2014/10/24 第7回 久喜総合病院運営協議会 議事録

第 7 回 久喜総合病院運営協議会会議の概要 日 時:平成 26 年 10 月 24 日(金) 19 時 00 分~21 時 00 分 場 所:久喜総合病院 第 1 会議室
出席委員:植松武史(院長)、小宮山伸之(院長代理)、井坂茂夫(名誉院長)
松尾祐志(健康管理センター長)、渡邉和明(事務部長)
中村早苗(看護副部長)、吉田常樹(埼玉県厚生連総務部長)
細田たき子(公募市民)、溝田瑩貴(公募市民)、玉置政美(公募市民)
髙木学(久喜市医師会)、浅川実(久喜市医師会)、中島三男(久喜市職員)
小林弘(久喜市職員)、本間哲也(埼玉東部消防組合職員)
高林繁(事務局職員)、小林(事務局職員)
1 開 会 事務局
2 挨 拶 植松院長
報告事項
(1) 地域医療支援病院について、2025 年に後期高齢者と呼ばれる方々が全員 75
歳以上になることを見据え、病院機能を分化させることが厚労省の方向性
である。そういった中で一つの病院だけで医療を提供する訳ではなく、地
域の中の医療機関が強い連携をもって医療を提供していくという流れがあ
る。その中で、当院が準備を進めている地域医療支援病院という仕組みが
あり、現在のところ決められた条件はクリアしている。文章化されていな
い条件では病床の稼働率というものがあり、多少厳しい面もあるが、早け
れば来年 8 月の審議会を経て 10 月から地域医療支援病院の認定を得られる
と考えている。
(2) がん診療について、今月末にがん診療指定病院の申請を行う。これは埼玉
県から強い要請があり、その上で申請を行うため、恐らく認定を獲得でき
るのではないかと考えている。併せて、12 月の 20 日(土)と 21 日(日)
に緩和ケア研修会を当院で開催する。これは日本緩和医療学会が主催であ
るが、数年前に制定されたがん対策基本法の中で、がん診療に関わる医師
は緩和ケアに関する充分な知識と技量を備えるべきと謳われている。その
中で地域のがん診療の中心となる病院が緩和ケア研修会を開催することい
う定めがあり、それに従って当院は地域のがん診療病院の中心として研修
会を開催することを決定した。
(3) 臨床研修指定病院について、現在 1 名の研修医が来ている。これは千葉大
学の臨床研修に立候補した研修医が、1 年を当院で研修し、2 年目は別の病
院で研修を行う、いわゆるたすきがけ研修であるが、来年 3 月に研修が終
わった時点で、基幹型の臨床研修指定病院の資格ができるため、来年度に
申請を行う。これが受理されれば再来年度から基幹型臨床研修指定病院と
して千葉大学に依存することなく、研修医を受け入れることができる。千
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葉大学に依存しているということは、遠いところから研修医が派遣される
という現状の中で、なかなか埼玉県に来てもらうことが難しかったが、再
来年度には地元出身の研修医を私たちの手で育てることができるようにな
る。
(4) 救急について、先日、御嶽山噴火に伴い、長野県の D-MAT(災害医療派遣
隊)が出動し、近隣の県にも出動要請が来た。埼玉県ではさいたま日赤の
チームが出動した。埼玉県全体では 15 チームあり、当院でも待機の指令が
あった。出動することはなかったが、大規模災害の際には駆け付ける体制
を整えている。3 月には地域の医師会の先生方、近隣の病院の先生方、コメ
ディカル、行政、消防の方々と合同でエマルゴトレーニングを予定してい
る。机上の訓練のみになるが、大規模災害が起きたとの想定のもと、それ
ぞれがどういう動きをするかシュミレーションするものである。当院では
災害に対する準備もしている。
(5) 病院経営については今年 4 月に診療報酬改定があり、厳しい局面を迎えて
いる。当院では急性期を目指しており、7:1 看護師配置及び看護必要度の
高い、手のかけた医療を提供している。その中で 10 月以降も急性期病院の
届出を行い、今後も急性期医療を続ける姿勢でいる。しかし 8 月末で眼科
医が大学へ戻ったことや、診療科によっては患者数が減ってきているとこ
ろもあり、昨年に比べ見込んだ数より多くなっておらず、引き続き気を引
き締めて病院運営をしていかなければならない。
3 委員の出席状況
(1) 事務局より、委員の出席状況について報告があった。
(2) 前回欠席の委員より自己紹介があった。
4 協議事項 植松院長が議長に就任し協議を進めた。
(1) 地域医療支援病院に係る院内委員会について説明があった。
