スタビライゼーションの姿勢保持に股関節筋力と肩関節筋力は影響するか 森内 朝子 (競技スポーツ学科 トレーニング・健康コース) 指導教員 佃 文子 キーワード:体幹,股関節,肩関節,スタビライゼーショントレーニング 影 響 を及 ぼ し て い る 可 能 性 があ る と 考 え ら れ た (図 1).肩 関 節 筋 力 の左 右 差 と EK は 相 関係 数 r=-0.248 だ っ た .こ れ ら の 結 果 か ら,肩 関 節 外転 筋 力 と 股関 節 屈 曲 筋 力 は,EK の 肢 位 にお い て 単 に筋 力 が 強 い こ と は,安 定 性 を 支え る 要 因 とし て は 不 十 分 で あ り,筋 力 の 左右 の バ ラ ンス が 取 れ た 状 態 に する こ と が 必 要 で は な い か と 考 え た . 体 幹 の安 定 性 に つ い て Panjabi は 3 つ の 構 成 要素 に つ い て 提 唱 し て い る 1 ) . 本 研 究 で は構 成 要 素 の 筋 力 に つ いて ,筋 力 だけ で な く筋 力 の 左 右 差 に も 着 目す る こ と が 必 要 であ る と 考 え ら れ た . 左右差(Nm) 1, 緒 言 近 年,ス タ ビ ラ イ ゼー シ ョ ント レ ー ニ ン グがスポーツ現場で積極的に取り入れら れ て いる .ス タ ビラ イ ゼ ー ショ ン ト レ ー ニ ン グ (以 下 ス タ ビ )の 肢 位 は,体 幹 ,股 関 節 , 肩関節で構成されると考えることが出来 る .し か し体 幹 と 股 関 節 ,肩 関 節の 筋 力 の 関係性を調査した研究はほとんど報告さ れ て いな い .そ こで 本 研 究 では 体 幹 の 安 定 性 を スタ ビ の 肢 位 の 保 持 力 と考 え ,ス タビ の 中 で も Elbow-knee(以 下 EK)の 肢 位 に 着 目 し,ス タ ビ 時の 体 幹 保 持力 に 股 関 節 筋 力・肩 関 節 筋 力 が与 え る 影 響を 検 討 す る こ と と した . 2, 方 法 対 象 は健 常 男 性 9 名 と し , 体幹 支 持 力, 股 関 節筋 力 ,肩 関節 筋 力 の 3 項 目 の 測 定 を 行 っ た .体幹 支 持 力 は EK の 最大 持 続 時 間 と し た .股関 節 筋 力 は ,等 速 性 筋力 評 価 装 置 (BIODEX 社 製 ;Biodex system3),肩 関 節 筋力 は ,等 尺 性 筋 力 計(ANIMA 社 製 μ Tas f-1) を 使 用 し 屈 曲 動 作 の 等 尺 性 最 大 筋 力 を 測 定 し た . 統 計 処 理 は SPSS Statistics19(IBM 社 製 )を 用 い た .股関 節屈曲筋力の左右比較を対応のある t 検 定 ,股 関 節屈 曲 筋 力 と EK と の関 係 性 お よ び 股 関 節 屈 曲 筋 力 の 左 右 差 と EK の 関 係 性 は , Pearson の 相 関 係 数 を 用 い た . 有 意 水 準は 危 険 率 5% 未 満 と した .ま た ,肩 関 節 も股 関 節 と 同 様 に 統 計 処 理 を 行 っ た . 3, 結 果 お よび 考 察 EK の 保持 時 間 は 平 均 357.33±134.38 秒 で あっ た .身 長 と EK の 関 係は 非 常 に 強 い 負 の相 関 が 認 め ら れ た (r=-0.844, p<0.05). 体 重 は 統 計学 的 に 有意 で は な い が,EK と の 関 係に 中 程 度 の負 の 相 関 が 認 め ら れた (r=-0.688, n.s.). 股 関節 筋 力 の 左 右 差(Max/BW)と EK は r=-0.401 で統 計 学 的 に有 意 で は な い が ,EK の 保 持 時 間に 40 35 30 25 20 15 10 5 0 r = -0.401 0 500 1000 EK(秒) 図1 股関節筋力の左右差とEKの関係 4, 結 論 EK の 保持 時 間 は 体 重 が 軽 い者 や ,身 長 が低い者ほど持続時間が長かった.また, 筋 力 の 左 右 差 が 大 き い 場 合 EK の 保 持 時 間 が 短く な る 傾 向 が 認 め ら れ ,EK の 保 持 時 間 は股 関 節 ,肩 関 節 の 筋 力バ ラ ン ス が 影 響 し てい る 可 能 性 が 考 え ら れた . 参 考 文献 1) Panjabi M.(1992a).The Stabilizing System of the Spine. Part Ⅰ . Function, Dysfunction, Adaptation, and Enhancement.jounal of spinal disorders & techniques,Vol.5 No4.
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