地盤構造モデル(減衰)の変更による 地震動評価への影響について

合同C15-3-3
地盤構造モデル(減衰)の変更による
地震動評価への影響について
平成21年4月28日
独立行政法人日本原子力研究開発機構
0
1
地盤構造モデル
■地震動評価に用いる地盤構造モデル(減衰)の変更
既往の地盤構造モデル(もんじゅ)
深さ
(m)
EL
(m)
0
5
33
-28
630
-625
1400
-1395
4000
-3995
S波速度 P波速度
Vs
Vp
(m/s)
(m/s)
層
層厚
(m)
密度ρ
3
(t/m )
1
33
2.5
1900
2
597
2.6
3
770
4
5
Qs
減衰定数
(%)
4300
16.7
3.0
2200
4600
16.7
3.0
2.6
2800
5130
50.0
1.0
2600
2.6
3100
5310
50.0
1.0
-
2.7
3600
6270
50.0
1.0
減衰を変更した地盤構造モデル(もんじゅ)
深さ
(m)
EL
(m)
0
5
33
-28
630
-625
1400
-1395
4000
-3995
S波速度 P波速度
Vp
Vs
(m/s)
(m/s)
層
層厚
(m)
密度ρ
3
(t/m )
1
33
2.5
1900
2
597
2.6
3
770
4
5
Qs
減衰定数
(%)
4300
16.7
3.0
2200
4600
16.7
3.0
2.6
2800
5130
100.0
0.5
2600
2.6
3100
5310
100.0
0.5
-
2.7
3600
6270
100.0
0.5
※上端3kmのケースを考慮する場合は、第4層の層厚を1600mとする。
※Qp=2/3×Qs
地盤構造モデル(減衰)を変更した
場合に、地震動評価結果にどの程
度影響するかを検討する。
検討対象とする地震は、「もんじゅ」
にとって影響の大きい「白木-丹生
断層による地震」とする。
2
断層モデルを用いた地震動評価
■白木-丹生断層のモデル図
GL 北
1
南
7.70km(=1.54km×5)
4km
★
断層面基準点
2
16.2km(=1.47km×11)
★
3
高速増殖原型炉
もんじゅ
★
4
★
●
断層面基準点
★
5
7.35km(=1.47km×5)
●
★
2
★
3
★
1
★
4
5
★
20.0km(=1.54km×13)
:破壊開始点
★
ⅱ)断面図
0
※ 青色の線は活断層調査結果を示す。
ⅰ)断層配置図
10km
★:破壊開始点
※モデル図は上端4kmのケースを代表して示す
3
断層モデルを用いた地震動評価
■白木-丹生断層の断層パラメータ:上端4km、応力降下量(レシピ平均)
断層パラメータ
パラメータ
設定方法
断層長さL(km)
20
断層位置を延長
断層傾斜角(°)
60
調査結果に基づき設定
断層上端深さ(km)
断層下端深さ(km)
4
18
微小地震の発生及び地下
構造を参考に設定
16.2
地震発生層と傾斜角から
設定
断層幅W(km)
断層面積S(km2)
破壊伝播様式
地震モーメントM0(Nm)
剛性率(N/m2)
324
同心円状
5.84×1018
3.5×1010
断層面より算定
-
M0={S/(4.24×10-11)}2.0
μ=ρβ2、ρ=2.7g/cm3、
β=3.6km/s
平均すべり量D(cm)
51.5
D=M0/(μS)
平均応力降下量Δσ
(MPa)
2.4
Δσ=(7π1.5/16)(M0/S1.5)
破壊伝播速度Vr(km/s)
2.59
Vr=0.72β
立ち上がり時間Tr(sec)
0.79
Tr=2.03×10-9M01/3
高周波限界遮断周波数
fmax(Hz)
8.3
香川他(2003)
短周期レベルA
(Nm/s2)
Q値
9.54×1018
50f1.1
A=2.46×1017×M01/3
佐藤他(2007)
※パラメータは上端4km、応力降下量(レシピ平均)の
ケースを代表して示す
断層パラメータ
全
ア
ス
ペ
リ
テ
ィ
パラメータ
設定方法
面積Sa(km2)
57.89
Sa=πr2
r=(7πM0β2)/(4AaR),R=(S/π)0.5
平均すべり量Da(cm)
103.5
Da=γDD、γD=2.01
地震モーメントM0a(Nm)
2.10×1018
応力降下量Δσa(MPa)
13.7
面積Sb(km2)
背
景
領
域
平均すべり量Db(cm)
地震モーメントM0b(Nm)
実効応力σb(MPa)
266.11
40.2
M0a=μSaDa
Δσa=(S/Sa)Δσ
Sb=S-Sa
Db=M0b/(μSb)
3.74×1018
M0b=M0-M0a
2.7
σb=0.2Δσa
4
断層モデルを用いた地震動評価結果
■白木-丹生断層:上端深さ4km、応力降下量(レシピ平均)、変更した地盤構造モデル
(h=0.05)
(h=0.05)
1000
加
速
度
(c
m
/s
100
00
0
50
00
速度 (cm/s)
10
10
00
0
50
0
10
10
0
0
20
20
0
0
1
1
50
0
10
10
00
00
20
20
00
00
50
00
10
10
速度(cm/s)
0
0.1
0.01
10
1
1
)
10
10
m
0
10
100
(c
位
変
)
m
(c
位
変
加
速
度
(c
m
/s
2
)
2
)
1000
0.1
周期 (sec)
━━━ Ss-DH
実線: NS方向、破線: EW方向
水平方向
1
10
0.1
0.01
0.1
周期 (sec)
━━━ Ss-DV
鉛直方向
1
10
5
断層モデルを用いた地震動評価結果
■白木-丹生断層:上端深さ3km、応力降下量(レシピ平均)、変更した地盤構造モデル
(h=0.05)
(h=0.05)
1000
加
速
度
(c
m
/s
10
50
20
0
0
20
0
10
10
0
0.1
0.01
1
1
50
0
0
10
0
10
00
0
20
0
20
00
0
10
50
00
速度 (cm/s)
50
00
速度(cm/s)
10
00
0
00
0
100
10
1
1
0
10
10
10
)
0
10
100
m
(c
位
変
)
m
(c
位
変
加
速
度
(c
m
/s
2
)
2
)
1000
0.1
周期 (sec)
━━━ Ss-DH
実線: NS方向、破線: EW方向
水平方向
1
10
0.1
0.01
0.1
周期 (sec)
━━━ Ss-DV
鉛直方向
1
10
地盤構造モデルの減衰変更による地震動評価への影響
まとめ
■地盤構造モデルの減衰を変更し、「もんじゅ」において影響の大きい白
木-丹生断層について断層モデルによる地震動評価を実施した。
■その結果、白木-丹生断層による地震動は一部の周期帯において基
準地震動Ss-Dを若干上回るケースがあるものの、概ねSs-Dのスペクト
ルに包絡されていることを確認した。
■このため、「もんじゅ」の基準地震動Ssはこれまで設定したSs-Dを変え
ることなく、Ss-Dを超過する地震動を加えることで対処可能と考える。
6