沖縄地方の週間地震概況

平成 27 年3月 13 日(No.11)
沖 縄 気 象 台
沖縄地方の週間地震概況
今期間(3月6日~3月 12 日)の震源を赤で表示
今期間の地震回数 203 回
海溝軸
図中の記号
M:マグニチュード depth:震源の深さ
UND:マグニチュードの決まらない地震が含まれていることを意味する
※ 灰色のシンボルは対象期間から6ヶ月前まで(2014年9月12日~2015年3月5日)の
震源を表しています。
※ 沖縄県内で震度1以上を観測した地震を吹き出しで示しています。
[
概
況
]
宮古島で震度3を観測
6日 08 時 59 分に宮古島近海(宮古島付近)で発
生した地震(M4.4、深さ 49 ㎞)により、宮古島市
で震度3~1、多良間村で震度1を観測しました(右
図)。この地震は、宮古島近海で発生している繰り返
し地震の一つです(別紙参照)。
宮古島
多良間島
震度分布図
(6日 08 時 59 分 宮古島近海 M4.4)
沖縄県内で震度1以上を観測した地震の表(期間:3月6日~3月 12 日)
深 さ 規 模
震源時
震央地名
北 緯
東 経
各地の震度
2015年03月06日08時59分 宮古島近海
24゚ 48.1' N 125゚ 22.6' E
49km
M4.4
沖縄県
震度 3 : 宮古島市下地*
震度 2 : 宮古島市平良下里,宮古島市城辺福北,宮古島市伊良部国仲,宮古島市上野新里
宮古島市平良狩俣*,宮古島市城辺福西*,宮古島市平良西里*
宮古島市上野支所*,宮古島市伊良部長浜*
震度 1 : 多良間村塩川,宮古島市平良池間
2015年03月06日14時20分 沖縄本島近海
26゚ 13.7' N 127゚ 11.2' E
37km
M3.8
沖縄県
震度 2 : 豊見城市翁長*,座間味村座間味*,久米島町山城,久米島町謝名堂
震度 1 : 恩納村恩納*,那覇空港,那覇市港町*,宜野湾市野嵩*,糸満市潮崎町*
沖縄市美里*,読谷村座喜味,北中城村喜舎場*,中城村当間*
西原町与那城*,与那原町上与那原*,南風原町兼城*,渡嘉敷村渡嘉敷*
渡名喜村渡名喜*,八重瀬町東風平*,南城市玉城富里*,南城市大里仲間*
久米島町仲泊*,久米島町比嘉*
*の付いた地点は気象庁以外の震度観測点です。
※
資料中のデータについて
この資料は、独立行政法人防災科学技術研究所、北海道大学、弘前大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、高知大学、九州大学、鹿
児島大学、独立行政法人産業技術総合研究所、国土地理院、独立行政法人海洋研究開発機構、青森県、東京都、静岡県、神奈川県温泉地学研究所、
及び気象庁のデータを用いて作成しています。また、IRIS の観測点(台北、玉峰、寧安橋、玉里、台東)のデータを用いて作成しています。
※
資料は速報であり、後日の調査で変更することがあります。
過去の資料は沖縄気象台ホームページで閲覧できます。
URL
http://www.jma-net.go.jp/okinawa/menu/syokai/jisin/jisin_gaikyo.html
本件に関する問い合わせ先:沖縄気象台地震火山課
098-833-4295
別紙
宮古島近海の繰り返し地震
震央分布図(1997年1月以降、深さ0~150km、M≧3.0)
2015年3月の地震を濃く表示
2015年3月6日08時59分に宮古島近海(宮古島
付近)でM4.4の地震(深さ49km)が発生し、宮
古島市で最大震度3を観測しました。この地震
は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界
G
で発生した地震と考えられます。
領域a
この地震の震源付近では、繰り返し地震が4グ
ループ見つかっています(下図表参照)。今回の
(グループ X)
地震は、M4.4程度で平均2.2年間隔で発生するグ
ループAに属します。この他にも、M5.1程度で
平均6.0年間隔で発生し、震度4~3程度を観測
石垣島
するグループXなどがあります。
宮古島
なお直近では、2015年1月16日にグループCに
H
西表島
属するM3.9の地震(深さ50km)が発生し、最大
震度2を観測しています(最下部※を参照)。こ
の時点でグループAは、2015年3月から2016年3
月までの期間に70%の確率で発生すると予測さ
今回の地震
(グループA)
れていました。
領域a内の断面図(G-H投影)
G
領域 b 内の地震活動経過図
H
今回の地震
領域b
今回の地震
(グループA)
(グループ X)
小地震のアスペリティ
ゆっくりすべり域
(安定して滑っているところ)
中地震のアスペリティ
琉球
海溝
フィリピン海
フィリピン海
プレート
プレート
大地震のアスペリティ
(摩擦が強く固着しているところ)
沈み込むプレートの模式図
マグニチュード
過去の地震で
観測された震度
グループX M5.1程度
震度4~3
グループA M4.4程度
震度3程度
グループB M4.2程度
震度3~2
グループC M3.9程度
震度2程度
繰り返し地震とは
発生場所や規模がほぼ同じで、一定間隔で繰り返し発生してい
る地震のことを言います。相似地震や固有地震などとも呼ばれて
おり、観測される地震波形も互いによく似ている特徴があります。
繰り返し地震の発生場所付近(左図)では、フィリピン海プレ
ートや太平洋プレートがゆっくりと陸のプレートの下に沈み込ん
でいますが、プレートの境界で固着の強いところ(アスペリティ)
があり、「プレート面が一定期間固着してエネルギーを溜め込ん
だ後に、急激なすべりを起こして地震としてエネルギーを解放す
る」ことを繰り返しています。大きなアスペリティほど固着して
いる時間が長く、すべりを起こすときに規模の大きな地震が発生
します。
今まで観測
された回数
発生間隔
平均(今までの最短~最長)
最近発生した地震
最近の地震
からの経過時間
次の地震が70%の確率で
発生すると予測される期間*
9回
6.0年(5.0~7.0年)
2014年9月18日
0.5年
2019年12月~2021年7月
2.2年(1.2~3.6年)
2015年3月6日
0.0年
2.5年(2.0~3.5年)
2012年11月27日
2.3年
2015年4月~2015年11月
1.8年(1.2~2.1年)
2015年1月16日
0.1年
2016年6月~2017年2月
(1964年以降)
12回
(1990年以降)
10回
(1990年以降)
11回
(1997年以降)
*
2016年10月~2018年1月
(前回予測:2015年3月~2016年3月)
2015年3月6日 現在、BPT分布モデルを用いた予測。
※2015年の週間地震概況(No.4)(http://www.jma-net.go.jp/okinawa/menu/syokai/jisin/data/syukan-2015-04.pdf)参照