熱化学

熱化学
映像:(導入)熱化学
☆ヘスの法則
反応物と生成物のみで反応熱は決まる
つまり、反応経路に反応熱が依存する
☆反応熱
1 生成熱
C(黒鉛) + O2 = CO2 + 393kJ
CO2 が 1mol 生成するとき発生する熱量を CO2 の生成熱という
2 燃焼熱
C(黒鉛) + O2 = CO2 + 393kJ
先ほどの式の見方を変えれば C(黒鉛)1mol が燃焼するときの発生熱である
これを C(黒鉛) の燃焼熱という
3 気化熱・融解熱・中和熱・昇華熱
☆ 結合エネルギー
共有結合を切って個々の原子にするために必要なエネルギー
特にイオン結晶を各イオンに分解するのに必要なエネルギーを格子エネルギーという.
1
★★問題
1
二酸化炭素の生成熱は 394kJ/mol, 水(液体)の生成熱は 286kJ/mol, メタンの燃焼熱は
890kJ/mol である。メタンの生成熱を求めよ
2
次の熱化学方程式と関連し誤りを含むものを1つ選べ。
A
1
H2 (気) + O(気)
= H2 O(液) + 286kJ
2
2
B
1
H2 (気) + O2 (気) = H2 O(気) + 242kJ
2
C
N2 (気) + O2 (気) = 2NO(気) − 180kJ
D
AgNO3 (固) + aq = AgNO3 aq − 26kJ
E
NaOH(固) + aq = NaOHaq + 44kJ
F
NaOH(個) + HClaq = NaClaq + H2 O(液) + 101kJ
a 水の蒸発熱は 44kJ/mol である
b 一酸化窒素の生成熱は-90kJ/mol である
c 純水に硝酸銀を溶解させると、溶液の温度が下がる
d 水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中和熱は 101kJ/mol より大きい
3
次の熱化学方程式を用いて 3A+B=2C+QkJ の反応熱 Q を求めよ。またもっとも近いも
のはどれか
2A + G = 2E + 10kJ , B + G = 2F + 20kJ
2
2F + G = 2D + 30kJ , B + 2G = 2D + 50kJ
4C + 7G = 4D + 6E + 40kJ
(1)10 (2)20 (3)30 (4)45 (5)90
3
★★★問題
1
映像:(導入)熱化学
二酸化炭素の生成熱は 393kJ/mol, 水(液体)の生成熱は 286kJ/mol, プロパン (C3 H8 )
の生成熱は 96kJ/mol である。プロパンの燃焼熱は何 kJ/mol か、整数値で求めよ。ただ
し、プロパンが燃焼するとき生成する水は液体であるものとする。
2
メタン (CH4 ) の燃焼熱は 890kJ/mol, エタン (C2 H6 ) の燃焼熱は 1560kJ/mol である。
メタンとエタンの混合気体を完全燃焼させたところ、1.00mol の二酸化炭素と 1.80mol の
水が生成した。発生した熱量は何 kJ か、整数値で求めよ
3
映像:(導入)熱化学
塩化水素の生成熱は 92kJ/mol,H-H の結合エネルギーは 434kJ/mol,Cl-Cl の結合エネル
ギーは 242kJ/mol である。H-Cl の結合エネルギーは何 KJ/mol か。整数値で求めよ
4
アンモニアの生成熱は 46 kJ/mol,H-H の結合エネルギーは 434kJ/mol,N ≡ N の結合エ
ネルギーは 941kJ/mol である。N-H の結合エネルギーは何 KJ/mol か。整数値で求めよ
4
★★★★問題
1 岡山理科大
表に示した生成熱の値を用いて次の問1に答えよ。
(1) H(原子,気体)の生成の熱化学方程式を記せ。
(2) C(原子,気体) の生成の熱化学方程式を記せ。
(3) CH4 (気体) の生成の熱化学方程式を記せ。
(4) C-H の結合エネルギー [kJ/mol] を求めよ。
2 広島大
表の値を用いて,次の (1) から (3) に答えよ。ただし,答えは整数値で求めよ。
(1) 二酸化炭素 1mol 中の結合を全て切って原子をバラバラにするために必要なエネル
ギーは何 kJ か。
(2) 水素と酸素とから水(気)が生成するときの生成熱が 242kJ/mol とすると,水分子
の O-H 結合の 1mol あたりの結合エネルギーは何 kJ か。
