4th 4 テ ー マ 子供のための家 応募件数 114 件 協 賛 株式会社 LIXIL 主 宰 株式会社 ベツダイ 作品点数 54 件 審査委員 株式会社ベツダイ代表取締役社長 矢邉 弘 藤の家建築設計事務所主宰 大阪芸術大学専任講師 山内 靖朗 ユニバーサルデザイン総合研究所 所長 赤池 学 株式会社LIXIL 営業企画総括部 ハウジング企画部 部長 吉田 格 4th 子供のための家 ~ 2 階建てプラン~ カーサ・デ・バンビーニ Casa dei Bambini アーキファクトリー一級建築士事務所 2 4th 『 カーサ・デ・バンビーニ 』 自然の秩序 人間味 日常生活 言 Casa dei Bambini 語 数教育 芸術 視覚 文化 科学 理解 基本的運動 多 様な環境 洗濯 縫物 実生活 魅力的 料理 着替え 身の回り 自 1 8 7 0 年 イ タ リ ア で 生 ま れ で 、史 上 最 初 の 女性医学博士であるマリア・モンテッソー リが唱えた子供の発育に関する手法は、 「モ ン テ ッ ソ ー リ メ ソ ッ ド 」と し て 、現 代 で も 見守り 敏感期 身 体験 手触り 重さ モンテッソーリ 先天的 調理 考える脳 感じる脳 自然 人間形成 集中力 個別活動 抽象化 基礎 社会的動物 多く教育専門家によって再評価されている。 こ の 教 育 メ ソ ッ ド が 唱 え る 理 念 は 、今 回 の コミュニケーション 言葉 会話 技 年齢 数の世界 乳児 最適な時期 テ ー マ で あ る「 子 供 の 成 長 発 達 を 促 す 住 ま い 」に 多 く 示 唆 を 与 え て く れ る 。 【モンテッソーリの主な理念】 五感 ○ 子 ど も の あ る が ま ま の 姿 、子 ど も の 意 志 ・ 興 味 を 中 心 に考える。 生命 生物 秩序 宇宙 知 吸収 自己教育力 尊重 精神的肉体 道 ○ ど の 子 も あ る 一 定 の 期 間 自 分 の 内 面 に 特 別 の 興 味 、こ だわりが芽生える。 ○ こ の 一 人 一 人 異 な る 興 味 を 大 切 に 考 え 、子 ど も は 自 ら 能 表現力 読み書き サイクル 階段段数 子供の ための家 Casa dei Bambini クラス 不適切な介入 準備 子供の 望 む 活 動 を 選 び 、納 得 の い く ま で 繰 り 返 す こ と が で き る。 「 敏 感 期 」と 呼 び 、こ の 敏 感 期 を 逃 す と そ の 後 そ の 能 力 を 環境 的好奇心 調和 飼育栽培 具 内的欲求 芽生え 仕事 縦割 目線 集中現象 活動 自発的 課 安定 自分 自信 欲求 感情的発達 題 味覚 幼児の秘密 経験 忍耐力 情緒 こ の 特 別 な 興 味 が 芽 生 え る 時 期 を 、モ ン テ ッ ソ ー リ は 、 心音 創作 リズム 造形 触覚 地球 知的発達 材料 身体的発達 異年齢混合 熱中 人格 社会的発達 習性 感受性 能力の獲 獲 得 す る の に 、大 変 な 労 力 を 要 さ な け れ ば な ら な く な る 、 と い う 。モ ン テ ッ ソ ー リ 教 育 を 行 う 施 設( 環 境 )で は 、各 々 得 独立心 潜在能力 急進的発達 個人差 喜びの中 臭覚 土台 発達の初 の 敏 感 期 を 迎 え た 子 ど も に ふ さ わ し い 、シ ン プ ル な 教 具( 教 材 )が 用 意 さ れ て お り 、様 々 な 活 動 に 取 り 組 む 。 そ し て 、遊 び の 時 間 と は 言 わ ず 、 「 お 仕 事 」と 呼 び 、特 徴 は 体 の 期 構成三角形 ふさわしい時期 発達段階 能力 聴覚 邪魔しない 行動 訓練 関心 共に過ごす 教具 知育 変化 興味の芽 感 覚 を 磨 く 、日 常 生 活 の 訓 練 が 中 心 で あ る 。 ⇒住まい/建材 【環境に求められるもの】 1. 子どもの活動に適切であること 生え 言葉の栄養 想像 ( 子 ど も が 利 用 し や す い こ と ) 2 . 