沖縄地方の週間地震概況

平成 26 年 12 月 26 日(No.52)
沖 縄 気 象 台
沖縄地方の週間地震概況
今期間(12 月 19 日∼12 月 25 日)の震源を赤で表示
今期間の地震回数 249 回
海溝軸
図中の記号
M:マグニチュード depth:震源の深さ
UND:マグニチュードの決まらない地震が含まれていることを意味する
※ 灰色のシンボルは対象期間から6ヶ月前まで(2014年6月27日∼12月18日)の
震源を表しています。
※ 沖縄県内で震度1以上を観測した地震を吹き出しで示しています。
[
概
況
]
国頭村で震度1を観測
23 日 17 時 09 分に沖縄本島近海(国頭村の東約 20
与論島
㎞)で発生した地震(M3.1、深さ 30 ㎞)により、
国頭村で震度1を観測しました(右図)。
この地震は、国頭村東方沖で発生している繰り返
し地震の一つです(別紙参照)
。
沖縄本島
震度分布図
(23 日 17 時 09 分
沖縄本島近海 M3.1)
沖縄県内で震度1以上を観測した地震の表(期間:12 月 19 日∼12 月 25 日)
震源時
各地の震度
震央地名
北
東
緯
経
深 さ
規 模
2014年12月23日17時09分 沖縄本島近海
沖縄県
震度 1 : 国頭村奥,国頭村辺土名*
26゚ 47.2' N
128゚ 24.9' E
30km
M3.1
2014年12月23日20時37分 西表島付近
沖縄県
震度 1 : 竹富町上原*
24゚ 25.9' N
123゚ 45.2' E
0km
M2.9
*の付いた地点は気象庁以外の震度観測点です。
※
資料中のデータについて
この資料は、独立行政法人防災科学技術研究所、北海道大学、弘前大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、高知大学、九州大学、鹿
児島大学、独立行政法人産業技術総合研究所、国土地理院、独立行政法人海洋研究開発機構、青森県、東京都、静岡県、神奈川県温泉地学研究所、
及び気象庁のデータを用いて作成しています。また、IRIS の観測点(台北、玉峰、寧安橋、玉里、台東)のデータを用いて作成しています。
※
資料は速報であり、後日の調査で変更することがあります。
過去の資料は沖縄気象台ホームページで閲覧できます。
URL
http://www.jma-net.go.jp/okinawa/menu/syokai/jisin/jisin_gaikyo.html
本件に関する問い合わせ先:沖縄気象台地震火山課
098−833−4295
次回の週間地震概況(No.1)は、平成 27 年1月5日(月)に発表します。
別紙
く に が み そ ん
沖縄本島近海(国頭村東方沖)の繰り返し地震
震央分布図(1994年10月以降、深さ0∼120km、M≧2.5)
2014年12月23日17時09分に沖縄本島近海(国頭
2014年12月の地震を濃く表示
村の東約20km)でM3.1の地震(深さ30km)が発生
G
し、国頭村で震度1を観測しました。この地震は、
フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で
徳之島
発生した地震と考えられます。この地震の震源付
近では、繰り返し地震が3グループ見つかってい
沖永良部島
領域a
(グループA)
今回の地震
与論島
H
ます(下図表参照)
。
今回の地震は、M3.1程度で平均1.1年間隔で発
生するグループAに属します。前回は2013年12月
25日に発生しており、直近の予測では2014年12月
から2015年4月までの期間に70%の確率で発生
沖縄本島
すると予測されていました(※)
。
この他にも、M4.0程度で平均2.4年間隔で発生
(グループX)
(グループB)
し、震度2程度を観測するグループXなどがあり
ます。
領域b内の地震活動経過図
領域a内の断面図(G−H投影)
G
H
今回の地震
領域b
小地震のアスペリティ
ゆっくりすべり域
(安定して滑っているところ)
中地震のアスペリティ
琉球
海溝
フィリピン海
フィリピン海
プレート
プレート
大地震のアスペリティ
(摩擦が強く固着しているところ)
沈み込むプレートの模式図
繰り返し地震とは
発生場所や規模がほぼ同じで、一定間隔で繰り返し発
生している地震のことを言います。相似地震や固有地震
などとも呼ばれており、観測される地震波形も互いによ
く似ている特徴があります。
フィリピン海プレートや太平洋プレートはゆっくり
と陸のプレートの下に沈み込んでいます(左図)。固着
の強いところ(アスペリティ)では「プレート面が一定
期間固着してエネルギーを溜め込んだ後に、急激なすべ
りを起こして地震としてエネルギーを解放する」ことを
繰り返しています。そして、大きなアスペリティほど固
着している時間が長く、すべりを起こすときに規模の大
きな地震が発生します。
過去の地震で
観測された震度
今まで観測
された回数
発生間隔
平均(今までの最短∼最長)
最近発生した地震
最近の地震
からの経過時間
次の地震が70%の確率で
発生すると予測される期間*
グループX M4.0程度
震度2程度
9回
(1994年以降)
2.4年(1.9∼2.7年)
2014年3月21日
0.8年
2016年4月∼2016年12月
グループA M3.1程度
震度1程度
(2003年以降)
1.1年(0.9∼1.4年)
2014年12月23日
0.0年
グループB M2.8程度
無感
(2003年以降)
1.1年(0.7∼1.3年)
2014年8月25日
0.3年
マグニチュード
11回
11回
2015年12月∼2016年4月
(前回予測:2014年12月∼2015年4月)
2015年6月∼2015年12月
* 2014年12月26日 現在、BPT分布モデルを用いた予測。
※2014年の週間地震概況(No.13)(http://www.jma-net.go.jp/okinawa/menu/syokai/jisin/data/syukan-2014-13.pdf)参照