(3) (2) で得られた水分子の O-H 結合の結合エネルギーの値と表の値を用いて,エタン
1mol あたりの燃焼熱 [kJ] を求めよ。ただし,生じた H2 O は気体とする。
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3 阪大
次の(ア)から(エ)に適切な語句と数値を記せ。
ドライアイスは 25kJ/mol の熱を吸収して気体の二酸化炭素に( ア )するので冷却剤
として使われる。塩化ナトリウム結晶が気体のナトリウムイオンと気体の塩化ナトリウム
分子へ( ア )するには 208kJ/mol を吸熱し,塩化ナトリウム結晶が気体のナトリウ
ムイオンと気体の塩化物イオンに電離するには 775kJ/mol を吸収しなければならない。
それに対して,塩化ナトリウム結晶が水へ( イ )するときの吸熱量は 4kJ/mol と小
さい。これは水中では電離したナトリウムイオンと塩化物イオンの( ウ )が気体状の
イオンと比べてエネルギー的に( エ )kJ/mol も低いためである。
6
★★★★★問題
1
(1) プロパン(C3 H8 ), 二酸化炭素、水(液体)の生成熱はそれぞれ 96,393,286[kJ/mol]
である。プロパンの燃焼熱を求めよ
(2) アンモニア (NH3 ) の生成熱は 43kJ/mol,N ≡ N および H − H の結合エネルギーは
それぞれ、941,436[kJ/mol] である。N−H の結合エネルギーを整数値で求めよ
(3) H − H, C − H, C − C の結合エネルギーはそれぞれ 436,414,330[kJ/mol], メタン
(CH4 ) の燃焼熱 890kJ/mol, 水(液体)の生成熱は 285kJ/mol である。エタン (C2 H6 )
の燃焼熱を求めよ
2 東工大
内容積 2.00L の容器内で、27 ℃、4.0 × 104 [Pa] の水素と酸素の混合気体を燃焼させ
たところ、水素は完全に消失した。残りの気体の温度を 27 ℃に戻したところ、圧力は
2.8 × 104 [Pa] となった。このとき発生した全熱量は何 kJ か。有効数字2桁で求めよ。
水の気体の生成熱は 242kJ/mol,水の気化熱は 43kJ/mol, 飽和水蒸気圧 3.6 × 103 [Pa],
気体定数 8.3 × 103 とする。
3 東大
映像:(難問)熱化学1
C,H,O の原子量は 12.0,1.0,16.0 とし、固体や液体の体積は無視できるものとする。また
気体はすべて理想気体として取り扱い、気体定数は 8.31 × 103 [Pa L/mol K] とする。
分子式 C4 H6 O3 の固体の化合物 0.200g をとり、ピストンのついた容器の中にいれる。ピ
ストンは容器内の圧力が常に 1.01 × 105 [Pa] に保たれるように動くものとする。
(a) 容器全体の温度を 25 ℃から上げていくと、100 ℃を超えたあたりで、発熱反応が起
き、容器内の体積が増加した。このときの発熱量は Q であった。容器内の体積は 127 ℃
で 129mL であり,容器内には固体も液体も存在しなかった。
(b) 127 ℃から再び温度を下げていくと、58 ℃付近で発熱 (56.8J) が見られ, 化合物 A
が液化した。温度をさらに-23 ℃まで下げたとき、容器内の体積は 40.2mL であり、0.114g
の化合物 A が存在した。このとき容器内には固体は存在せず、また化合物 A の蒸気圧は
無視できる
問1 上の実験に基づき、容器内の化合物 A のモル数を求めよ
問2 化合物 A の元素分析を行ったところ、その中に含まれる炭素の重量比は 62.1% で
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あった。この化合物の分子式を求めよ
問3 いま、最初の固体化合物 (C4 H6 O3 )1mol の 25 ℃での燃焼熱は 1906kJ とする。(b)
の過程が終了後、容器内に存在する化合物すべてを取り出し、25 ℃での燃焼熱を測定した
ところ、その値は 3532J であった。発熱量 Q を求めよ
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