AO+多天体分光・面分光

2014/4/10
「ULTIMATE-SUBARU」
概要と科学目的:
すばる望遠鏡に地表層補償光学(GLAO)の機能を持たせ広視野補償光学を実現し、またそれに適した広視
野の近赤外撮像&分光装置を開発する。12分角四方に渡りKバンドで0.2”の星像を実現する。科学的目標
は、「黎明期の銀河形成を捕らえる」、「最盛期の銀河形成を解剖する」、「銀河中心と超巨大ブラックホール
を探る」、「惑星質量天体の起源に迫る」、の4つをメインテーマに掲げている。
観測プログラム:
狭帯域撮像、多天体分光、面分光。添付資料参照
実行グループ:
国立天文台、東北大学、NRC-Hertzberg(カナダ)、AAO(オーストラリア)
現在想定しているスケジュール:
2014年 概念設計レビュー
2017年 建設開始
2020年 ファーストライト
2021年 共同利用開始
国内の他の計画との関連:
可視光のHSCサーベイと連携し0.4〜2.5μmの多波長をカバーすることによって、photometric redshiftの精
度の向上と適用範囲の拡大(z<5)をはかる。また、z>7のライマンα輝線銀河やz=2近辺のHα輝線銀河、
z=3近辺の[OIII]輝線銀河などの明るい銀河サンプルを構築し、TMTに格好の分光ターゲットを供給する。
海外の類似計画の有無、区別化:
VLT-UT4-可変副鏡GLAO (観測装置:HAWK-I, MUSE): 南天であること、近赤外多天体(面)分光が予定
されていないこと、等の差異がある。
LBT-可変副鏡GLAO: 装置計画不詳。
関連ホームページ:
http://www.naoj.org/Projects/newdev/ngao/
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「ULTIMATE-SUBARU」
Ground-Layer AO:
視野
可変鏡
FWHM (moderate condition)
直径15分角
可変副鏡 (~1,000アクチュエータ)
Sky Coverage
ほぼ全天
ガイド星
レーザー星 4、自然星 3
バンド
GLAO
Natural
R
0.41”
0.65”
J
0.27”
0.51”
H
0.23”
0.49”
K
0.20”
0.44”
Wide-Field Near-IR Imager:
検出器
4 x 4k x 4k HgCdTe detectors
ピクセルスケール
0.1”
フィルター
J
25.5 AB mag.
視野
13.6’ x 13.6’
H
25.3 AB mag.
波長範囲
0.8um – 2.5um
Ks
25.5 AB mag.
フィルター
Broad‐band and Narrow‐band filters
バンド
連続光 検出限界(5σ, 1時間, 点源)
R~1,500
Wide-Field Near-IR Multi-Object Spectrograph:
検出器
4 x 4k x 4k HgCdTe detectors
ピクセルスケール
0.1”
視野
13.6’ x 13.6’
多天体分光
MOSマスク方式
波長範囲
0.8um – 2.5um
波長分解能
約1,500‐3,000
検出限界(5σ, 1時間, 点源)
J
21.4 AB mag.
H
20.8 AB mag.
K
21.9 AB mag.
バンド
輝線 検出限界(5σ, 1時間, 点源)
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2.7e‐18 erg/s/cm2
R~3,000
J
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2014/4/10
「ULTIMATE-SUBARU」
Multi-Object Fiber Integral Field Spectrograph:
検出器
2 x 2k x 2k H2RG
面分光機能
多天体ファイバーバンドル
ファイバーバンドル仕様
0.1”サンプリング,16エレメント (TBD)
同時観測天体数
50 (TBD)
パトロールエリア
直径15分角 (TBD)
波長範囲
0.9um – 2.0um (TBD)
波長分解能
1,000 ‐ 3,000 (TBD)
すばるのカセグレン焦点に多天体ファイバーバンド
ルを配置し、観測床に設置されたMOIRCSにフィード
することで多天体面分光を実現するものである。現
時点では基本的な成立性の検討段階である。感度
はグリズムの更新などで向上を目指し、 前頁の多
天体分光装置並の感度を2.0μmまで達成することを
目標とする。
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