○ 地域医療支援病院の認定を目指しているが、その承認要件の一つに
院内委員会を設置することがある。病院が所在する都道府県・市町
村の代表者、学識経験者等で構成すること、四半期に一回ほど開催
することが規定されている。当病院ではすでに久喜市運営協議会が
設置されているため、そのままこの要件に当てはめれば、新たに設
置することもなく要件を満たせると考え、提案させていただきます
ので、ご協力いただければと思います。
議 長 当院は JA 母体の病院であるが、久喜総合病院設立に際して久喜市よ
り多大な援助を受けており、病院運営協議会を開催することが規定
されている。来年 8 月に申請を行うが、その要件の中に運営協議会
のような会議を定期開催することがある。協議内容としてはこの協
議会で討議する内容とほぼ合致し、メンバー構成も一致するので、
別の会議を設けるよりも、このまま地域医療支援病院の認定要件を
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満たす院内委員会と兼ねる形で位置づけさせていただきたいという
提案です。
委 員 運営協議会は年 2 回開催だが、院内委員会と兼ねた場合、四半期に
一度となると開催回数は増えるのでしょうか。
委 員 そうです。年 4 回開催となります。
委 員 院内委員会は支援病院の指定を受けた後というスケジュールになる
のでしょうか。
議 長 指定を受ける前になります。今回の会議も要件に合ったものとして
指定申請をさせていただきたいと考えております。申請の時点で委
員会が開催されているという実績が必要となりますので、指定を受
けた後に開催するのではなく、申請をする前に開催されている必要
があります。
委 員 院内委員会の名称については、正式な名称が付くのでしょうか。
委 員 要件には改めて名称を付けなければいけないというものはありませ
ん。今の名称をそのまま使用するのか、新たにつけ直すのかは確認
でき次第、委員にお諮りしたいと考えております。
委 員 市としては補助をしている関係で運営協議会に参加させていただい
ております。内部的な問題ではあるが、地域支援病院になった時の
委員会の機能が運営協議会と同じであれば支障はないかと思うが、
内部的な決裁等が必要になってくるかと思うので、その動きについ
ては事務局の方と連携を取らせていただいた上で進めていきたいと
思います。
委 員 院内委員会設置の規定では、委員は病院関係者以外が大半を占める
ように、となっているが、現在は半々ではないでしょうか。
委 員 他の地域支援病院の認定を受けている病院にメンバー構成を確認し
たところ、特に問題はないと判断し当院としてはこのままでよいの
ではないかと考えております。
委 員 大体何月頃を予定しているのでしょうか。
委 員 本日ご協議いただいて、委員の合意が得られればそれで進めたいと
思います。
(協議の結果)目安として、5 月・8 月・11 月・2 月に予定すること
とした。
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(2)その他協議事項
○ 入院保証金制度について、当院では 11 月 1 日から導入したく考えて
おります。これは入院に関する未収金の抑制を目的とし、短期入院
(一泊入院・検査入院)は 50,000 円、その他長期入院(手術目的な
ど)は 100,000 円を預かる形を進めています。
委 員 この近隣の大きな病院では東埼玉総合病院がこの制度を導入してお
り、済生会栗橋病院でも以前は導入していた。当院としては救急を
中心とする病院であるが、救急で受け入れた場合に持ち合わせがな
く、未収金に繋がるケースがある。未収金を抑制することで病院改
善に繋がると考え、導入に至った経緯がある。地域の皆さんにはご
不便をかけると思いますが、病院の方針として導入していきたいと
考えている。
議 長 未収金が増えてきているという状況で院内の委員会でも対策を検討
してきました。督促の仕方を工夫する等やってきたが、限界が来て
いる。近隣の病院では導入しているところもあり、金額の設定につ
いても他と比べて高いという設定にはしていない。未収金をなるべ
く少なくするということで 11 月から始めようとする次第です。
委 員 事前に入院が決まっていれば支払うこともできるが、救急の場合は
持ち合わせがないと思うので、その場合は事後でもよいのでしょう
か。
委 員 はい。救急の場合は持ち合わせがない場合があるので、その時は事