色 彩 、形 な ど が 子 ど も に 魅 力 的 で あ る こ と 3. 制限のあること ( 誰 か が 使 っ て い る 場 合 、待 つ こ と を 覚 え 、社 会 性 を 身 に 付 け る ) 4. 誤りの訂正が自分でできるように ( 教 具 の 使 い 方 に 誤 り が あ れ ば 、自 分 で 気 付 く よ う に 工 夫 ) 5. できるだけ本物であること ( 本 物 の 持 つ 美 し さ を 感 じ ら れ る よ う 、大 切 に 扱 う こ と に 慣 れ る ) 敏感期 6. 子どもの成長や文化的発展に連なるように ⇒母親/家族 【教師の役割】 目 の 前 の 子 ど も を 観 察 し 、見 守 り 、子 ど も が 自 分 の 生 命 に 必 要 な 良 い 価 値 を 自 身 で 探 し て 、環 境 か ら ピ ッ ク ア ッ プ できるよう状況を整えてやるのことが役割 発達段階 0-2 歳 / 乳児期 主な関係性 母親 3-5 歳 / 幼児期 両親・家族 6-12 歳 / 児童期 地域・学校 13-19 歳 / 青年期 仲間 20-64 歳 / 成年期 友人・家族・同僚 65- 歳 / 成熟期 人類 Casa dei Bambini 『2階建てモデル』 4人家族(夫婦+子2) を想定。 1階は、母親の視線が、すべてのエリアへ届くように平面計画し ている。水廻りもカーテンや建具を開放すれば、1階はワンフロアと して活用できる。2階においても階段吹抜けを通して、共用エリアと なるスタディスペースや畳スペースでの声や気配は、1階でも感じ られる。 こうして子供が、原則すべての日常行為を母親(家族) の見 守りの中で自身で行えるように配慮している。 1階の土間エリアで遊ぶこともあれば、 オープンキッチンで共に、 秘密の部屋 料理をしたり、食事をしたり、勉強したり・ ・・。 秘密の部屋 星を見るテラス またロフトやテラスも含めて、各フロアで回遊可能な動線を確保 している。動きの中で多様な空間を体験して欲しい。 そして様々な「 場」 で、光や風といった自然の変化を体験して欲しい。 使用建材は、木材・鉄・左官材、畳などを効果的に利用して、肌感 覚でその違いや暖かみ、素材感を感じて欲しい。 そうした自然素材 は、使っていく中で汚れること、壊れることも学んで欲しい。 お仕事の部屋 DRESS-AREA 綺麗の部屋 服の部屋 靴の部屋 パパママの部屋 床遊びの土間 LOFT ゴロゴロの部屋 みんなの部屋 寝る部屋 寝る部屋 土遊びの庭 日向ボッコのテラス 外遊びの庭 SYMBOL TREE 3 4th アーキファクトリー 一級建築士事務所 山本邦史郎 Kunishiro Yamamoto 事務所開設年:2002年 ◇免許登録番号:一級建築士登録 第302703号 ◇経歴 1969 兵庫県淡路島生まれ 1992 横浜国立大学工学部建築学科卒業 1994 横浜国立大学大学院工学研究科修了 都内設計事務所勤務 2002 アーキファクトリー一級建築士事務所設立 ◇受賞暦 2006「住まいのバリアフリーコンペティション2006」 東京都建設業協会賞 2007「第9回あたたかな住空間デザインコンペ」 暮らしデザイン部門ブルー&グリーン賞 暮らしデザイン部門入賞 4 4th 子供のための家 ~ 3 階建てプラン~ 子・木・コト 育つ コトコトハウス 榊原節子建築研究所 4th 5 6 4th 榊原節子建築研究所 1970 愛知県岡崎市生まれ Setsuko Sakakibara Architect & Assoc 1993 名古屋大学経済学部 卒業 1993 東海旅客鉄道株式会社(JR東海) 榊原 節子 Setsuko Sakakibara 2005 arte空間研究所 2009 榊原節子建築研究所設立 2014 大阪芸術大学 非常勤講師 ◇受賞暦 2009 第6回真の日本のすまい 住宅金融支援機構理事長賞 2012 第28回住まいのリフォームコンクール 優秀賞 2013 SD Review 2013 朝倉賞 2013 LIXIL デザインコンテスト2013 入賞 2014 関西建築家新人賞 審査員奨励賞 4th 「子供のための家」 コンペを終えて イエコラボコンペも今回で4回目となりました。