 第 生活保護法の規定による生活 71 条第 1 項 扶助を受ける者が所有する固 全額 第4号 定資産 市税条例第 被害面積 災害により損害を受けた固定 71 条 第 2 等に応じ 資産 項、第 3 項 た割合 公衆浴場法第 1 条第 1 項に規 市 税 条 例 施 定する公衆浴場のうち物価統 100 分 の 行 規 則 第 4 制令第 4 条の規定に基づき入 67 に相当 条の 3 第 1 浴料金が定められているもの する額 項第 6 号 において、その本来の用に供 する固定資産 市 税 条 例 施 地域社会の福祉の増進を図る 行 規 則 第 4 ために組織された市地域振興 全額 条の 3 第 1 会、区地域振興会、連合振興 62 項第 1 号 町会及び振興町会が専らその 本来の用に供する固定資産 市 税 条 例 施 マンションに設置する集会所 行 規 則 第 4 の用に供する家屋で床面積が 全額 条の 3 第 1 100 平方メートル以上等、一定 項第 2 号 の要件を満たした固定資産 税額の計算 免税点 納付方法 固定資産税は、固定資産を評価して、決定された評価額 をもとに課税標準額を算定する。そこで算定された課税標 準額に税率(1.4%)を乗じた額が固定資産税額となる。 免税点とは租税を免除する限界点のことであり、零細な 課税客体についてまで把握することは、その税収入に比較 して徴税コストがかかること、低所得者、零細企業者の税 負担を免除すること等、零細負担を排除しようとする趣旨 によるものである。各資産における免税点は下記のとお り。よって、市町村内に同一人が所有する土地、家屋、償 却資産のそれぞれの課税標準額が下記の金額に満たない場 合には、固定資産税は課税されない。 土地 30 万円 家屋 20 万円 償却資産 150 万円 固定資産税は、納税通知書によって市から納税義務者に 対し税額が通知され、市町村の条例で定められた納期(通 常は年 4 回)に分けて納付する。 2.都市計画税の概要 都市計画税は、総合的な町づくりを目的として行う都市計画事業や土地 区画整理事業に要する費用の一部を市民が負担する目的税であり、市街化 区域内の土地・家屋に対し、その固定資産の価格を基に計算され、固定資 産税とあわせて課する税金である。 納税義務者 都市計画税については、市街化区域内に所在する資産の 所有者であって、登記簿に登記又は課税台帳に登録されて いる者が納税義務者となる。 非課税制度 地方公共団体は、地方税法第 702 条の 2 に基づく、資産 について、都市計画税を課税することができない。都市計 画税の非課税対象は、一部を除き固定資産税の非課税対象 と同一である。 減免制度 地方税法第 702 条の 8 第 7 項に基づき、固定資産税を減 免したときは、当該納税者に係る都市計画税についても、 63 税額の計算 免税点 納付方法 当該固定資産税に対する減免額の割合と同じ割合によつて 減免されたものとされる。 都市計画税は、課税標準額に税率(0.3%)を乗じた額が 都市計画税額となる。 固定資産税の課税標準となるべき額が免税点未満のもの は、都市計画税は課税されない。 都市計画税は固定資産税とあわせて通知され、納付され ることとなっている。 3.国有資産等所在市町村交付金の概要 国及び地方公共団体に対しては固定資産税が課税されないが、その代替 として、前年の 3 月 31 日現在において所有する固定資産で、次に掲げる固 定資産に該当するものについては、当該固定資産を所有する国又は地方公 共団体が、当該固定資産所在の市町村に対して、国有資産等所在市町村交 付金を交付することとされている。 交付対象 算定標準額 交付金額 1.国又は地方公共団体が所有する固定資産のうち、国又 は地方公共団体以外の者が使用しているもの(2.及 び3.に掲げるものを除く。) 2.空港(空港の機能を果たす共用飛行場を含む。)の用に 供する固定資産(3.に掲げるものを除く。) 3.国有林野の管理経営に関する法律第 2 条の国有林野に 係る土地 4.発電所、変電所又は送電施設の用に供する固定資産 (1.に掲げるものを除く。) 5.水道法第 3 条第 8 項に規定する水道施設若しくは工業 用水道事業法第 2 条第 6 項に規定する工業用水道施設 のうちダム以外のものの用に供する土地又は水道若し くは工業用水道の用に供するダムの用に供する固定資 産で、一定のもの。 6.石油の備蓄の確保等に関する法律第 31 条に規定する国 家備蓄施設の用に供する固定資産 ただし、国又は地方公共団体は、1.及び3.に掲げる 固定資産のうち、皇室の用に供する固定資産等特定の資産 については、交付金を交付しない。 一部の特例を除き、当該固定資産の価格である。 交付金算定標準額に 100 分の 1.4 を乗じて得た額 64
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