務担当者が後日部屋に伺い、話をさせていただいた上で、お預かり
できればと考えています。中には困窮者の方もいらっしゃると思う
ので、その場合はケースワーカーが介入していきたいと考えており
ます。
議 長 通常は退院の時にお支払いいただくものを、入院後早い時期にいた
だくということになります。
委 員 地域の医療機関が入院を依頼する時に保証金が必要だと伝えておい
た方がよいのでしょうか。
委 員 当院に来てから案内させていただきます。
議 長 想定されるケースとして、緊急に紹介され入院となる場合は先ほど
述べました通り後日預かりますし、通常の紹介であれば検査等で外
来に来ていただくので、その間に案内できるかと思います。
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委 員 未収金の内容はどういったものがあるのでしょうか。よく、差額ベ
ッド代でトラブルになると聞いたのですが。
委 員 未収金の内容としては、持ち合わせがなく支払えないといったもの
です。差額ベッド代ではなく、通常の治療費が未収として挙げられ
ます。
委 員 そういった場合はケースワーカーさんが介入するのでしょうか。
委 員 生活困窮者の方に対してはケースワーカーが介入する場合もありま
すし、支払えないということであれば相談の上対応させていただい
ております。 5 報告事項
(1) 久喜総合病院運営状況について説明があった。
○ 平成 26 年 9 月末の患者利用実績について、外来診療合計は実績で
50,119 名、1 日あたりの患者数 401 名となり、前年は 1 日あたり 370
名であるため前年比 108.4%となった。入院については、31,382 名、
1 日あたり 171 名となった。前年は 1 日あたり 172 名であるため、
前年比 99.4%となった。昨年 10 月より全病床稼働となったが、診療
及び看護体制の不備があったためこの数字となった。今年度計画を
見ると、外来についてはほぼ計画通り推移しているが、入院につい
ては入院患者の減少により計画から大きく乖離している。原因とし
ては、内科の整備が遅れていること、9 月から眼科の常勤医が不在と
なり、手術を含めた入院管理ができなくなったことが挙げられる。8
月から救急科の常勤医が不在となり、3 名から 2 名体制となったこ
とも要因の一つと考えている。看護師については新卒者が 39 名入職
したため、10 月より 300 床運用が可能となると予想していたが、産
休・育休・病休・離職等により、思うような体制が組めないため入
院患者が増えなかったと考えている。
○ 平成 26 年 9 月末診療科別紹介患者数について、紹介患者数は 3,342
名、紹介率は 76.9%となっている。前年 9 月末実績は 3,184 名であ
ったため、158 名の増となった。7 月については初めて紹介患者数が
600 名を超えた。逆紹介患者数 2,306 名、逆紹介率は 53.1%であり、
前年実績 2008 名に比べ 298 名の増となった。
○ 平成 26 年度 9 月末診療科別手術件数について、実績は 1,537 件、前
年対比 87.4%と 222 件ほど下回っている。理由として、循環器内科
の心臓カテーテルが前年と比べ 298 件減少と大きく下回っているこ
とが考えられる。その他、外科、整形外科、泌尿器科が前年並みで
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推移している。眼科、脳神経外科は前年より大きく伸ばしているが、
9 月の眼科常勤医の退職に伴い、今後低下することが懸念される。
○ 地区別救急患者受入数及び、月別救急患者受入数について、9 月末ま
でに受け入れた救急患者数は 2,643 名、月平均 440 名、うち、救急
車による搬送患者数は 1,569 名、月平均 260 名、1 日平均 8.5 名を
受け入れている。前年の救急搬送患者は 248 名、1 日 8.1 名だった
ため、今年度上半期については少し上回った。開院以来、救急患者
レベル 2.5 次までを対象に受け入れており、2 次救急病院としてはそ
の役割を充分果たせていると考えております。
○ 救急患者受入数における久喜市在住の方の割合は全体の 44.5%で、
救急車については 40.9%と、いずれも久喜市在住の方がほぼ半数を
占めている。
議 長 昨年 10 月に 300 床フルオープンし、地域の皆さんの期待に応える形
になったが、4 月からの半年を見る限り、それに見合った患者が入っ