参加頂いた建築家の皆様ご応募誠にあり がとうございました。今回の「子どものための家」は、エントリー数 114 組、提案数 54 題 と回を重ねる度に提案数が多くなり、イエコラボが建築家の皆様方に浸透してきたことを喜 ばしく思います。 締め切り後すぐに書類審査をさせて頂きましたが、皆様から頂いた案の力強さに押されて 山本邦史郎さんの「カーサ・デ・バンビーニ」と榊原節子建築研究所、榊原節子さんの「コ トコトハウス」のふたつの案を最優秀作品としました。 全体を通して印象に残ったことは、提案に大きく二つの方向性があったことです。ひとつ は、プランに特色を持たせ暮らしのアクティビティをつくった案。もうひとつは、断面に特 色を持たせ空間を最大限拡げ子どもがのびのびと生活できる場をつくった案。この二つのパ ターンだったと思います。その中で最も可能性を感じた案が選ばれました。 アーキファクトリー、山本さんの案「カーサ・デ・バンビーニ」は、間口 4 間 × 奥行 5 間、 2 階建て。この案は、プランが特徴的で LDK に隣接して解放した水回り空間や LDK から気 配の感じるお仕事コーナーを設けるなど親子がどんな場所に居てもお互いの気配を感じとれ る案です。山本さんの案は、家の中でのアクティビティが最も膨らんでくる案でした。 もう一つ、榊原さんの「コトコトハウス」は、間口 2 間 × 奥行 4 間、3 階建て。この案は、 断面を上手く使った案で、暮らしの中に木を持ち込み木とともに子どもが成長できる案です。 全ての空間は木に向かって開き木の植わった内庭空間は四季を通してご近所と家族、家族間 のコミュニケーションが実現出来る魅力的な案でした。 その他最終段階まで議論になって印象深かった作品は、二重の床を設けそのレベル差を上 手く使ったキー・オペレーションさんの「床の中のいえ」。スキップフロアーを使い家族と の繋がり方を提案した Japan Architect COGTI さんの「ワンルームハウス」でした。その他 にも素晴らしい案を幾つも拝見できた事は私にっとっても大変勉強になりました。 これから選ばれた 2 案の住宅をリクシルさんとベツダイさんとで開発し建築していく予定 です。今から完成が楽しみです。 また、この場をお借りして主催者の方々にコンペに参画させて頂きましたことを心より感 謝申し上げます。 8 4th 株式会社 ユニバーサルデザイン総合研究所 所長 赤池 学 1996 年の小社設立以来、ユニバーサルデザインに基づく商品や施設、地域開発 を手掛けてきました。そこでは、洞爺湖サミットの「ゼロエミッションハウス」や、 家と庭、家と電気自動車をシステム化したメーカーハウスなど、いくつかの商品住 宅の開発にも関わってきました。また、経済産業省が所管する「キッズデザイン賞」 の審査委員長を歴任してきた立場から、そして、資源エネルギー庁のスマートハウ ス普及を推進する ( 社 ) 環境共創イニシアチブの代表理事として、今回のベツダイ 住宅設計コンペ「子どものための家」の審査にあたらせていただきました。 ご提案いただいた作品のなかには、機能性、コスト性、そして感性価値に優れた、 高い商品力を感じる住宅プランが数多くありましたが、そのなかでアーキファクト リー一級建築士事務所の「カーサ・デ・バンビーニ」、榊原節子建築研究所の「コ トコトハウス」を、優秀賞として選定させていただきました。 公共建築と個人住宅が大きく異なる点は、前者がパブリックな「空間 ( スペース ) 提案」を重んじるのに対し、後者にはアクティブな「場 ( プレイス ) の提案」が求 められるということです。「カーサ・デ・バンビーノ」は、子どもたちを見守る空 間づくりを超え、子どもたちと関わる場のコンポーネントづくりに優れていました。 また、「コトコトハウス」は、住居内の樹木を中心に、家族や隣人との交歓の場づ くりを提案した、とてもユニークな作品です。