短周期食変光星の測光観測
情報工学科3年 大嶋真以・岸部仁美
解析結果・考察
目的
食変光星のはくちょう座V1191とカシオペヤ座V0523を測
光観測し、得られたデータをIRAFで解析する。
データ解析をするにあたって、IRAFの使い方を理解する。
画像データを解析しExcelでデータをまとめ、光度曲線を
作成する。
食変光星の公転周期と大小関係を考察する。
星の観測とデータ解析
グラフより、V1191 Cygの公転周期は7時間23分である。
<仮定>
(1)公転面上に地球がある
(2)星が接触している
(3)星の大きさが異なる
仮定(2)より、星の明るさは極大
時に連続的に変化する。
仮定(3)より、星の明るさは極小
時に 変化しない時間帯がある。
基本的に主星と呼ばれる大きな恒星を中心として、その周囲に
小さな伴星がある。これらはそれぞれ重力を持っていて、それ
らが影響し合うことによって、主星と伴星はその重心の回りを軌
道運動をしている。
これによって、地球から見たときに2つの星が互いを隠しあうこ
とで変光しているように見える。
T1
<分かったこと>
仮定(1)より、地球から見た星の
断面積が食によって変化する。
T2
文献データとして、この食連星はおおぐまW型(EW)であり、周期
は7時間31分であるから、分析結果はほぼ一致している。
グラフより、V0523 Casの公転周期は5時間43分である。
<仮定>
(1)公転面上に地球がある
(2)星が接触している
(3)星の大きさがほぼ等しい
<分かったこと>
仮定(1)より、地球から見た星の
断面積が食によって変化する。
撮影について
V1191 Cyg
V0523 Cas
撮影
8/6(火) 22:00∼翌4:00
10/12(土) 23:00∼翌5:00
露出時間
70秒
40秒、60秒
撮影枚数
277枚
244枚
仮定(2)より、星の明るさは極大
時に連続的に変化する。
仮定(3)より、星の明るさは極小
時に急激に変化する。
観測機器
V1191 Cyg
V0523 Cas
望遠鏡
美星スペースガードセンター
50cm望遠鏡
美星天文台101cm望遠鏡
CCDカメラ
画素数
2048×2048pixel
1024×1024pixel
視野
100分×100分
6.8分×6.8分
フィルター
Wi(5880-9380Å)
R(1380-6380Å)
比較星として、V1191 Cygの場合はHD228695(A0)、V0523 Cas
の場合にはUSNO-A2.0 1350- 00691230を使用した。
1. IRAFを用いて撮影画像からダークとバイアスをひき、 画像
をフラットで割る。
2. 整約済み画像の位置情報を取得し、連続測光する。
3. 変光星と比較星のフラックスを測定し、ポグソンの式を用い
て等級差を求める。
௅ଵ
∆m=2.5×logଵ଴ ௅ଶ
※∆m:比較星に対する等級差、‫ܮ‬ଵ:比較星のフラックス、‫ܮ‬ଶ:変光星のフラックス
文献データとして、この食連星はおおぐまW型(EW)であり、周期
は5時間31分であるから、分析結果はほぼ一致している。
また、測定誤差を考慮してもグラフよりわずかであるが主極小
(グラフ右側)、副極小(グラフ左側)があることが判断できる。
まとめ
• 食変光星を測光観測し光度曲線を作成した。
• その光度曲線から公転周期と星の大小関係を考察した。
• グラフが曲線を描いたので、食変光星が円運動をしているこ
とを理解した。
• IRAFの操作方法を習得した。
• V1191 Cygはカーブがなめらかな部分とそうでない部分が
あったが、V0523 Casはカーブがなめらかであった。
• V1191 CygとV0523 CasはおおぐまW型(EW)であるが、カーブ
が同じようなものにならなかったので、追加データを解析し
たい。