たかというと、ほぼ昨年同様になった。医師と看護師の数が足りて
いないのが理由の一つである。
委 員 平成 26 年 9 月末部門別損益について、医業収益は前年と比べ下回っ
ており、計画と比べても大きく乖離している。外来診療はほぼ計画
通りだが、入院患者数については呼吸器外科や腎臓内科が整備でき
ないことが大きく影響している。事業費用は昨年度より増えてはい
るが、計画内に納まっている。患者数が減少したが、費用が増えて
いる要因としては、今年度の診療報酬改定により、短期入院が認め
られなくなった。入院から外来へシフトしている診療科もあり、1
剤 10 万円以上するような薬剤も使用しているためである。それに消
費税増が加わったことが影響している。給与費については 10 月 300
床運用するために 4 月以前に入職させた看護師がいるため上がって
いる。診療体制の整備のため、非常勤の医師を多く雇っているため、
そちらも人件費が高騰している。業務費については、消費税を含め
ており、計画の段階では増税を見なかったため、それが膨らんでき
ている。結果的には事業利益マイナス 6 億 500 万で上半期を終えた。
下半期は入院患者の確保のため、救急患者の搬入を増やし、入院に
繋げることを目的にインセンティブの導入も始めた。1 月には循環器
内科の医師が来るということもあり、循環器内科が活発になること
も期待している。
議 長 事業収益では、入院患者の数は昨年と比べさほど変わらないが、内
訳の中では単価の高い診療科の患者が減っており、収益が思ったよ
り増えていない。事業費用では、薬の購入に消費税増が影響し、費
用がかさんでいる。給与費は給与費率 50%程度なので、病院として
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は問題ない数字だと思っている。設備関係費は、経営状況を考え、
かなり厳しく制限している。しかしこれを続けていくと医師のモチ
ベーションに繋がってくるので、長くは続けられないと考えている。
委 員 訪問看護収益について、在宅での看護が増えているというイメージ
があるのだが、収益が減っているのは何か原因があるのでしょうか。
委 員 特に患者数を減らしたというわけではなく、体制的な部分も含め、
新規患者の獲得が減っているため、自然と減ってきている。体制が
整えば元に戻ると思います。
委 員 これからは病院として訪問に力を入れるという計画はあるのでしょ
うか。
委 員 がん治療も当院の柱としており、訪問看護は必要な部分であるため
力を入れなくてはならないと考えている。
委 員 老人福祉事業収益について前年と比べ増えているが、どういうこと
を行っているのか。
委 員 居宅介護支援の方で患者の獲得が多くあり、それが要因だと考えて
います。ただ、一人体制であるため限界にきており、これ以上収益
を増やすのであれば体制を整えなければならない。
<総合診療外来について>
委 員 ホームページを見ると総合診療外来が載っているが、どのくらい患
者さんが来ているのか。紹介がないと受けられないのか。
委 員 予約制の診療科が多く、なかなか予約が入らない患者さんや、予約
なしで診て欲しいと直接来院する患者さんがおりました。そういう
患者さんについてはこれまでは断っていたということがあり、それ
を改善すべく 10 月から正式にスタートしました。基本的には予約な
しで来られた患者さんを中心に診察をしています。たまに紹介状を
持参するものの予約がない患者さんもいるが、そういった患者さん
については、総合診療外来で必要な検査を行い、二回目からは各科
で予約を取り、そちらにきていただいている。今のところは多い日
で 4~5 名来院している。通常は風邪や腹痛などは地域の開業医で受
診されるのが一番よいのだが、当院に来られた場合には対応してお
ります。
<救急の受入れについて>
委 員 救急患者の受入れについて、幸手・杉戸地区が多いのだが、これは
今までの幸手総合病院の患者が来ているのか、それともそこの地区
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で受け入れてないのでしょうか。
委 員 そこまでは把握できておりません。
議 長 救急に関して二つの仕組みが動き出そうとしており、協議中なので
すが、一つは疾患別の輪番制度です。例えば心筋梗塞や脳卒中など
の疾患について当番を決めて引き受けるというものです。この地域
でその疾患を扱う医師がいない夜を作らないという考えです。実行