そして、両者に共通しているのは、 エクステリアとしての庭の価値、ミッドテリアとしての中間領域のユーザビリティ が重んじられていること、そして装置系のスマートハウスではなく、ネイチャーギ フトを最優先したパッシブエコ設計が形になっていることです。 子どもたちの家は、子育て家族とだけシェアできる家ではなく、家族の友人や隣人 といった多様な人々とシェアできる家、さらに言えば多様な自然や生物ともシェア できる家を目指すべきだと考えています。 9 4th 株式会社 LIXIL 営業企画統括部 ハウジング企画部 部長 吉田 格 このたびは「子どものための家」コンペにご応募いただき、誠にありが とうございます。 LIXILでは ”暮らしを育てる。”というメッセージを伝えさせて いただいていますが、今回のコンペでは、その具体的な シーンや空間を たくさん提示いただけたと、感謝しています。最近 実際の住まいに伺い、 住まい方や空間のヒアリングをする機会がありました。 子ども部屋の使われ方が昔と大きく異なり、nLDKの発想では快適な暮 らしは実現できていないと実感しました。選定された2作品に対して ①子どもを中心とした 今日の住まいと暮らしの課題が解決できている。 ②新しく、かつ多くの人に 共感いただける。 ③LIXILの”暮らしを育てる。”メッセージに良い刺激を与えている。 といった視点で 私は評価しています。 これから、企画住宅としてブラシュアップの工程に入りますが、LIXI Lのすべてのハードとソフトでバックアップさせていただく所存です。 最後に、このたび参加いただきました建築家の皆様、コンペの関係者の皆 様に御礼申し上げます。 4th 4 この度はご多用の中、 第 4 回ベツダイ住宅設計コンペにご参加 ・ ご協力いただき、 誠にありがとうござ いました。 エントリー総数は 114 件、 応募作品 54 作品に昇り、 ご参加いただいた皆様から数多くのご提 案をいただき、 新たな住宅の可能性に気づかせていただけました。 こちらの不手際から、 コンペ結果発表が予定より大幅に遅れてしまったことをこの場をお借りしてお詫び 申し上げます。 さて、 今回の住宅設計コンペでは株式会社 LIXIL 様のご協賛のもと、 「子供のための家」 をテーマとさ せていただきました。 次世代を担っていく子供たちの成長発達のためにわれわれにできることとは?という 題目のもと、 子供のためとはどういうことなのか、 どんな家づくりが望ましいのか、 という答えに近づくため、 様々な方向から自由な発想とアイディアを設計士の皆様に募集させていただきました。 子供の喜ぶアイディアや見ているだけでも楽しい造形など、 どの作品も大変興味深く、 少数の作品へ絞 りこむだけでも苦言を呈することとなりました。 第一次審査を通過した 8 作品の中から、 アーキファクトリー一級建築士事務所様の 「Casa dei Bambini」 (2 階建てプラン) と、 榊原節子建築研究所様の 「コトコトハウス」 (3 階建てプラン) の 2 作 品を最優秀賞として選出させていただきました。 惜しくも選外とさせていただきました皆様には大変心苦しいですが、 ご了承いただけますよう、 お願い申し 上げます。 最優秀作品の 2 作品につきましては、 今後打ち合わせを進め商品化を目指します。 今後の進展につい ては住宅情報誌 「LiVES」 や、 弊社の WEB サイト 「みんなの家づくり研究所 イエコラボ」 にてご報告さ せていただきます。 ECOLAB/ イエコラボ - くらしの未来研究所 -: http://iecolab.jp/ 弊社では、 今後も商品住宅の共同開発を目的とした住宅コンペを予定しております。 前述のイエコラボ サイトにてお知らせいたしますので、 奮ってご参加いただけますよう、 お願いいたします。 末筆ながら、 皆様のさらなるご発展とご活躍、 ご健康をお祈り申し上げます。
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