するには難しく、関わるのは当院や東埼玉総合病院、済生会栗橋病
院あたりですが、それぞれの病院に事情があり、平等に輪番体制を
とるという話が進んでいません。本来では秋頃に体制が作られるは
ずでしたが、もう少し時間がかかると思います。もう一つの仕組み
は、6 号基準というもので、救急隊が出動した際、3 件断られた場合
や、30 分以上立ち往生してしまう場合にとにかく受け入れる病院を
作るという仕組みです。当院では手を挙げているが、こちらも病院
の思惑があり、なかなか進んでおりません。
委 員 疾患別の輪番制度については、事務レベルであるが 3 病院で話をし
ています。その中で体制について具体的な話をしているが、どこの
病院でも対応できる疾患はひとまず置いておき、弱い疾患に対応し
ていくという話があった。まず消化管出血の問題が出て、東埼玉総
合病院も済生会栗橋病院も体制が整えられてない中で、当院では受
け入れられるが、全てを受け入れる訳ではなくて、ファーストタッ
チができる病院、次にセカンドタッチができる病院という形がとれ
るように 3 病院が協力し合っていけるように話を進めているところ
です。6 号基準については、越谷にある東部 MC と打合せができて
いない状況で、今後、具体的な詰めをしていく予定です。
委 員 救急医療の充実は人件費効率が悪く、救急を拡張しながら利益を上
げるのは非常に厳しい。収益を伸ばし費用を縮小させるしかないが、
対策はあるのでしょうか。
議 長 重症の入院患者を増やすため、救急医療が大きな入口となっている。
救急患者の約三割が入院に繋がっているし、他の病院が診療してい
ない夜間に重症の患者を受け入れることで入院患者を増やしたいと
考えている。確かに救急は収益上厳しいが、縮小するつもりはあり
ません。診療報酬上のインセンティブも付く段階というのもあり、
本来は大学病院レベルでないと算定できない基準に、頑張り次第で
当院の救急部門はそこに届く可能性はあるので、そちらも狙ってい
きたい。
委 員 医療従事者要因を見ると、計画人員には至っていない中で救急を受
け入れているとなると、非常にハードな業務だと感じるが、やはり
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医師や看護師は集まらないのでしょうか。
委 員 様々な方法を使いながら集めてきました。民間業者を使わないと運
営上に支障が出るほどに集まらない事情もありました。来年度に奨
学金貸与者のみ入職するが、それだけで足りる状況までは現在は来
ている。退職もあるが、看護師確保対策部門もあり、そちらで対応
しており、ホームページ等使いながら募集もかけています。病院の
運営が安定してくれば自然と集まってくると考えていますが、現状
は足りています。問題は医師であり、早急に整備しないと病院も安
定しないと考えています。
議 長 医師と看護師の確保は違う苦労があり、看護師は募集をすれば少し
ずつ集まってくるが、退職者がかなりいます。理由は様々で、仕事
についていけないとか、人間関係、最近多いのはメンタル的に問題
があったりもする。退職を防ぐのはなかなか難しいので、常に募集
をかけている状態であるが、病院業務に慣れていない看護師も入職
し、業務に慣れるまで半年ほどかかる。常に募集をかけるというこ
とは、常に育てながら業務を行うことになり、人数以上に看護業務
が大変という状況になっている。入院患者の数に対して看護師数は
足りている訳にはなるが、医師が増えて診療科が増えると、入院患
者が増えてくると看護師が足らなくなってくる。看護師数が足らな
くなり、7 対 1 看護体制が取れなくなると、10 対 1 看護体制となる
が、収益は 100 床あたり 1 億ほど違ってくる。看護師数は確保して
おかないと、病院経営上も厳しくなってくる。7:1 看護体制も基準
が厳しくなっており、これを満たす病院も減ってきている。つまり
急性期医療から手を引かないといけない病院が出てきている。10 対
1 やさらに下のレベルの看護体制になってくるので、今までと違い、
看護師確保が楽になってくる可能性も言われている。医師に関して
は非常に難しく、医師が当院に魅力を感じるような医療を続けてい
くことで優秀な医師に集まってもらうようにしていくしかないと考
えている。眼科の医師が大学に引き上げとなったが、これも派遣大
学の医局の人数が減って、そこの診療体制が維持できなくなったと
の理由がある。大学を含めどこの病院も非常に厳しい状況となって
いる。
<外来診療について>
委 員 ここの病院に限ったことではないが、外来の診察時に患者の顔を見
ず、パソコンばっかり見て話を聞いてくれないという話をよく聞き
ます。診察時には患者の顔を見て、いい医者だと思われるような印
象付けも必要かと思うがどうでしょうか。
委 員 現在は紙ではなくパソコンで全て入力するので、それに熱中してし
まうケースもあるが、基本的には人と人とのコミュニケーションだ
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と思うので、目を見て話し、医師として患者の状態を見ながら診察
というのも当然なので、職員の教育をしていきたい。
(2)平成 26 年度診療体制について報告があった。
○ 計画人員について、当院を建設する際にこの人数いれば 300 床運用
できると県に届けた内容となっております。未達なのは医師、看護
師、薬剤師についてもマイナス傾向です。全体で 507 名おり、開院
当初は 450 名ほどでしたが、3 年かけて増えてきた状況です。医師
に関しては内科系が手薄である。早急に内科系を充実させて入院患
者も増やしていかなければならない。来年からは呼吸器外科が入職
する予定で、呼吸器内科、眼科、婦人科についても充実させていき
たい。
<オープンベットについて>
委 員 以前、杉本医師がいらした時にオープンベッド(共同利用)という
話があったが、現在はどうなっていますか。
委 員 現在、オープンベッドはないです。ただ、今の病床利用の状況を見
れば、今後はオープンベッドをしなくてはならないと思う。
委 員 実際には事例が発生しなかったと思うが、開業医の先生と当院の医
師が主治医となり、共同利用をするという相談をしていたが、杉本
医師の体調不良により困難となった。小宮山院長代理に来ていただ
いたので、代理として具体的に話を進めていきたいと思います。
委 員 医師だけではなく、スタッフの負担の問題もあると思うので、可能
であれば相談していきたい。
<医師数について>
委 員 常勤医は 32 名と記載されているが、非常勤医は何人くらいいるか。
委 員 70~80 名くらいで推移しております。その中には当直のみの医師も
います。
委 員 他の大学の医師から、慣れていない病院で勤務する非常勤の医師は
とてもストレスがかかると聞いたが、医師数が少ないことで県から
は何か支援はないのでしょうか。
委 員 非常勤医が来ただけでは補助はないが、他県から救急科や婦人科な
どの特定の医師が 2 年以上勤務すると 300 万の助成金が出るという
仕組みがあります。当院では救急科医が該当するので県に申請して
おります。
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委 員 医師確保のために県は動いていないのでしょうか。
委 員 県内の病院の医師不足を応援する仕組みがあります。リタイヤした
医師を登録し、その医師の派遣体制を県で作り、若手医師がその医
師に教わるような流れを動かそうとしております。
委 員 埼玉県の総合医局機構というものがあり、医師会が立案し県が作成
しているが、これは大学の教授など、専門性の高い医師を労働力と
して派遣するのではなく、指導医として派遣するものです。そこで
若い医師を教育し、その医師が外来で診療できるような形ができて
いる。本来は労働力として派遣したいが、民間業者の仕事を圧迫し
てしまうため、公的なものではできず、限界となっている。ただ、
足がかりができ、予算化できたので、これから試作し展開する段階
となっております。
<倫理委員会について>
委 員 当院は診療を中心とした機能の他、医療のレベルを上げるため、患
者さんを対象とした研究や調査、あるいは厚労省で認可されていな
い新薬、いわゆる治験のテストを行うことも精力的に実施していか
なければならないと考えております。その際には、患者さんの権利
や個人情報を守る必要があり、患者さんに対して行う内容に関して
倫理委員会で審査を行い、問題ないと判断されれば実施している。
治験については厚生省でガイドラインを出しているが、委員の中に
病院とは因果関係のない方に加わっていただいて、方法に誤りがな
いかチェックすると定められている。あくまで法律ではなく、ガイ
ドラインなのだが、現行はそういった方々がいないため、推薦いた
だければと思います。開催は研究の事案が出た際のみであり、年三
回ほどです。
6 閉 会 小宮山院長代理
以上 書記 事務局 小林
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